レバレッジとは
レバレッジはよく「てこの原理」と表現されますが、つまりは「少ないお金で大きな取引ができること」です。
FXでは口座を開設するとき、または取引するときにいくらかのお金を担保として預け入れなければなりません。そのお金のことを「証拠金」や「保証金」と呼びます。
仮に、この証拠金(保証金)が100万円だった場合、普通であれば100万円分の取引しかできませんが、レバレッジを10倍にすることで、口座には100万円しかないのに1,000万円分の取引が可能になります。
倍率の求め方
たとえば、1米ドル=120円のときに50,000米ドルを保有したいにも関わらず、100万円しか用意できないという時は次のように円換算してから計算することで、簡単に倍率を導き出すことができます。
50,000米ドル×120円=600万円(本来必要な金額)
600万円(本来必要な金額)÷100万円(実際に手元にある金額)=6倍
複数の外貨の場合でも、同じように円換算してから計算します。たとえば、上記同様100万円しかない状態で「①50,000米ドル(1米ドル=120円)」と「②30,000NZドル(1NZドル=80円)」を保有するなら次のように計算を行います。
① 50,000米ドル×120円=600万円
② 30,000NZドル×80円=240万円
③ ①+②=840万円(本来必要な金額)
④ ③÷100万円=8.4倍
レバレッジを使うと為替変動でどうなるのか
まずはレバレッジなし(1倍)だとどうなるのかを確認しましょう。1ドル=120円のときに120万円用意して、10,000ドルを手に入れたとしましょう。
その後、1ドル=119円のタイミングで円に戻すと、119万円になるため結果的に1万円損します。一方、1ドル=121円になったタイミングで円に戻すと、121万円になるため結果的に1万円得します。
もし、レバレッジ10倍でこの取引をしていたのなら、1ドル=119円のタイミングでは10万円の損、1ドル=121円のタイミングでは10万円の得になります。
このようにレバレッジを使うことで、大きな利益を得れる可能性がある反面、損失も大きくなる可能性があります。
目的に応じたレバレッジのかけ方
外貨預金の代わりとして使う場合
外貨に興味のある人で、あまりガツガツ稼ぐつもりがなく、その分リスクも取りたくないのであれば、レバレッジなし(1倍)の状態で外貨預金の代わりとして使うといいでしょう。
FXでも外貨預金でも、通貨を交換する際に手数料が発生します。一般的にその手数料が普通の外貨預金よりもFXの方が安い傾向にあります。
スワップ狙いの場合
FXには、スワップポイントと呼ばれる「金利差で受け取れるお金」があります。仮に日本円の金利が0.1%、米ドルの金利が1.5%だったとしましょう。
そして、円を使って米ドルを買った場合、1.5%から0.1%を差し引いた1.4%の金利を受け取ることができます。
このスワップポイントを狙っている場合、レバレッジは2~3倍にしておくのがいいでしょう。2~3倍では少なく感じてしまうかもしれませんが、トルコリラや南アフリカランド、メキシコペソなどの高金利通貨であれば、2~3倍でも十分リターンを得れるでしょう。
格付けを心配しているのであれば、豪ドルやNZドルなどがいいでしょう。
為替差益狙いの場合
為替差益(売却益)を狙っているのであれば、最低でも5倍のレバレッジがいいでしょう。もちろん、最初は2倍ぐらいから慣れていく必要がありますが、為替差益でしっかり稼ごうと思うとやはり最低でも5倍は必要になります。
今の上限は25倍ですが、今後は上限が10倍になるかもしれないと報道されています。
以前にも50倍から25倍へ引き下げる規制がありましたが、その時はFX業者によって規制開始日が異なりましたので、これから始めようと思っている人は今後の動向に注意しましょう。