順張りと逆張りの基本的な考え方
株を買う人の中には、今株価がどんな動きをしていようとも気に入った株があったならすぐに買うという人もいます。
それはそれで一つの投資の仕方として成り立ちますが、タイミングを見計らうというのも株式投資の世界では時に大いに役立つことがあるのです。
まず順張りは今あがっている株がこれからも上がり続けるだろうと見越して株を買うことをいいます。
逆張りは、今下がっている株がこれからは上がり始めるだろうと見越して株を買うことをいいます。図解すると以下のようになります。
チャートで順張り投資をみる
順張り投資とは、株価が上昇の流れにある株を「これからも上がる」と見越して買う方法です。上昇の勢いの流れにつく投資方法とも言えます。
すでに上昇しているということはその企業にはすでに多くの投資家からの資金が流入しているということになります。
多くの投資家が買っているからこそ株価は上昇のながれを作ってきたのです。ここで一つ順張り投資の実例を挙げてみましょう。
以下の株価チャートはKEYENCE(キーエンス)という企業の株価チャートです。
FAセンサーの大手企業ですが、様々な業種からの需要が高くいわゆる本業の売上高がここ数年拡大傾向にあります。
投資家が重要視する一株利益も年々増加し続けているため、株価も右肩上がりの伸びをキープしているのです。
これだけ大手の企業で株価が何倍にもなる企業はそう多くはありませんが、世界的にみても商品力のある企業の株式は多くの投資家に買われ続けることがわかります。
ポイントをまとめておきます。順張り投資においては以下の点が重要となります。
⑴ 業績が好調であること。通期業績予想の上方修正など本業が好調であること
⑵ 株式を買う需要が増加すること。配当が増えるとか魅力的な優待が出る
⑶ 自社株買いなど企業が自社の株式の価値を上げる努力をするなど
他の順張り投資で成功した大手企業の例としては、業績拡大と増配を継続している東京エレクトロンなどがあります。
チャートで逆張り投資をみる ポイントは魅力の復活
逆張り投資とは、株価が下落の流れにある株を「今後は反転して上がり始める」と見越して買う方法です。これは銘柄の株価の動きの転換点を捉える方法だといえます。
さて、こちらの逆張りでねらう株式というのはその企業に魅力がなくなり、多くの投資家から手放されてしまっている株式のことを指します。
つまり魅力がない株式がこれから上がると見込んで逆張りの買いを試していく少し高度な手法となります。
ここで一つ逆張り投資の実例を挙げてみましょう。
下記はアパレル企業のANAP(アナップ)という企業の株価チャートです。
比較的低年齢抜けの女性服を展開している企業ですが、実はこの企業2015年までは大きな赤字、2016年になりようやく赤字幅を縮小させています。
その時点では株価はようやく下げ止まった程度ですが、そこから快進撃が始まっています。2017年には業績の黒字化とともに話題のAI(人工知能)事業への参入なども話題となり株価を一気に回復させています。
まとめると逆張り投資においては以下のポイントを押さえる必要があります。
⑴ 業績が好転する。赤字見通しから黒字化へ、利益が減益予想だったのが増益へなど。
⑵ 企業にとってインパクトのあるニュースが発生する。大手企業との事業提携、新規事業への参入など。
株価が下がっている時には基本的には企業に余裕のない状態だと言えるので、本業の成績が好転するか、本業の成績を好転させるようなニュースの発生が逆張り投資においては好ましいです。
逆に本業がうまくいっていないのに優待や配当などで株価を維持しようとすると株価は一時的な上昇で終わることもあります。
他にも事業インパクトの大きさで株価が好転した大手企業の例としては、任天堂などがあります。
ほかにも押し目買い、ブレイクも…手法はどんどん増やしていこう!
順張りと逆張りについて説明してきました。
ここでは2件の方法をおつたえしましたが、株を買うタイミングには実にさまざまな方法があります。
例えば、上昇のながれにある株式の株価が一時的に下がるタイミングを狙う押し目買い、株価が横横のうごきを続けている中で何かしらのニュースが出て株価が大きく上伸したタイミングで株を仕込むブレイクなどがそれにあたります。
株式投資をしていく中では株をどのようなタイミングで買うかによって大きくパフォーマンス(利益率の大きさ)が異なってきますので、タイミングを捉える方法はできるだけ知っておいたほうがよいでしょう。
参考にしていただけると幸いです。
(株価チャートは株マップ.comより引用)