「資産を増やしたいけど減らしたくない」。このことは皆さまに共通する点ではないでしょうか。でも、実際には証券投資においてうまくいく人といかない人がいる。この差はどこにあるのでしょうか。その根本的な要因を探っていきましょう。

うまくいかない本当の問題の正体とは?

皆さまは証券投資をしてうまくいかない状態に陥った時に、その最大の要因は何だと思いますか?

●証券投資の知識が不足しているから

●選んだ投資信託・個別株が良くないから

●証券マンが適切なアドバイスをくれないから

でしょうか。これは表面上のことで、うまくいかない最大の要因は別にあると見ています。本当の問題の正体は私たちの心の中にある“一喜一憂”です。

一喜一憂している人の投資行動とは?

一喜一憂している人は、どのような心理になっているのでしょうか。

マーケットが上昇して資産が殖えてくると「新聞やパソコンで資産状況をチェックするのが楽しみ」「仕事の合間にマーケット状況を確認してワクワクしている」「自分へのご褒美!と言って高価なものを買う」「とにかく気分が良い!」。

逆にマーケットが下落して資産が減ってくると「新聞やパソコンで資産が減っているのを見るのが怖い」「仕事に対してやる気が出ない」「昨日よりも食費を抑える」「証券会社や銀行の担当者に対して不満を持つ」「不安、落胆、後悔・・・」。

このような心理になった結果、マーケットが上昇すると「もっともっと」とお金をつぎ込んでしまい、マーケットが下落して資産が減ると怖くなって不安になる。結果として「高いところで買い、安いところで踏み込めない、もしくは売ってしまう」をしてしまうのです。うまくいかない人はこれを繰り返して、資産を減らしていってしまっているのです。

一喜一憂してしまったら

私たちは資産が減って一喜一憂してしまった時には、必ずと言っていいほど「誰かのせい」「何かのせい」にしています。「トランプ大統領のせい」「日銀のせい」「FRBのせい」「自分の知識不足のせい」・・・。私たちはこのように思ってしまいますが、実際には誰も私たちを一喜一憂させようとはしていません。

トランプ大統領も日銀もFRBも私たちの資産を減らして怖がらせようとは思ってもいません。問題は私たちの心の側にあります。私たち側の問題なのです。

証券投資は一喜一憂との戦いです。一喜一憂は私たちに「高いところで買わせて、安いところで売らせる」をしてきます。自らの一喜一憂に気付いた時には、その言うことは聞かずに横に置き続けていくことです。

これを続けることによって、あなたの深刻さ、大変さは軽くなってきます。最終的には一喜一憂しても「また来たな」くらいのもので、大したことではないと思えるようになってきます。

自らの一喜一憂を横に置くことができるようになった時、あなたは、「誰かのせい」「何かのせい」にすることなく、心が平安な状態で運用していくことができるようになっているでしょう。

その時にはあなたは人生においてもきっと、一喜一憂しない、心の平安のある豊かな人生を手に入れることができているでしょう。

 

私たちが証券投資をする上での最大の敵は、一喜一憂です。
証券投資をするのであれば、一喜一憂と向き合っていきましょう。

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マネーブレイン株式会社 代表取締役。 CFP®認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士。 中学3年から証券投資を始める。慶應義塾大学卒業後、株式会社日立製作所を経て野村證券株式会社にて個人富裕層を中心に資産運用アドバイスに従事。2012年に独立し、その後、マネーブレイン株式会社を設立。 「“心”と“運用スタンス”の両立が資産運用で成功する鍵」という考えのもと、質を高度に保ち、より洗練させていくため資産運用に特化し活動。お客様のイメージする資産運用の実現に向けて心と運用スタンスの両面からサポートし、高い支持を得ている。 また、資産運用セミナーなどを通して、心と運用スタンスの考え方が多くの人の共感を呼んでいる。 著書に『資産運用で成功する人はここにいる』『投資信託でうまくいく人、いかない人』がある。

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