当社、編集部が独自に選んだ主要ニュース(出展:日本経済新聞)は、 「①トランプ大統領、令和初の国賓として来日」「②深刻化する米中貿易摩擦、日本企業の苦慮」「③金融庁、人生100年『2000万円不足』」「④政府、就職氷河期世代、就労支援」です。

①トランプ米国大統領、令和初の国賓として来日

5月25日、トランプ大統領が令和初の国賓として来日されました。
トランプ氏は1974年のフォード大統領以来、7人目の大統領としての国賓です。

5月26日は日本を満喫されました。この日の厚遇ぶりには驚かされました。
午前中は千葉県の「茂原カントリー倶楽部」で、安倍首相とゴルフを楽しまれました。そのラウンドには青木功プロが加わりました。トランプ大統領は「日本のレジェンドとプレー出来てうれしい」と喜ばれたそうです。
夕方には両国国技館で大相撲夏場所を観戦されました。格闘技好きのトランプ大統領は非常に楽しみにされていたそうです。取組終了後には米政府特注の「アメリカ合衆国大統領杯」を授与されました。英語で表彰状を読み上げた際、「レイワワン」と発せられた時、観客から大きな歓声と拍手が上がり、大きな盛り上がりを見せました。その後、六本木の高級炉端焼き店へ移動され、安倍首相と共にご夕食を取られました。

5月27日は、午前、皇居・宮殿「竹の間」で天皇、皇后両陛下と会見されました。天皇、皇后両陛下におかれましても、国際公務デビューとなりました。両陛下は、英語で歓談され、トランプ大統領も両陛下の語学力には驚かれたそうです。
その後、迎賓館で安倍首相との日米首脳会談に臨まれました。今回の会談では、日米同盟の強固性、日米貿易交渉の早期の成果実現、拉致問題解決、対イランの緊張緩和などが話し合われました。日米貿易交渉では「8月に発表がある」とトランプ大統領は述べられました。また、拉致問題解決へは安倍首相が条件なしの日朝首脳会談に意欲をみせ、トランプ大統領はそれを支持されました。イラン情勢では、安倍首相が緊張緩和に努力する方針を伝え、今月中のイラン訪問の調整に入りました。会談終了後、トランプ大統領は、拉致被害者の家族会との面談に臨まれました。トランプ大統領はその席上で、「拉致問題は、常に私の頭の中にある」と解決に前向きな姿勢を示されました。
その日の締めくくりは、天皇、皇后両陛下主催の宮中晩さん会。この席でも、両陛下は、トランプ大統領ご夫妻と英語でご歓談されたそうです。

日本滞在最終日の5月28日、午前、海上自衛隊の護衛艦「かが」に乗艦されました。その後、大統領専用機で離日され、米国に向かわれました。

今回の来日は、その厚遇ぶりも異例でありますが、日本に直行し、どこにも寄らずにワシントンへ戻る点も極めて異例でした。この米国との蜜月関係、長く続くことを期待したいものです。


②深刻化する米中貿易摩擦、苦慮する日本企業

6月1日、中国が米国の制裁関税に対する報復措置を発動しました。天然ガスなど600億ドル分の米国製品への追加関税を最大25%に引き上げました。今回の引上げは、トランプ米政権が5月10日に、家具や家電など2000億ドル分の中国製品への追加関税を10%から25%に上げたことへの報復措置です。
米国は、既に第4弾追加関税の検討を開始、貿易交渉も袋小路に入り、関税合戦は我慢比べの様相を強めています。

5月13日、米国通商代表部は、約3千億ドル分の中国製品に、最大25%の関税を課す計画の詳細を公表しています。これを受けて、日本の企業も対応に苦慮しています。
いくつかの対象商品と関連主要企業の動きを挙げてみました。

まず、ゲーム機。任天堂は「ニンテンドースイッチ」など、ほぼ全てのゲーム機を中国から米国へ輸出しています。ニンテンドースイッチの2018年度の世界販売は約1700万台。この約4割が米国を中心とする米大陸向けです。同機の米国での販売価格は、約300ドル。輸入価格にかかる関税が現在のゼロから25%になると、消費者の負担はかなり大きなものになります。生産拠点を中国以外に移す選択肢もありますが、複数の受託製造サービスに生産を委託しているため、自社だけで決断できない面もあります。
任天堂の古川社長は、「ビジネスへの影響は大きく、今後の動向を注視する」と話しました。

リコーは、既に対策を決定しました。今夏にも、米国向け複合機の生産を中国からタイヘ全面移管します。
カシオ計算機は「Gショック」など腕時計を広東省で生産しています。米国への輸出分については、タイや日本への生産移管を検討しています。
パナソニックはデジタルカメラのボディを福建省で生産しています。600億円程度とみられるカメラ事業。その内、2割が米国での売上です。会社側は「生産移転も検討しているが、関税額を上回るコストがかかるならば意味がない」とコメントしています。

日本以外の国にも同様の影響が出始めており、IMFの試算では、このまま貿易戦争が激化するならば、世界の経済成長率は0.3%下振れするとのことです。

前述のとおり、貿易交渉は、今、袋小路に入ってしまっています。また、米国は交渉材料に「ファーウェイ」を、中国は「レアアース」を使うことをちらつかせています。相手を威嚇、牽制するばかりでは、解決の糸口は見つかりません。早期に貿易交渉を再開し、共に譲歩をしながら、この関税合戦に終止符を打つことを切に希望します。


③金融庁、人生100年「2000万円不足」

金融庁は、6月3日、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書をまとめました。具体的には、金融審議会市場ワーキンググループが纏めた「高齢社会における資産形成・管理」というタイトルの報告書です。
その報告書によりますと、長寿化によって、会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには、夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとのことです。

公的年金制度に頼った生活設計だけでは、資金不足に陥る可能性に触れ、長期・分散型の資産運用の重要性を強調しています。

平均的な収入・支出の状況から、年代ごとの金融資産の変化を推計。男性が65歳以上、女性が60歳以上の夫婦では、年金収入に頼った生活設計だと毎月約5万円の赤字が発生。これから20年生存で1300万円、30年で2千万円が不足する可能性があるとのことです。

長寿化が進む日本では、60歳の人の25%は95歳まで生きるとの推計もあります。
現役時代から、長期積立型で国内外の商品に分散投資をすることを推奨し、退職金の有効活用も考え、老後人生に備えることを求めています。

若い世代にこの情報を正確に伝え、早目に長期分散投資を始めることを勧めたいと思います。


④政府、就職氷河期世代、就労支援

政府は、6月に閣議決定する経済財政運営の指針「骨太の方針」に盛り込む「就職氷河期世代支援プログラム」で、今後3年間に30代半ばから40代半ばの正規雇用者を30万人増やすとの数値目標を固めました。この世代の正規雇用者数は、年間約5万人増加しており、3年間で倍増を目指すとのことです。

バブル崩壊後、就職難を経験した世代は、今の35~44歳が中心となります。その人口は約1700万人です。この内、約371万人が非正規労働で、フリーターも約52万人いるとのことです。

具体策としては「教育訓練から就職までの切れ目のない支援」を掲げ、ハローワークでの専門窓口設置や、短期間で資格が取得できるプログラムの創設などが提示されています。

都道府県に官民の連携強化を促す仕組みを整備したり、企業への助成金を増やしたりして正社員化や処遇改善、社会参加の実現をめざすとしています。

最近、ひきこもりの方が関係した悲惨な事件が発生しています。同様な事件の発生を未然に防ぐためにも、ひきこもりの方が、一人でも多く社会参加することを期待したいと思います。


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