もり・ひろし

「平成」の経済キーワードを、駆け足で振り返る

2019年5月1日に改元が行われることになり、平成・約30年の歴史が幕を閉じることになりました。この30年の間、経済の世界でも様々な事が起こっています。今回は新語・流行語大賞の受賞語から、平成を彩った様々な経済ワードを駆け足で振り返ってみましょう。

【ビジネス用語の基礎知識】コンプライアンスとは「誰に何を応じる」ことなのか?

「近頃はコンプライアンスが厳しいので、以前のような尖った企画が通りにくい」。

最近テレビ番組の批評などでよく目にする表現です。筆者の実感では、コンプライアンスという言葉が世間に広まったのが2000年代のこと。

当初は「企業による法令遵守」を意味する言葉としてよく見聞きしました。

しかし最近では「テレビの放送コード(放送内容の自主基準)」という意味でも、見聞きするように思います。

冒頭の文章は「最近は放送コードが厳しく、尖った企画が通りにくい」と言い換え可能かもしれません。

さて、このコンプランスという言葉。その中核的な意味とは何なのでしょうか?

普通に「資源」と言えばよい場面で、つい「リソース」と言いがちな件

リソースという言葉があります。資源という意味です。

ビジネスの場面では、やれ「リソースを集中させて事(こと)に当たろう」だの、やれ「我が社のリソースを活用しよう」だの、一見不必要に思えるカタカナ表現を登場させる人もいますよね。

筆者もどちらかというと「そちら側」の人間のひとりです。

ただ筆者には、こういった「リソースの登場場面」が「やむを得ずそう表現している場面」に見えることがあるのです。

筆者が考える「やむを得ない事情」について、ちょっとだけ、説明させてください。

会議でよく聞く言葉「アジェンダ」。その正確な意味を理解していますか?

突然ですが、ここからのコラムを執筆するに当たって、筆者は自分のアジェンダを「皆さんにアジェンダの意味を分かりやすく説明すること」と定めることにしました。
世の中にはいろんなアジェンダが溢れています。

実際(1)アジェンダに従って議論を進めていこうとか、(2)G7は格差是正のための政策アジェンダを決定したとか、そういう文章が溢れているのです。

しかしながら、アジェンダという言葉の意味をきちんと理解している人は少ないようにも思います。さてアジェンダとは、一体どういう意味なのでしょうか。

ファストフード店でよく見かける言葉「ナゲット」。元々の意味は「金属の塊」って知ってた?

ファストフード店の定番メニューであるナゲット。

例えば『広辞苑』(第七版、岩波書店)でこの言葉を調べると「一口大の鶏肉・魚などに衣をつけ、油で揚げた料理」という、お馴染みの意味が登場します。

しかしこれは、あくまで二番目の意味。広辞苑が最初に掲載しているのは「金塊、金属塊」という別の意味なのです。これは一体どういうことなのでしょうか。

財布に関する慣用句やことわざ、その語源を探ってみました!

よく「あの人は財布の紐が堅い」などといいますね。財布が登場する慣用句や諺(ことわざ)には、様々なものがあります。一体、どのようなものがあるのでしょうか? そして、その語源は?

今回は、そんな財布にまつわる慣用句や諺について解説いたします。

【ビジネス用語の基礎知識】「エビデンス」は「根拠」です!

「君の調べてきたその情報なんだけど、ちゃんとエビデンスに基づいた話なの?」

「エビデンスのない話は信用できないよ」

おそらくゼロ年代以降、ビジネス上の会話で「エビデンス」という言葉を見聞きする機会がぐっと増えたように思います。

――いや。「思います」と主観を述べるだけでは、肝心のエビデンスが欠けてますね。

G-Searchが提供するデータベース『新聞・雑誌横断検索』によると、朝日新聞・産経新聞・毎日新聞・読売新聞の見出しまたは本文にエビデンスが登場した記事数(5年間あたり)は90年以降で3件、95年以降で20件、00年以降で82件、05年以降で218件、10年以降で222件と増えていったのです。

さてあなたは、このエビデンスの意味を説明できますか?

江戸時代に生まれたビジネス用語「ひやかし」も「油を売る」その語源を探ってみると・・・

私達が使っている言葉のなかには、江戸時代の商習慣が語源であるものも少なくありません。そんな言葉の中に「ひやかし」や「油を売る」があります。

このふたつの言葉。どちらも“良くない意味”という点で共通しますね。ただ当時の従事者に言わせれば、それなりに「仕方のない事情」があったようで……

投資用語のひとつ「ボラティリティー」と「発泡酒のCM」の意外な関係とは?

投資分野で頻出する用語のひとつにボラティリティー(volatility)があります。これは大まかには「相場における価格変動の度合い」のこと。

その度合いが大きい状況のことを「ボラティリティーが大きい」、その逆の状況を「ボラティリティーが小さい」などと表現できるわけです。

このボラティリティーという言葉の語源をたどっていくと、実はある「発泡酒のCM」の話に行き着きます。

お金にまつわるこぼれ話。一文無しに二束三文。現代に生きる通貨単位、文(もん)。

一文無し(いちもんなし)という言葉がありますね。文無し(もんなし)、あるいは無一文(むいちもん)とも言います。

もちろんこれらは「所持金がない」ことを意味する言葉。現代風に表現するならば、それぞれ一円無し、円無し、無一円とでも表現できるかもしれせん。

ともあれ、かつての通貨単位である文は、現代の日本語でもさまざまな場面で登場します。今回は文が登場する言葉について、その意味や由来を紹介することにしましょう。