「投資をはじめてみたい、だけど損をするのは怖い」――。 そんなときには、少額からはじめられる投資商品がお勧めです。今回の記事では、投資信託やミニ株など、リスクを抑えながら気軽にはじめられる投資商品の特徴を解説します。

「投資信託」は、投資商品の“詰め合わせ”

投資をするときには、「株式」や「債券」などに直接投資をするだけでなく、「投資信託」により“間接的に”投資をすることも可能です。

投資信託は、投資者から集めた資金を元手として運用し、発生した利益を投資者に分配するというもの。そのため、個人では投資することが難しい株式や不動産などでも、投資信託を使えば少額から簡単に投資をすることができます。

投資信託の商品は非常にバラエティ豊かで、たとえば、以下のような投資信託が販売されています。

  • 日経平均に連動
  • 国内の大型株式に特化
  • 国内の金融業の株式に特化
  • 世界の主要国の株式市場に連動
  • オフィスビルや商業施設などの不動産に特化

このほかにも、「国内株式と海外株式」、「株式と債券」など異なる種類の投資商品を組み合わせた投資信託もあり、商品の種類は非常に多くなっています。

そのため、自分が投資したいと思っていた企業の株式の含まれる投資信託や、運用実績が良い投資信託など、それぞれの投資スタイルに合ったものを選ぶことができます。

投資信託のメリットは、少額から投資でき、様々な投資商品に分散投資できる点にもあります。

たとえば、個別に会社の株式を購入すると、その会社の業績悪化に伴い株価も大きく下落してしまうリスクがありますが、投資信託で様々な企業に投資をしておけば、ひとつの企業の業績が悪化しても、ほかの企業への投資分でカバーすることも可能です。

投資信託以外にもある、少額で投資できる投資商品

かつては、株式投資などをするときには、最低でも10万円程度の資金が必要でしたが、近年は、若者や低所得の人でも投資にチャレンジしやすいように、少額からはじめられる投資商品が増えています。

たとえば、株式に投資する場合、「単元」という売買単位が定められているため、これまでは投資したい企業があっても、なかなか株式を買えないという状況にありました。

つまり、A社の株式が1株1万円であったとしても、単元が100株であれば、1万円×100株=100万円を用意しなければ、A社には投資できないということになっていたのです。

そこで活用したいのが、「ミニ株」や「プチ株」(証券会社により名称は異なる)などの商品です。

これらの商品は、「株式を1株単位で取引できる」「単元の10分の1単位で取引できる」といった特徴があるため、これまでは単元の問題から投資できなかった株式にも投資することが可能となります。

さきほどのA社の例で説明すると、ミニ株で1株単位の取引ができるようになれば、1万円を用意すれば投資することができるということです。

いちいち投資判断する手間のいらない「積立投資」

投資にともなうリスクの多くは、投資する人の判断ミスによるものです。そのため、そうした判断を必要としない「積立投資」をすることで、リスクを抑えることが期待できます。

積立投資は、たとえば、「毎月10日に、投資商品Xを1万円分購入する」といった設定をして、自動的に投資を行う方法です。

投資商品は値動きするものですが、毎月の購入額を一定額にすることで、「価格が安いときに多く買い、価格の高いときには少なく買う」という買い方を自動的にすることができます。

そのため、結果として個別に自分で判断して売り買いするよりは購入単価を抑えることができるのです。

積立投資は、毎月500円程度の少額からはじめることもできます。いったん証券会社や銀行等で手続きをすれば、あとは自動的に買い続けてくれますので、手間も少なくて済む点もメリットです。

投資信託以外にも、純金積立など同じ仕組みで投資できる投資商品は複数あります。

このように、今や投資のハードルはかつてより下がり、少額から投資をすることが可能です。

証券会社だけでなく、銀行や信用金庫などでもこうした投資商品を取り扱っていますので、投資経験のない人は、まず少額投資でリスクを抑えながら投資をしてみてはいかがでしょうか。

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小林義崇 (こばやしよしたか)

81年生まれ、福岡県北九州市出身。埼玉県八潮市在住のフリーライター 西南学院大学商学部卒。 2004年に東京国税局の国税専門官として採用。以後、都内の税務署、東京国税局、東京国税不服審判所において、相続税の調査や所得税の確定申告対応、不服審査業務等に従事する。2014年に上阪徹氏による「ブックライター塾」第1期を受講したことを機に、2017年7月、東京国税局を辞職し、ライターとして開業。実用書や雑誌・WEBメディア記事を多数執筆。