株とは企業活動を自由に行うための手段
人がなんらかのビジネスを始めて行動を起こす時にはお金が必要になります。始めは銀行からお金を借りてビジネスを始めるかもしれません。
しかし、ビジネスが成長してくるにつれてより多くのお金が必要となります。銀行からの借り入れだけでは限界がくるかもしれませんし、たくさん借りればその分支払う利子も多くなります。
そんな時、世の中にいる多くの人からお金を少しずつ集めることができれば、ビジネスもしやすくなります。
そこで多くの人からお金を出してもらうために「株式（または株）」というものが作られました。
株式は「あなたのお金をじぶんのビジネスへ提供してください。その代わり私たちのビジネスをお金をだしてくれた割合に応じてあなたへと差し上げます。」というものなのです。
つまり、株式とは企業の一部なのであり、株式を買うことは企業の部分的なオーナー（株主といいます）になるということです。
株式を買う量にもよりますが、企業の株をたくさん保有する投資家には大きな発言権が与えられ、経営の方向性に深く関与することもあります。
まとめると、株とは・・・
- 企業にとっては事業活動をおこなう資金を得る手段
- 投資家にとっては企業のオーナー（株主）になるための手段
企業側は株主のために利益を出す努力をする
株式会社は本来は企業のオーナー（株主）のものです。
株主には資金を出してもらっているので、企業はその資金源を利用して事業活動をおこなうことができます。銀行の負債（借金）とは異なり利子などもありませんので、企業は活き活きとその資金を利用することができます。
ただ、資金を出してもらうからには株主のために利益を残す必要があります。
事業活動が軌道にのってくれば多くの利益（最終利益といいます）が残るようになります。この利益が大きく残るほど投資した株主の株の価値も上がります。
企業は様々な努力をして株の価値を上げる努力をします。
しかし、事業活動を行っても残念ながら軌道にのるとは限りません。そんな時には株主も見切りをつけて株を手放してしまうかもしれません。
株を売られてしまうとその分、企業から資金がなくなってしまうことになります。せっかく投資してもらったのにその資金がなくなってしまうと企業は自由な事業活動ができません。
企業はそうならないためにも株価の価値を向上させるため様々な対策を行うのです。
まとめると、
- 株式会社は本来は株主のもの
- 社長や社員は株の価値（株価）をあげるために利益を出す努力をする
株主は様々な権利が付与される
さて企業の株を買った株主には様々な権利が付与されます。
まず、企業の経営に参加するための議決権がもらえます。企業は自分たちの事業活動や現在の業績動向を詳しく説明するために「株主総会」を開きます。
株主は株主総会に参加し、企業の将来的な行く末を見守ることができます。
また株主になると、定められた日に株を保有していると「株主配当」というお金や「株主優待」といった企業からのプレゼントがあったりします。
株を持ち続けてくれている株主に分かりやすく利益を還元しようと株主配当というお金や優待といったプレゼントを渡すのです。
株主になると様々な権利を得ることができるのです。
まとめると、
- 株主は議決権が付与され、株主総会に出ることができる
- 株主は株主配当や株主優待などを受け取れる場合がある
株主の権利についてより詳しくは日本証券業協会の下記ウェブページを参照のこと
日本証券業協会：http://www.jsda.or.jp/manabu/qa/qa_stock06.html
株式制度がなくなると私たちの社会は衰退する
ざっと株について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
株という制度が存在することで企業はより自由に大きな事業活動をおこなうことができます。投資家は企業のオーナーになることができ、企業からさまざまな権利を得ることができます。
つまり、株とは企業にとっても投資家にとっても「win-win」な制度であり、社会において経済活動を大きく成長していくために不可欠なものなのです。
もし株式という制度がこの世の中から無くなったら私たちの社会は衰退することでしょう。私たちが生きていく上で株はなくてはならない存在なのです。
