不動産投資において、安く買って高く売るというキャピタルゲインを考える出口戦略の情報はたくさんありますが、「これから不動産投資をして老後もその物件を持ち続け、家賃収入が老後の生活の足しになればいいな」と考えるインカムゲイン狙いの人にとっては、出口戦略より入口戦略の方が大事かもしれません。今回は、これからインカムゲイン狙いの不動産投資を始めようと考えている人が知っておくべき失敗しないための入口戦略についてお伝えいたします。

インカムゲインとキャピタルゲイン

インカムゲイン

インカムゲインとは少額だけど定期的に決まった金額を得られる収入のことです。会社員であれば毎月の給料がインカムゲインになります。不動産投資におけるインカムゲインとは家賃収入のことを意味します。

キャピタルゲイン

一方、キャピタルゲインとは、何かを手放すことで得られる多額の収入のことです。会社員であれば、職を手放すことで得られる退職金がキャピタルゲインになります。不動産投資におけるキャピタルゲインとは物件を安く買って高く売るという値上がり益のことです。

国勢調査から考える投資物件と投資地域

国勢調査による世帯の変化ではワンルームマンションが狙い目!?

2010年と2015年の国勢調査における世帯数を全国規模で比較すると、下表のような結果になります。

この表の伸び率を確認すると単独世帯が狙い目といえます。単独世帯が狙い目ということは、比較的部屋数の少ない物件やワンルームマンションなどに需要があると推測できます。

都道府県別 人口および単独世帯における伸び率BEST10

次に、どの地域に投資するかを考えてみましょう。同じ国勢調査をもとに都道府県別の人口および各世帯の伸び率等を確認してみましょう。

不動産投資において失敗しないためには地域選びは非常に重要です。全体的な人口も増えつつ単独世帯も増えている地域を選ぶようにしましょう。

逆に、滋賀県など人口は増えているのに単独世帯ランクインしていない場合は、ファミリー世帯などである可能性が高く、ワンルームマンション等に投資をしようと考えている人には不向きなのかもしれません。

尚、東京都の23区においては人口の増加率は3.66%と群を抜いており、単独世帯の伸び率は9.06%です。増加数にあたっては201,456世帯と東京都全体の大部分を占めています。

失敗しない業者選びのポイントと注意点

業者選びのポイント

地元の不動産業者であれば、動向を掴みやすいかもしれませんが、不動産投資においては地元愛よりもデータなどを優先しなければならず、必ずしも地元での不動産投資がいいとは限りません。

全く知らない地域で不動産投資をする場合に確認しておきたいポイントとしては「リピート率」「過去に販売したマンション等の入居率」などが挙げられます。

リピート率は、どれだけその企業が信頼されているかの尺度になりますし、何かトラブルがあった時の対応力の高さも窺い知れます。

過去に販売した物件の入居率は、不動産投資の利回りに直結する重要なことなので、事前に調べておきましょう。

不動産投資における注意点

不動産投資はどんなに利回りが高くても入居者がいなければ収入はゼロになります。

このような話を不動産業者にすると、概ね「サブリース契約(不動産業者が物件を借り上げる制度でオーナーの空室リスクがなくなる契約)」を勧められます。

しかし、家賃から手数料を引かれてしまったり、不動産業者の都合でサブリース契約を打ち切られることもあります。契約時には契約年数や更新年数をしっかり確認しておくことが大切です。

また、インカムゲイン狙いで売却予定が無いのであれば、将来の家賃収入をしっかり予測しておかなければなりません。

今後、何十年にもわたってその物件を所有するため、家賃は下がっていくものと考えておかなければなりません。

投資物件のある地域の近辺で似た間取り・構造の物件を探し、築10年、築20年という具合に確認しておきましょう。

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FPおふぃすプラスめいきっと代表。奈良県在住のファイナンシャルプランナー。幼少期はちょっぴりリッチな生活を送るもトラブルが続き高校時代はホームレスを体験。IT業を経てFPへと転身。「お金のことは難しい」と思う人と同じ目線で分かりやすく、ひとりでも多くの人にお金の知識/知恵/知性をプレゼントする活動をしている。