スーパーマーケットのサッカー台(袋詰めをする台)にチラシが置いてあったり、自宅の郵便受けにチラシが入っているなど、共済の案内は意外とよく見かけるのではないでしょうか。 よく目にする割に、加入していない人にとっては、イマイチ内容がよく分かっていない場合が多く、特に「普通の生命保険と何が違うの?」といった質問をよく聞きます。今回は、共済について、生命保険との違いやメリット・デメリットなどをお伝えいたします。

共済と生命保険の違い

共済はファンクラブ?

共済と生命保険の一番の違いは、加入者を募集するときのスタンスにあります。一般的な生命保険では「健康な人であれば誰でもウェルカム!」というスタンスなのに対し、共済は「共済ファン限定で大募集!」というスタンスです。

たとえば、某アイドルのファンが何人かいたとしましょう。そのうち、会報を手に入れたい人や優先的にライブチケットを手に入れたいと考える人は、そのアイドルのファンクラブに加入するでしょう。

その一方で、たとえファンであったとしても、会報やチケットはいらないと考えるファンも存在しており、そういう人たちはファンクラブに加入しません。

そして、ファンクラブとしても「加入条件はこのアイドルのファンの人限定!アンチはお断り!」と考えているでしょう。

このように、県民共済であればその県に住んでいる人だけが加入できる権利を持っていて、加入するかどうかは本人の気持ち次第になります。

ファンクラブのことを「組合」といい、加入の有無に関わらずファンの人たちのことを「組合員」といいます。一般的に、共済は組合員しか加入できません。

共済にはセーフティネットがない

生命保険会社が破綻してしまった場合、どうなるかご存知でしょうか。

実は、生命保険契約者保護機構(セーフティネット)が、破綻した保険会社の「保険契約の移転における資金援助」「保険金の支払いに係る資金援助」などを行い、対処してくれるのです。

ところが、共済には、このセーフティネットと呼ばれるものがありません。つまり共済が破綻すれば、組合員が支払った共済掛金(保険料)および将来支払われるはずだった共済金(保険金)が消失することになりかねないということです。

用語の呼び方が違う

生命保険と共済では、いくつか呼び方が異なるものがあります。

共済のメリット・デメリット

共済のメリット

共済のメリットは共済掛金(保険料)の安さです。

たとえば、18歳~60歳までの人が都民共済(総合保障2型:毎月2,000円)に加入した場合、事故で入院すれば1日あたり5,000円、交通事故で後遺障害1級と認定されれば660万円以上、交通事故による死亡・重度障害には1,000万円の保障が用意されています。

また、余剰金があれば割戻金(配当金)が還元されるので共済掛金(保険料)は更に安くなります。平成28年度の都民共済の割戻率は38.66%でした。

総合保障2型の場合、年間に支払った掛金(保険料)は24,000円で、そのうち9,278円が還元されたので、年間掛金(保険料)は実質14,722円、1ヶ月あたり約1,226円ということになります。

共済のデメリット

共済のデメリットは、同じ掛金(保険料)を支払っているにも関わらず、年齢を重ねていくほど、保障が少なくなっていく商品があることです。メリットで挙げた保障を例に年齢が上がるとどの程度保障が下がるか確認してみましょう。

ご存知の通り、年齢が高くなればなるほど入院日数は長くなる傾向にあります。本当に保障を必要としているタイミングで保障が手薄にならないよう、気をつけなければなりません。

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FPおふぃすプラスめいきっと代表。奈良県在住のファイナンシャルプランナー。幼少期はちょっぴりリッチな生活を送るもトラブルが続き高校時代はホームレスを体験。IT業を経てFPへと転身。「お金のことは難しい」と思う人と同じ目線で分かりやすく、ひとりでも多くの人にお金の知識/知恵/知性をプレゼントする活動をしている。