もり・ひろし

新語ウォッチャー。1968年生まれ。電気通信大学卒。CSK総合研究所(現CRI・ミドルウェア)を経て、新語・流行語専門のフリーライターに。辞書・雑誌・ウェブサイトなどでの執筆活動を行う。代表的連載に日経ビジネスオンライン(日経BP社)の「社会を映し出すコトバたち」、現代用語の基礎知識(自由国民社)の「流行観測」欄など。

お金にまつわるこぼれ話。一文無しに二束三文。現代に生きる通貨単位、文(もん)。

一文無し(いちもんなし)という言葉がありますね。文無し(もんなし)、あるいは無一文(むいちもん)とも言います。

もちろんこれらは「所持金がない」ことを意味する言葉。現代風に表現するならば、それぞれ一円無し、円無し、無一円とでも表現できるかもしれせん。

ともあれ、かつての通貨単位である文は、現代の日本語でもさまざまな場面で登場します。今回は文が登場する言葉について、その意味や由来を紹介することにしましょう。

「ひもじい」は「貧しい」という意味ではない?その語源を探ってみました!

「ひもじい」という言葉があります。ひょっとしたら最近では「ひもじい=貧乏」だと理解する人も増えたかもしれませんね。しかし、ひもじいの本来の意味は「お腹が空いている」こと。

人が空腹になる状況は、たいていの場合において貧乏な状況なので、あながち「ひもじい=貧乏」も間違っていないのかもしれません。

さて、それはそれとして。この「ひもじい」という言葉の語源は何なのでしょうか?

スマホで「ビットコイン」と入力。候補に見知らぬ記号が!

手元のスマホで試してみてほしいことがあります。文字入力を使って「ビットコイン」と打ち込んでほしいのです。おそらく、いくつかの変換候補が表示されることでしょう。

その変換候補に「₿」という見慣れない記号が含まれていないでしょうか。アルファベットのBの上下に2本ずつのヒゲが生えた記号です。

操作するスマホによって表示されない場合もありますが、何人かで試せば、そのうち一人ぐらいは表示されるかもしれません。さてこの記号の正体はいったい何なのでしょうか?

ロハに一六銀行。遊び心あふれる、お金・ビジネスの言葉たち。

もうすっかり死語に属する言葉だとは思いますが「ロハ」という言葉がありますね。サッカーのスペイン代表を意味する「ラ・ロハ」(La Roja)のことでも、健康的で持続可能な生活を意味する「ロハス」(LOHAS、Lifestyles of Health and Sustainability)のことでもありません。

無料を意味するロハのことです。このロハが、どうして無料を意味するのか知っていますか? 今回は「遊び心あふれる」お金やビジネスの言葉をいくつか紹介しましょう。

耳を揃えてお金を返して!の「耳」ってなに?

「借りたお金は、月末までに耳を揃えて返さないとなぁ」といった言い回しがあります。この「耳を揃えて」の部分は、具体的には「不足なく」と言い換えることも可能かもしれません。では、どうして「金額の不足がない」ことを「耳を揃える」というのでしょうか?

商売繁盛を意味する「かきいれどき」。漢字で書くとどうなる?

夏はかき氷屋さんの「かきいれどき」、大晦日はお蕎麦屋さんの「かきいれどき」。このように「かきいれどき」は、商売が繁盛して儲けが非常に多くなる時期を指しますね。

この「かきいれどき」を漢字で書くとどうなるでしょうか?「掻き入れ時」だと思った人もいるのではないでしょうか。

筆者も個人的にはその表記が嫌いではないのですが、実は語源に照らし合わせると間違っている表記だというのです。

フリーマーケットのフリーは、自由の”free”ではない

不用品などの販売を行うフリーマーケット。最近では子供が売り主や買い主になる「キッズフリーマーケット」や、スマホを通じて不用品の販売ができる「フリマアプリ」など、その形式も非常に多様化しています。

そういえば、フリマという略称もすっかり定着しました。さてこのフリーマーケットの「語源」を、皆さんはご存知でしょうか。フリーマーケットのフリーは、実は自由のfree「ではない」のです。

商人(しょうにん)と商人(あきんど)。その語源を探る。

商い(あきない)という言葉があります。もちろん「品物を売買すること」を意味する言葉ですね。商いをする人のことは「商人」と呼びます。その商人という熟語なのですが、ふりがなでは「しょうにん」「あきんど」というふた通りの読みをつけることが可能です。この「しょうにん」と「あきんど」の語源はなんだろう?――というのが今回のテーマです。これらの語源には、中国と日本における古代の商業史が刻まれていました。

語彙力アップ!「お金」の古風な言い方を学ぼう

世間では「語彙力」のアップを売りにした本が人気なのだそう。そこでこのコラムでは「お金」の「古風な言い方」を学んでみることにしましょう。

お金の言い換えといえば、一般的には「貨幣」や「金銭」あたりを思い出すところですが、これを古風に言い換えるとどうなるのでしょうか?

ボンヤリした「CSR(企業の社会的責任)」概念をスッキリ理解する方法

あなたがお勤めの会社には、CSR推進部とかCSR委員会などの部署はあるでしょうか?

このような部署名に登場する「CSR」(corporate social responsibility)という概念。訳語が「企業の社会的責任」であることをご存知の方も多いことでしょう。

またその意味について、おおまかには「環境や人権などの問題に企業として配慮すること」だと理解している人も多いと思います。

その一方で、CSRについて「概念が漠然としている」「意味を掴みづらい」と感じている人も多いのではないでしょうか。そこでこのコラムでは、ボンヤリしたCSR概念をスッキリ理解するための「3つの切り口」を紹介してみましょう。