当社、編集部が独自に選んだ主要ニュース(出展:日本経済新聞)は、「①ウクライナ危機」「②米国、利上げ」「③円相場、急落」「④2022年公示地価」です。

①ウクライナ危機

2月24日、ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始しました。

これを受けて米欧と日本は経済制裁の第1弾を発動しました。ロシア大手金融機関との取引禁止、政治家・富裕層の資産凍結各国金融市場でのロシア国債発行・取引禁止などになります。

2月26日には追加制裁決定。ロシアの大手銀行を国際決済網SWIFTから排除、またロシア中銀の外貨準備、ドルを凍結しました。

また、ウクライナ危機は、世界の金融市場・商品市場を揺さぶりました。特に、原油が急騰しました。NY市場のWTI原油先物価格は2月24日、7年半ぶりに1バレル100ドルを突破、その後も上昇は止まらず、3月8日には120ドルを超えました。

3月下旬を迎えましたが、ウクライナ情勢は未だ混沌としています。欧・米・日各国の対ロ追加制裁も徐々に厚みを増しています。この影響で今後も、商品・金融市場は不安定な状態が続くと思われます。


②米国、利上げ

※FRB=米連邦準備理事会 ※FOMC=米連邦公開市場委員会
※FF=フェデラルファンド ※CPI=消費者物価指数

3月16日、FRBは、FOMCで短期金利の指標であるFF金利の誘導目標を0~0.25%から0.25~0.50%へ引き上げることを決定しました。

新型コロナウイルス危機への対応で開始したゼロ金利を2年ぶりに解除。ロシアのウクライナ侵攻で不確実性が高まる中、インフレ抑制を優先し大規模緩和の幕引きを目指します。

CPIが前年比で8%近く上昇し、40年ぶりの高インフレが続いています。

ウクライナ侵攻で、短期的には更なる物価上昇圧力が生まれ、経済活動の重荷となる可能性が高いとFRBは判断しました。また、利上げの回数は今回を含め、0.25%を1回として22年中に7回することを示唆しました。

但し、状況に応じて1回の利上げ幅が0.5%の可能性も排除しないと明言。中期の金利見通しとして、22年末に1.9%、23年末に2.8%を目標に。

利上げ開始後、コロナ前の2倍・約9兆ドルに膨らんだ保有資産を減らす量的引き締めにも取り組みます。次回、5月のFOMCで計画を決定する可能性を予告しました。


③円相場、急落

円相場の下落に歯止めがかかりにくくなっています。

3月24日の東京外為市場では、1ドル=122円台と2015年12月以来、ほぼ6年3か月ぶりの円安・ドル高水準を付けました。

円安にブレーキがかかりにくい構図は、1ドル=120円台の円安から円高へ向かった2016年と比較すると鮮明です。

まず、円安が日本経済へのプラス効果が薄れてきたことが挙げられます。企業が海外生産を増やして、円安でも輸出が伸びなくなっています。円安が貿易収支の改善に繋がりにくくなりました。

更に、2016年との大きな違いは原油価格にあります。当時の原油価格は1バレル30~60ドル程度に下落し、日本の貿易収支の改善を通じて円安にブレーキをかけました。原油価格が1バレル100ドルを超える現在は、円安が輸入コストを一段と高め、貿易収支の赤字拡大を招く「悪い円安」の側面が強くなっています。

日米の金利差も拡大、供給制約による資源高の影響で今後も円安傾向は続く可能性が高いと思われます。1ドル=125円台までの円安を予測する市場関係者もいるようです。


④2022年公示地価

3月22日、国交省が発表した2022年公示地価、全用途全国平均が0.6%上がり2年ぶりに上昇しました。新型コロナウイルス禍から経済が徐々に持ち直していることを映し出しました。在宅勤務の広がりなどによる堅調な住宅需要がプラス要因となりました。

全国住宅地は0.5%上昇、前年の0.4%下落からプラスに転じました。テレワークが広がり、都心だけでなく郊外の住宅需要が伸びました。東京圏では千葉県柏市が0.4%上昇と14年ぶりにプラス、また、さいたま市(1.5%)、横浜市(0.8%)も上昇しました。

全国商業地は0.4%上昇しました。前年の0.8%下落からの戻りは鈍いです。大阪府が0.2%の下落と2年連続のマイナスになるなど地域差も目立ちます。東京23区のうち千代田・中央・港の都心3区は2年連続で下落しました。再開発が進んで2.3%上がった中野など他20区はプラスになりました。

工業地は2.0%上昇しました。巣籠もり需要でネット通販拡大が追い風に。東京近郊の物流施設の適地、千葉県市川市・船橋市の一部は20%程度の高い伸びとなりました。

地域経済の中心である札幌・仙台・広島・福岡の4市は全用途平均で5.8%上昇しました。