イールドギャップとは?
不動産投資におけるイールドギャップとは、「実際に物件を貸し出して得た家賃収入の利回り」と「その物件を購入するために銀行から借り入れたお金の金利」の差を意味します。
たとえば、物件価格が3,000万円、年間家賃収入が90万円だとすれば、「90万円÷3,000万円×100=3%」が利回りになります。
もし、銀行がその物件の購入資金を金利2%で貸してくれたのであれば、イールドギャップは「利回り3%-借入金利2%=1%」となります。
国内のイールドギャップ事情
では、国内不動産におけるイールドギャップの目安はどのように計算すればいいのか解説します。
家賃収入の利回りを「J-REITの平均予想分配金利回り」に、借入金利を「長期金利(10年国債利回り)」に置き換えるとイールドギャップの目安を知ることができます。
これらの情報はインターネット検索で簡単に知ることが出来ます。
参考までに、過去10年間のイールドギャップを調べてみたところ、2008年5月には2.8%でしたが、その後、利回りが急上昇したことで2008年10月には6.65%まで上がり、2009年2月には過去10年間で最高の6.7%を記録します。
その後、乱高下を繰り返し2013年3月には過去10年間で最低の2.64%を記録します。
そこから、金利が大幅に下がったことで、イールドギャップがじわじわと上昇傾向を示し、2018年1月では3.92%になっています。
国内不動産の空室率
空室リスクの少ないエリアは大阪
日本に住んでいる人であれば、海外の不動産に比べ、国内での不動産投資を安易に考えがちですが、実は投資環境は厳しい状態にあることを知っておかなければなりません。
一般的に人口が多いとされる地域であっても、そのほとんどが下表のように空室率10%超えになっています。
【表 2017年12月期 空室率TVI】
投資前に知っておきたい税制面
相続税対策ができる
投資に限らず居住用物件を購入したことのある人なら、既にご存知かと思いますが、まず不動産を購入するメリットは相続税対策ができることです。
土地も建物も本来の価値から引き下げられることで相続税が安くなります。また投資用の物件においては借地権割合や借家権割合が考慮されるため、評価額をさらに引き下げることが可能です。
たくさんの税金が発生する
デメリットとしては、購入時・保有時・売却時のタイミングで各種税金が発生することです。購入時には、登録免許税や不動産取得税、印紙税、建物には消費税がかかります。
保有時には、毎年固定資産税が発生し、得た家賃収入は所得税や住民税の課税対象となります。
売却時に売却益が出ると、これも所得税や住民税の対象となります。ただし、売却時の税金はその不動産の保有期間によって異なり、5年を超えると20%近く下がります。
不動産投資初心者が気をつけたいこと
激安不動産に要注意
いざ不動産投資をしようと物件を探していると、たまにとんでもなく安い物件に遭遇することがあります。
たとえば、バブル期に賑わっていたスキー場付近のリゾートマンションなど、安いものだと10万円でワンルームマンションが購入できてしまいます。
しかし、管理費に約17,000円、修繕積立金に約3,000円と分かりきっている固定費だけで年間24万円も発生してしまいます。固定資産税をいれるとさらに上乗せされます。
このような、リゾートマンションは駅からも遠いので投資用物件として購入する人はいないと思いますが、200万円の物件が東京から60分程度で存在していたら、飛びつきたくなるのではないでしょうか。
しかし、よく確認すると最上階なのにエレベーターがなかったり、前例のリゾートマンションのように固定費だけで年間20万円以上するものであるケースが多いです。
不動産投資は入居してもらってはじめてイールドギャップを得ることができます。目先の物件価格や利回りだけではなく、入居されやすい状態にあるか、固定費は高すぎないかなど、慎重に検討しましょう。