証券取引所とは
証券取引所とは、投資家同士の株の売買を取り持ち、管理する役割を担う機関、場所のことです。
もちろん投資家が実際に取引所に足を運んでする売買する必要はありません。個人投資家がインターネットから注文をすれば、それが即座に取引所のシステムに反映されるようになっています。
だいぶ昔の話になりますが、取引所には「場立ち」という制度がありたくさんの立会人がいました。
立会人は、投資家から注文を受けた証券会社の担当者が実際に取引所の中で大声を出したり、手振りで注文を伝えるという方法がとられていました。
昔は注文を成立させるのが大変面倒だったのです。
ところが、インターネットの発達したことで、今では立会人を通さずに個人が簡単に株の売買を行えるようになりました。
立会人は随分と前にいなくなり、証券取引所には大きな管理システムとそれを監視する人たちだけになったのです。
株券という紙も今では完全に電子化されており、ウェブ上で管理されることになっています(証券保管振替機構が管理)。
つまり、今日では投資家が株の売買をする際に使う「インターネット環境」こそが証券取引所のようなものだと言い換えることができます。
ちなみに日本証券取引所(JPX)は昔のまま残っており、見学などを行うこともできます。歴史を知るうえでも一度訪ねてみても良いかもしれませんね。
日本証券取引所と地方証券取引所
日本証券取引所(JPX)
現在、株式市場に上場しているほとんどの企業がこの日本証券取引所にて株の売買が行われています。
売買が行われている金額も桁違いで、世界的にも第3位の規模を誇る巨大な証券取引所です。
日本にはトヨタ自動車、三菱UFJ銀行、ソフトバンクなど世界に通用する大企業が多いので、取引所自体がアメリカ合衆国の証券取引所であるニューヨーク証券取引所、ナスダック取引所に次ぐ規模となります。
札幌・名古屋・福岡証券取引所(地方証券取引所)
日本には他にも札幌、名古屋、福岡に証券取引所が存在しています。
これらの地方の取引所は日本証券取引所に比べると規模が圧倒的に小さいため、ここでは名前を覚えておくくらいで良いでしょう。
取引できる企業数も少ないので、通常株式投資を行っている場合にはあまり関わることのない取引所かもしれません。
ただなぜか有名かつ大手なのに日本取引所ではなく、地方の取引所のみに上場している企業も存在します。
例えばCMで話題のライザップグループは札幌証券取引所のみ、愛知電機は名古屋証券取引所のみ、ラーメンで有名なマルタイは福岡証券取引所のみの取引となっています(2018年9月現在)
東証一部・東証二部・JASDAQ(ジャスダック)・マザーズってなに?
さて、ここで日本証券取引所内における市場の区別を覚えておきましょう。
- 東証一部市場・・・信用力の高い大手企業
- 東証二部市場・・・古参もおおい中小企業
- JASDAQ(ジャスダック)市場・・・様々な企業
- マザーズ市場・・・成長力の高い振興系企業
東証一部などはテレビのマーケットニュースなどで聞いたこともあるかもしれませんが、取引所内では上場する企業によって市場の区別がなされています。
それぞれに特徴があり、例えば東証一部では信用力の高い大企業、東証二部では中小企業、マザーズでは成長力の高い新興企業という特徴があります。
取引をしていくうえではこの市場の区別は大変重要になりますので、早めに覚えてしまうことをおすすめします。
世界経済に影響を与える取引所の数々
世界にも数多くの証券取引所があり、規模の大きな証券取引所では多額の金融資産の売買が行われています。
代表的なのはアメリカ合衆国のニューヨーク証券取引所です。同国の株式指数であるニューヨークダウは、ニューヨーク証券取引所で取引される大企業群の株価の総合指数として世界中の投資家から注目されます。
なお世界的に成長期待の高いベンチャー企業が集まっているのはアメリカ合衆国のNASDAQ(ナスダック)と呼ばれる証券取引所です。アマゾンやアップルなど世界1、2位を争う時価総額の企業もNASDAQに上場しています。
他にもイギリスやドイツといったヨーロッパ、上海や香港などのアジアの取引所は世界の経済に影響を与える規模の取引所です。
日本の取引所について学んだ後は世界の取引所にどんなものがあるのか、どんな役割があるのかを覚えていくと良いでしょう。
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