シミュレーション取引で敵と自分を知ろう!
「彼を知り己をしれば百戦危うからず(孫子)」
非常に有名な言葉ですが、これは株式投資の世界にも当てはまります。
株式市場の仕組みや企業の特徴など(彼)を知ること、そして自分の取引のクセや失敗した時の傾向など(己)を知ること、この2つが揃って初めて株式市場で利益を上げるために土台が整います。
もちろん、実戦を行い学んでいくのが一番ですが、全くの株初心者のまま資産を安易に株に投じるのは危険が伴う場合も多いです。そこで、まずシミュレーション取引を行うのです。
株のシミュレーション取引は実際の株の売買の前準備として行う実際のお金を使わない取引のことです。
株価の値段の動き方や市場の流れを一通りみておくためにも数週間から数ヶ月程度のシミュレーション売買はおすすめしたいと思います。
ちなみにプロの証券ディーラーなども実売買を行う前にシミュレーションを行います。筆者もシミュレーション取引の経験はありますが、様々な気づきがあったことから今では素直にやってよかったなと思います。
シミューレションで考慮したい3つのポイント
株のシミューレションを行う際には、以下の3つのポイントをおさえて行っていくと良いでしょう。
1 複数の業種の企業を買ってみること
株価は個別の企業ごとに様々な動きをしますが、業種によって変わります。
例えば、化粧品業界やドラッグストア業界のように絶好調な業種がある一方、海運業や鉄鋼業のような停滞気味の業種があることに気づくでことでしょう。
この業種はとても伸びているんだな〜など気づきも多いはずです。
2 株を買うタイミングをずらすこと
企業を選んで株を買う場合、できるだけ株ごとにタイミングをずらすのも重要です。
これは全体相場の動きと個別の企業の動きは連動することもあるので、たまたま相場の調子が良い時には良い結果がでてしまい、相場の調子が悪い時には悪い結果がでることを防ぐための物です。
取引のサンプルをできるだけ多く取るためにも買うタイミングはできるだけずらしていきましょう。
3 資産推移をみること
資産推移とは、株を買った時に損益の推移を確認するということ。
株価は上下するため、時に損益が大きくブレることもあります。そんな時には保有している株になにかしら良いニュースもしくは悪いニュースが出たのかもしれません。
ニュースがでると株価が一気に動くのでそれをみる良い機会です。
毎日資産推移を確認することで、より臨場感のあるシミュレーションとなります。
具体的なシミューレション方法
株を買う際には以下の点は最低限記録しておきましょう。
⑴ 銘柄 どんな株に着目する?
⑵ 買値 いつ、いくらで買う?
⑶ 株数 何株買う?
⑷ 売値 いつ、いくらで売る?
⑸ 損益 どれくらい損益がでた?
⑹ 反省 どんな取引だった?
こういった具体的な数値をシミュレートしてみてください。数週間から数ヶ月程度、10銘柄から20銘柄程度の株価の値動きをみていると色々なことに気がつくはずです。
簡単に例を出すと次のようになります。
⑴ 銘柄 トヨタ自動車
⑵ 買値 2018年3月15日 6,902円 始値で購入
⑶ 株数 100株
⑷ 売値 2018年5月15日 7,560円 終値で売却
⑸ 損益 65,800円の利益
⑹ 反省 株式市場が落ち着きを見せたため購入後、決算発表で上昇。いったん利益を確定して様子見へ。
基本的には上記のようなイメージで行います。株価は毎日動くものなので、毎日の株価推移と資産推移を見てみるとより臨場感がでます。
忘れてはならないのは⑹。一つの取引が終わったらかならず、取引の振り返りをして忘れないようにメモしておくこと。特に失敗した時の記録は実際の取引でも役立つ場合が多いので、絶対に忘れないようにしましょう。
また、取引の振り返りはシミュレーション終了後の実取引においても継続して行っていくと良いです。自分の投資力の底上げのために効果的です。
株のシミュレーション用ソフトを有効活用しよう!
正直なところ株のシミューレーションは株価情報や企業情報を見ることのできる環境さえあれば、株と鉛筆があれば可能です。
ただ、複数銘柄の株取引となると損益計算が大変ですのでウェブ上で提供している株取引のシミュレーションソフトを利用するのも良いでしょう。
そこで気軽に使える株のシミュレーションソフトをご紹介します。
⑴ トレタビ
株式のシミュレーションを気軽に行うことができるとしてソフトの中では有名な部類に入ります。証券会社などの研修でも利用されているようです。
参考:https://www.k-zone.co.jp/td/
⑵ 株式投資とれーにんぐ
こちらはみずほ証券が提供するシミュレーションソフトです。1000万円の仮想のお金を元手の実際の株価を利用して取引が可能です。
参考:https://k-zone.co.jp/sc/index.do
いずれも無料で利用が可能です。株価は実際動くものなので、損益をリアルに体験するためにもソフトを有効利用していきたいところですね。
思う存分シミュレーション取引をして実売買に備えるようにしておきましょう。