①コロナ変異種
2020年12月、新型コロナ変異種が英国で確認されました。相次ぎ、南アフリカ、ブラジルでも違った型の変異種が発見されています。世界中で変異種感染が拡大し、米国など世界で60か国近くで確認されました。
米国では3月以降、英国型の変異種が感染流行の中心となるとの予測を米疾病対策センターが纏めました。変異種は感染力が従来型よりも70%高いとされ、感染者が急増すれば第3波の収束が遅れる可能性もあります。
日本でも、年末に初めて変異種の感染者が確認されました。直近では海外渡航歴のない方々の感染が確認されており、市中感染が進んでいると思われます。
英国型の他に南アフリカ型、ブラジル型の感染者も見つかっており、変異種の感染状況も従来型同様、注視していく必要があります。
②コロナ対策 ※1ドル、100円で換算
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス、主要国の追加対策が明らかになりました。
コロナ対策に関連した世界の財政支出や金融支援は総額で1300兆円を超える規模に。よって2021年の先進国の政府債務はGDP比125%に達し、戦費支出で世界債務が急増した1946年の124%を超す見通しです。
主要国のコロナ対策規模は、米国・400兆円、日本・240兆円、ドイツ・150兆円、英国・70兆円、中国・90兆円になります。但し、各国とも環境やデジタルでコロナ後の成長戦略を描いていますが、感染再拡大や雇用不安への対応との厳しい戦いとなります。
コロナワクチン接種は、昨年末から、英国・米国・中国・インドで、既に始まっています。日本は、ワクチン担当閣僚に河野規制改革相を起用、米ファイザー社のワクチンについて2月下旬の接種開始を目指しています。
③世界株高
日本の株式市場には、干支によって格言があります。2020年・子年は「繁栄」でした。
残念なことにコロナウイルスも繁栄してしまいましたが、日経平均株価は、12月29日、バブル期以来、30年ぶり高値を付けました。また、翌30日の大納会では、1989年末史上最高値・38915円を付けて以来の27444円で1年の取引を終えました。
2021年・丑年の格言は「躓き」です。1月4日の大発会こそ、躓きましたが、その後は上昇基調に戻り、1月8日には、30年ぶりに日経平均株価は28000円台に乗りました。
株高は日本だけに留まらず、米国(NYダウ)・インド(SENSEX)・ブラジル(ボベスパ)・韓国(KOSPI)は、史上最高値を年末年始にかけて更新しています。
背景には、当面、世界的に金融緩和が続き、世界を牽引する米国のバイデン新政権も財政拡大を推し進めるとの期待があります。世界の株式市場は、もう既にアフターコロナを見据えた動きになっています。
しかし、一部では、コロナ後、金融政策が引き締めに入り、株式市場から資金が流出するとの見方もあります。コロナ後は、各国の中央銀行の政策を、更に注視する必要があるのではないでしょうか。杞憂であれば良いのですが。
④菅政権・緊急事態宣言
菅首相は、1月7日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京・神奈川・千葉・埼玉を対象に緊急事態宣言を発令しました。また、1月15日には、大阪・兵庫・京都・愛知・岐阜・福岡・栃木の7府県にも緊急事態宣言を追加しました。
今回の発令は、国主導というよりも地方の要請に応じたもので、菅政権のコロナ対策が後手に回ったというイメージは拭えません。
そして、1月18日、通常国会が召集されました。直前の世論調査では、菅政権の支持率は39%まで急落しました。やはりコロナ対策への不満が数字に表れたようです。
過去、30%台の支持率で通常国会に臨んだ政権の多くが、1年持たずに退陣に追い込まれており、菅政権の浮沈がかかる150日間といえます。ヤマ場は、東京五輪の開催判断・予算案の審議が活発となる3月から衆院・参院補欠選挙がある4月にかけてであります。