ライフプランとは「生涯生活設計」を指す言葉です。限られた時間をどのように使うかで、人生の充実度は大きく変わってくると言えるでしょう。 仕事において計画性が重要だとは理解していても、自身の人生となると「なんとかなる」と無計画なままでいる方は少なくないのではないでしょうか。 そこで、より充実した人生を送るためのライフプランの重要性についてお話しします。

ライフプランの簡単な概要

社会人になれば、日々の行動で「計画性」が重要視されます。無計画なまま過ごしている人は「責任感がない」と解釈されがちですし、仕事や家庭でも大きな壁にぶつかる傾向にあります。人生を充実させるには計画性を持って将来を見据える必要があります。

ライフプランでは具体性が重要視される

ライフプランとは、個々人が大切にしている信念や価値観に合わせて、目標実現への道のりを描くことです。

「どこに住みたいか」「いつ結婚したいか」「世の中に対してどんな思いがあってどんな貢献を果たしたいのか」など、自分の望みを中心に置き、後悔のない人生設計を行います。

ライフプランは人生を価値あるものに変えるために大切な指針となります。

ライフプランは目標から逆算しよう

ライフプランを計画するためには「最終目標」を先に設定するようにしましょう。

「将来は社長になりたい」「高級マンションに住みたい」などの経済的な目標でもかまいませんし、「夫婦で外国に移住したい」などの生活に関する目標も肝心です。

そして、最終目標に辿り着くために必要な行動を年代ごとに設定していきます。20代でどんな職種に就き、30代でどんなポシションを与えられ、40代でどれほど貯蓄するかなど、細かい計画を文章化していきます。

ライフプランは「夢」ではない

ライフプランは実現可能な目標に向かうための計画です。よって、夢や理想で埋め尽くす内容はおすすめできません。

たとえば、今まで何の勉強もしてこなかった分野へと社会人になってから挑戦し、成功しようとしても困難でしょう。

また「スポーツ選手になりたい」「ミュージシャンになりたい」などの「憧れ」とライフプランを混同しないことも重要です。

ライフプランでは現実を見据えながら、自分の資質に合った計画を立てていきます。

不確実な時代だからこそ大切な計画性

バブル時代の前後、刹那的なライフスタイルも肯定される時期がありました。しかし、いつしか日本人の心には不安がつきまといます。どうして明確なライフプランが必要な時代が訪れたのでしょうか。

経済が変わると個人の生き方も変わる

90年代の日本は経済成長の真っ只中にありました。そのため、将来に対して不安を抱く人が少なく、経済活動が生活の中心を占める刹那的なライフスタイルが流行しました。

また、企業にも社員の生活を守るだけの余裕があったため「終身雇用」や「賞与」などが当然のものとして提供されていました。当時の会社員は企業への献身を当然だと考え「仕事こそが人生」という価値観が疑われずに蔓延していたのです。

しかし、不景気の到来とともに90年代的な価値観への疑問を抱く人も増えてきました。「どうして働くのか」「誰のために働くのか」と悩む人はもはや珍しくありません。そして、会社以外にも大切なことがあると気付き始める人が続出しています。

現代では会社のような「大きな存在」が自分を守ってくれるという考えは幻想であり、自分で自分の将来を切り開かなければいけません。

3.11によって変わった「安定の概念」

現代人の人生観が大きく変わったきっかけのひとつが2011年3月11日に起こった「東日本大震災」でしょう。

津波から原発事故にいたるまで「社会や経済は当たり前のように続いていくものではない」と多くの日本人に示す災害となりました。

日本は「生活が安定した国」という思い込みがありましたが、もはや安定の概念は幻想に変わったと言えるでしょう。

AIや外国人労働者の台頭

AIの進歩も日本人が直面している問題です。効率化の究極ともいえるAIは、人間には行えない高度な計算を一瞬でできる便利な技術です。

しかし、AIを導入することによって「消える職場」も少なくないとささやかれています。

また、表立っては移民政策をとっていないものの、地方都市や中小企業は外国人労働者なくして回らなくなっています。

日本人よりもはるかに安い賃金で働ける外国人労働者が増えると、日本人はより高度な技術や管理力を身につけなければ現場に残れない可能性があります。

もはや、無条件で会社が日本人社員を守ってくれる時代は終わろうとしているのです。

終身雇用が当たり前でなくなった時代

現代は、会社・国がすべて面倒を見てくれる時代とは言えません。「派遣切り」「リストラ」「退職金の未払い」といった問題が次々に起こっています。

また、サービス残業など、過去には当たり前だった働き方についても見直しの声が高まっています。

労働者は、会社の言葉に従うだけでなく自分で思考し、将来を設計する意識を持たなくてはいけません。ライフプランによって自分を高め続ける必要に迫られているのです。

ライフプラン設計の助けとなる「投資」という選択肢

日本人の平均寿命は延び続け、「高齢者が若者を人口比で上回る」時代がやって来ました。

今はまだ老後の心配がない人も、いざ自分が年を取ったときにどんな環境に置かれているかは予想がつかないと言えます。

だからこそ、余生を不自由なく送れるだけの蓄えが求められています。

お金の使い方を考える

年金や生活保護などのセーフティネットが、永続的なシステムとして信用できるのかは大いに疑問です。現代人は「自分の老後は自分で支える」ために、十分な貯蓄をしておく必要があります。

一方で、老後だけを見据えて貯金をするのもまた本末転倒な生き方です。生活を送っている限り、さまざまな場面で支出は生まれます。物質社会においてお金は人生の幸福度を左右する概念です。日々の生活を支えつつ、老後にも活かせる資産運用を考えましょう。

ライフプランでもお金が大きなテーマです。「どんな人生を歩むか」という問題には「どうやってお金を工面するか」という問題がつきまといます。そこで、「投資」という選択肢が浮上してくるのです。

流行に流されず信頼できる機関に投資

投資には「トレンド」があり、有名人の言葉やテレビCMに影響されて一時的に特定分野の投資家が増加しがちです。しかし、価値が急騰した分野はまた、下落するスピードも急です。不確かな情報に惑わされず、信頼できる投資先を見つけましょう。

「流行しているから」「本で褒めていたから」などの考えは投資する理由として薄弱です。他人から見聞きした情報よりも、自分で調べた情報の方が信頼に値します。どんなに評判がいい投資先でも「なぜメリットがあるのか」を考え抜いてから投資に踏み切りましょう。

投資のコツは「長期的な利益」を目指すこと

投資はギャンブルではありません。市場の分析力があれば、高確率で利益を手に入れられます。そのため、短期間で高額投資をして莫大な利益を得ようとするのは止めましょう。

長期的な視野に立てば、目先の利益に一喜一憂せず、冷静に市場と向き合えます。リタイヤ後に収支がプラスになっていれば成功という観点を持ちましょう。

より豊かな人生を歩むためのライフプランを設計する意味でも、ひとつの手段として投資を検討してみてはいかがでしょうか。

ライフプランは人生の不安を取り除く方法

現代は日本経済の大きな過渡期であり、これからもたくさんの変動が起こる可能性があります。現代人の不安を取り除くためには、指針となる計画が必須です。ライフプランを充実させて、迷いのない人生を送りましょう。

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