「貯蓄から投資へ」 NISAの登場によって、一昔前まであった投資への偏見は薄れつつあります。しかし、それでも、投資という言葉に対してアレルギーを持っている人は一定数存在しているようです。 投資と聞くと、「怪しい」「失敗する」「騙される」「所詮、丁半博打」このように思う人もいるのではないでしょうか。 そのような人にこそ知っておいてほしいことがあります。それが、投資とギャンブルは違う。ということ。 そこで、今回は投資とギャンブルの違いについて紹介していきたいと思います。

そもそもギャンブルとは?

ギャンブルと聞くと、多くの人が思い浮かべるのが競馬や競艇、競輪といった公営ギャンブルではないでしょうか?

これらの公営ギャンブルは、法律によって許可されているギャンブルのことです。公営ギャンブルの大きな特徴は、運営元(胴元)が確実に儲かる仕組みになっているという点にあります。

そして、全てのギャンブルには胴元が存在しているのです。つまり、基本的にギャンブルとは胴元が儲かるようにできているということ。

ギャンブルの仕組みについて簡単に説明すると、以下のようになっています。

まず、胴元が参加者からお金を集めます。そこから、胴元が利益を取り除くのです。そして、余った金額を配当金として参加者同士が取り合うといったものになっています。

こう考えると、ギャンブルというのは胴元が確実に儲かる仕組みになっているので、最初から不利な勝負をしているということができるのです。

ちなみに、先程紹介した公営ギャンブルの還元率は75%程度といわれています。残りの約25%は、胴元の元にいってしまいます。

このような観点で考えると、宝くじもある種のギャンブルといえることができます。宝くじも、仕組みは公営ギャンブルと同じです。

宝くじの売上の中から、胴元が利益をとり、残りを当選金とします。では、気になる宝くじの還元率は、どの程度なのでしょうか?

宝くじの還元率は約45%となっています。この数字を見ると、かなり分が悪いギャンブルといえることができます。

投資とは?

ギャンブルには胴元が存在していて、胴元が儲かるようにできているということを紹介してきました。では、投資はどうなのでしょうか?

投資とは、資本を投じるという意味があります。投資家が、なぜ投資をするのか?その答えは、リターンを見込むことができるからです。

株式投資を例に説明していきます。投資家が、ある企業の株を購入する。投資家にとって、その企業は割安に思えたし、将来的に成長していくと予想したからです。

企業は、株主のもの。ということは、利益がでた場合には、株主に分配しなければいけません。つまり、企業の成長が株主に利益をもたらすということになるのです。

そして、投資の世界において、胴元というものは存在しません。株を購入する場合には、証券会社を窓口にする必要があり、手数料などは必要になりますが、ギャンブルのように還元率が大きく下がるということはないのです。

この、胴元の存在がギャンブルかどうかの基準になっているといえるでしょう。

投資は利益を奪い合うものではない

ギャンブルの場合、売上の中から胴元が利益を取り、残りを配当として参加者で奪い合います。一方の投資は、奪い合うといった考えは相応しくありません。奪い合うのではなく、共有するのです。

分かりやすく説明すると、投資家が株を購入します。投資家の狙い通り、企業は成長していったとしましょう。そうすると、その企業の株を欲しいと思う人が増えます。

買いたい人が増えるということは、株価は上昇するということ。株価が上昇していけば、その企業の株を持っている投資家の含み益は増えていきます。

これは、ギャンブルではあり得ない現象なのです。何故なら、ギャンブルには胴元が存在するので、還元率が100%ではないからです。

100%でないということは、全員が利益を手にするということはありえないのです。

参加者が、奪い合うのか?それとも共有するのか?

この点に、ギャンブルと投資の本質的な違いはあるのです。

まとめ

株式投資やFXなどは、ギャンブルと同じだ。そのような考えを持たれている人は、まだまだ多く存在しているようです。

しかし、投資とギャンブルには明確な違いが存在しています。その違いが、奪い合うのか?共有するのか?という点にあるのです。

投資という行為があったからこそ、経済はここまで発展してきました。確かに、行き過ぎた投資が失敗を招くケースもありますが、基本的には経済の発展のためには投資は欠かせないものなのです。

そして、経済が発展していった時に生まれる利益を共有できるのは、投資した人だけです。

私たち人間は、経済発展によって快適な暮らしを手に入れてきました。そして、今後もそれは変わらないでしょう。

その発展を確信しているのであれば、利益を共有するために投資をしてみるのはどうでしょう。

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