“超”が付く低金利時代と言われる今日、銀行に預けていてもお金が増えることは期待できません。かといって、投資経験に乏しい人が株や先物取引などに手を出すにはリスクがあります。そこで注目したいのが「iDeCo」と「NISA」です。いずれも、少額から始められ、しかも税制メリットが大きいということもあり、その裾野が広がってきています。ではこの2つの投資にはどんな特徴があるのでしょうか。老後資金をつくるうえでどちらが有利に働くかを検証します。

いつでも売却して現金化できるNISA

少額投資非課税制度「NISA」は、年間120万円を限度に株式や投資信託を買うことができる制度です。

購入後5年間にわたって、この間に受け取った配当金や分配金、売却益にかかる約20%の税金が非課税になるのが最大の特徴です。

一般の投資では利益の20%に課税されるので、それが丸々浮くことになり大変お得。しかも非課税なためNISA口座は確定申告不要というメリットもあります。

さらに、いつでも好きなときに売却して現金化できるので、途中で大きく値上がりしたら、その時点で利益を確定させることも可能です。

ただし、購入した投資信託や株が値を下げて損失が出た場合でも、損益通算が出来ない点には注意が必要です。

続けることで老後資産形成に役立つiDeCo

個人型確定拠出年金「iDeCo」は公的年金に上乗せして老後の生活資金を確保する目的でつくられた制度です。

短期勝負でいつでも引き出せるNISAとは異なり、こちらは、60歳まで換金できないといった不便さはあるものの、老後資金に手を付けないという前提ならこちらの方がメリットは大きいと言えるでしょう。

たとえば、NISAは運用益が非課税である点がメリットですが、iDeCoの場合は加入すると節税所得税・住民税)になり、運用して得た利益も非課税。

しかも、60歳過ぎて換金した場合も年金扱いになるので控除が受けられるといった具合に3度おいしい思いができます。

もちろん、投資なので元本割れが生じることもありますが、この節税分で確実に利益を上げられるため目減り分をカバーすることも十分可能。これに対し、元本割れが生じたらそれきりのNISAとはここが大きく違います。

しかもiDeCoは、毎月5,000円の拠出金から投資できるので誰にでも始めやすいのが特徴です。掛け金の限度額は職業などで異なりますが、最高で毎月68,000円(年間816,000円)まで拠出できるため節税メリットは非常に大きいと言えます。

もちろん掛け金はすべて所得控除の対象。老後のための資産形成を確実に図るなら、iDeCoに分があると言えるでしょう。

いずれにしても、できるだけ早いうちに始め、長く続けるのがiDeCoでお金を増やす秘訣です。

「貯蓄から投資へ」を促すiDeCoとNISA

冒頭でも述べた通り、もはや預金ではお金を増やすことができない時代が到来しています。

そこで、国も「貯蓄から投資へ」をスローガンに、より効率的なお金の生かし方・育て方を国民に普及しようと、近年になって投資を促す税制優遇措置をいくつも打ち出し始めているのが現状です。

その政策として代表的なものがiDeCoとNISAであり、どちらも資産形成を図るうえでとても役に立つ投資ですが、それぞれの違いをよく理解したうえで自分に合ったものを選びましょう。

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