証券ディーラーとは?どんな仕事しているの?
証券会社というのは、株や債券、投資信託などをお客さんから注文をとって売買する企業です。そしてお客さんから注文を取るということは、お客さんの資産を預かるということでもあります。
そのような預かり資産は企業内に眠らせておくことなく、証券会社が自己の判断で不動産や株などの金融商品で運用する場合があります。
この株式を運用する部門が証券会社のディーラーです。
証券会社のディーラーたちは自社内に留保しているお金を投資して上手に利ざやを得ているのです。
ただ投資といっても我々個人投資家のように一つの企業にお金を投じて長く成長を見守るような株式投資とは少し形態が異なります。
多くのディーラーは日計り(ひばかり)取引の形態をとり、1日の中で株を売買しながら利益を残していく手法を取っています。
もちろん株を長めに保有する人も中にはいますが、まだまだ少数派で数分から数十分で株を回転売買させるのがディーラーの手法なのです。
エキサイティングな取引とそれに伴う巨額の報酬
なんとなく証券ディーラーの仕事は想像がついたかと思われますが、彼らの株の売買取引の金額(売買金額)は非常に大きいという特徴があります。
ディーラーによって異なりますが、人によっては一回の取引で数億円から数十億円程度の金額を売買に投じます。
たとえ1%程度の株価の値上がりであっても、数億円を投じているので手元には数百万円の利益が残ります。
このように大量に株を売買して、できるだけ短い時間で大きな利益を残すエキサイティングな取引をするのも証券ディーラーの仕事の特徴です。
常に売買の緊張感に包まれる仕事なので緊張感は半端なものではありません。
そして、驚くべきはその報酬(インセンンティブ)で、稼ぐトップディーラーともなると月に数千万円を報酬として受け取る人も出てきます。年間ベースだと億を超えるディーラーも一人や二人ではありません。
精神的にきつく、負けたら終わりのディーラーの世界の中で成功すると30代で早期引退して海外で悠々自適に生活するなんてことも可能となります。
反面、取引の損失の出方が大きい場合には、早期にリストラの対象になってしまうこともあります。
ディーラーの世界というのは弱肉強食の世界の典型的なものと言えるのです。
証券ディーラーとして成功する2つのタイプ
証券ディーラーとして成功している大きく分けて次の2つのタイプ。
まずは積極的で恐れ知らずの取引をするタイプの人。
これはディーラーとして成功する可能性は高いですが、熱くなりやすい性格だと早期に退場となる場合もあります。
いわゆるドカンと稼いで、ドカンと失うタイプです。野球に例えるとホームランか三振かのホームランバッターのような感じです。
月間数千万円程度の利益を生み出すトップディーラーは大抵このタイプです。
次に、多少ビビりの性格で慎重に取引をするタイプの人。
こちらはリスクに対する対処がしっかりとできているので大損をしないため利益が少しずつ積み重なっていくのです。
大きくは儲けることはできないけれど、長くディーラーを続けていくことができます。野球に例えると、内野安打をコツコツ重ねる安打製造機のような感じ。
月間数千万円の利益を生み出すのは無理でも、数百万円程度の小さな利益を堅く積んでいくのがこの慎重派なタイプです。
ただし、この慎重派タイプは会社側に金銭的な余裕がない場合には、損が出ていなくても人員整理の対象となってしまう場合もあります。
簡単にはなれない?証券ディーラーになるためには
所定の手続きを踏むとディーラーになることができますが、株取引未経験の状態から証券ディーラーになるチャンスはいまではほとんどありません。
一昔前であれば、株取引未経験の社員を一から育てるということもあるにはありましたが、今ではそれなりの実績と経験を持つ個人投資家、もしくはディーラー経験者がディーラーになるという形がほとんどです。
つまりディーラー経験がない場合には、いまのところ個人投資家として実績を積むくらいしかディーラーにある道はないということになります。いかに狭き門であり閉じられた世界なのかがわかります。
ただ、ネット技術が発達した現在においては投資情報もほぼリアルタイムで獲得することができますし、売買手数料も安くなっていますのでディーラーに近い取引(いわゆる株式デイトレード)を個人で行うことは可能です。
もし株のエキサイティングな取引に興味があればデイトレードやスイングトレードといった短期的な取引を学んでみるのも良いでしょう。
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