分散投資の基本①「商品の分散」
投資する対象とは、例えば株式、債券、保険、外貨などへと資産を分散させることを指します。
世の中には様々な金融商品がありますが、全てが連動して動いているわけではなく、個別の動きをします。
例えば代表的なものが株式投資や外貨投資です。株や外貨は企業や国の動きにあわせて値段が激しく動くものです。
そのため比較的安定した値動きのする債券や、保険などにも投資をすることでバランスをとるのです。その分、リスクが分散されるというわけです。
分散投資の基本②「地域の分散」
また地域の分散とは、アジア圏、欧米圏、発展途上国の国々など地域をわけて投資を行っていこうという考え方です。
極端な話だと、ひとつの国へと集中的に投資してしまうと、もし国が破綻してしまったり経済不況へと陥った場合に投資失敗となります。その危険性を無くすのが地域の分散です。
大雑把に言ってしまうと先進国(欧米、日本など)の株式、債券は格付けは高めで安定的、発展途上国の場合にはリスク高めであることが多いです。
ただその分、発展途上国のほうがリターン(利益)が大きい場合があります。
分散投資の基本③「時間の分散」
最後に時間の分散です。保有する資産をタイミングをずらしながら投資を行っていこうとする考え方です。
これも少々極端な話ですが、バブル経済の最高潮のタイミング(価格が大きく上がっているタイミング)で全資産を投資してしまうと、もしバブルがはじけた場合に資産が大きく失われることになります。
また単に損失がでるだけではなく、バブル崩壊後の金融商品の価格が安くなるようなバーゲンセールのタイミングで新たに買うこともできなくなります。
投資するタイミングをずらしていくことで、投資先の価格の変動リスクをできるだけ抑えることができるのです。
分散投資で大成功を収めているGPIF
GPIFは正式名称「年金積立金管理運用独立行政法人」(英語ではGovernment Pension Investment Fund)で、国民から集めた年金を資産運用している政府系の機関です。
私たちは給与から年金を収めていますが、集められた年金はただ保管されているわけではなく株や債券などに投資がなされているのです。
このGPIFですが、発足したのは2006年で世界的にみると最も大きな資産を運用する年金機構として有名です。その影響力から市場では「くじら」という表現がされることが多いです。
GPIFのホームページを覗いてみると、基本的な投資の考え方が掲載されておりそこには資産の基本的な構成割合が次のように記載されています。
• 日本株式 25%
• 日本債券 35%
• 外国株式 15%
• 外国債券 25%
GPIFは上記の資産にたいして規定の割合に応じて投資を行っているようです。
もともとは日本債券での運用割合が大きかったGPIFですが、アベノミクスの下で運用方針が変わり株式での運用割合が大きくなりました。ここ数年の日本市場の株高への貢献度も非常に高くなっています。
気になる運用利益はここまで60兆円以上と評価されていますが、今後の世界的な株式市場の拡大が続けばこの利益もますます膨れ上がっていくことでしょう。
なお、GPIFはリーマンショックの後の株価暴落のタイミングで株式を購入していたことでも有名です。そんなことができたのも時間による分散投資が運用の基本方針となっていたから、に他になりません。
日本国民の将来の資産である国民年金はGPIFにより「商品」「地域」「時間」の区別がなされたうえで着実に運用されいてるようです。
参考としてGPIFのサイト先をご紹介します。投資のヒントが散りばめられてますので、一度目を通しておくとよいでしょう。
参考サイト:GPIFホームページ 管理・運用状況
わたしたちが分散投資を行うために
私たちが分散投資を行うにはどうしたらよいでしょうか。
もちろん個々の保有資産の量にもよりますが、基本的には株式、債券、外貨などへと地域別に分散して投資をおこなうのが最もスタンダードな分散投資の方法です。
ただ投資先が細かすぎて自分では決められないという人もいるかもしれません。
そんなかたにはプロが運用してくれる投資信託などもありますので、分散投資型の投資信託を選んでコツコツと積立していくのもよいでしょう。
いずれにしても分散投資は重要な投資方法の概念です。これから投資を始めたいという人は頭の片隅にこの概念を置いておくとよいでしょう。
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