AIに代替されることが予想される仕事
「AIに仕事を奪われるって言ってもまだまだ先の話でしょ」と思っていませんか?
数年前まではAIという言葉さえあまり知られていなかったのですから、そう考えるのも無理はありません。
しかし、AIの技術は私たちが想像しているよりもはるかに速いスピードで進化しています。
AIが発達すると社会はどう変わるのか
ここ数十年のあいだにAIやITの技術は目覚ましい発展を遂げています。
今やパソコンやスマホを持つのは当たり前、ソフトバンクが発売した「pepper」のような家庭用ロボットまで開発されています。
では、今後数十年間でAIが発達すると社会はどのように変わるのでしょうか。今後の社会に一番影響を与えるであろうとされているAI技術が「全自動運転」です。
googleが先駆けて技術開発をしている全自動運転は、近い将来実際に実用化される可能性が高いAI技術でしょう。
もし、全自動運転が一般レベルで実用化された場合、人間の移動が完全にオートマチックに行われるため「交通事故が減少する」とされています。
さらに、目的地を入力するだけで自動的に車を運転してくれるので、移動中に仕事をすることも可能です。
「道に迷う」ということも無くなるでしょう。全自動運転のようにAIが浸透することで人々の暮らしは非常に便利になります。
しかし、一方で「人間の手が必要無くなる」という事態が想定されます。自動運転技術があれば、タクシーやトラックの運転手は必要なくなります。
つまり、これまで人の手が不可欠だった業務がAIに代替されることが考えられるのです。
AIによって失われる職業
英・オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士の共同研究によると、2030年頃には人間の仕事はほぼ半減するという結論を導き出しています。
現段階でのAIは単純な計算や繰り返しを行う動作を得意としています。さらに、膨大な量のデータから必要な情報を瞬時に抜き出したり、照合したりすることも得意です。
そうなると「一般事務」「受付」「オペレーター」「工場の作業員」など同じ作業を繰り返すような職業はAIに仕事を奪われる可能性が高いと言えるでしょう。
また、正確無比な作業を淡々と行う仕事などもロボットが行うほうが効率は良くなります。こうした業務に関して、今後は人間の出る幕がなくなるかもしれません。
ほかの分野であれば、パラリーガルや弁護士助手、図書館員などもAIに代替される可能性が高いでしょう。
AIはビックデータと呼ばれる大量のデータを扱うことに長けているため、過去の裁判例の参照や大量の蔵書から本を見つけ出すなどの作業は得意です。
AIに仕事を奪われないためには、AIでは完遂できないより高度で、判断を必要とする仕事にシフトしていく必要があります。
AIが浸透した社会でも必要とされる職種とは
人間よりも迅速に、そして効率的に業務をこなすことが期待されるAIですが、もちろんすべてを任せられる訳ではありません。
AIは手先の器用さが求められることや芸術的な能力、人間との深いコミュニケーション能力はまだ苦手としています。
AIはまだまだ進化の過程にあり、現段階では取って代わることのできない職業も数多く存在します。
専門的な知識と信頼関係が必要な仕事
まず、医師やコンサルタントなど専門的なスキルを要する職種です。たとえば医者の場合、主な仕事は専門的な知識と経験を駆使した診断や治療になります。
長年の経験に基づく施術はロボットが代用できるものではありません。さらに、患者の不安を聞いたり励ましたりすることも仕事のひとつです。
患者の心のケアをするには、患者との信頼関係が必要になります。人間同士が心を通わせる必要のある医師の仕事はAIには任せられないでしょう。
人間の感性や感情に関わる仕事
AIには「人間の心の機微」や「感情の起伏」といったものが理解できません。したがって、保育士や小学校の教師、カウンセラーなどの対人関係を主とする職種はAIが発達したとしても必要とされるでしょう。
子供の情緒や感性を育てるには、同じ人間である保育士や教師が子供と向き合って接する必要があります。また、患者の心の傷を治療するカウンセラーなどの仕事もAIには代替できません。
アーティスティックでクリエイティブな仕事
美容師、アーティストなどのクリエイティブな職種もAIが苦手な分野です。いわゆるアートやクリエイティブな分野には正解がありません。
十人十色、一人ひとり個性が違い、独自の「ニュアンス」や「空気感」といった曖昧な概念の上に成り立っています。この感覚はロボットにはマネができない、人間のオリジナルの感性です。
自分自身にしかない価値の創出がカギ
AIが浸透しきっていない現代でも、インターネットの普及によって活字の新聞は売上が減少したり、スマホの台頭によってデジカメが売れなくなったりしています。
こうした時代の波がAIの発達と浸透によって、未だかつてないほどに多くの職種に影響を及ぼすとされています。
新しいことにチャレンジする
AIをおそれているだけでは何も始まりません。こうした変革期を迎えた時代だからこそ「新しいことにチャレンジする」ことが大切です。
もっとも、すでに社会人の人は今から何かの専門知識を習得することはかなり難しいかもしれません。
しかし「今のままではAIに仕事を奪われるかも」と感じている人は、今まで自分がしてこなかったことに目を向けてみれば何かヒントがあるかもしれません。
そして、その仕事は「十数年後も需要はあるだろうか」と前もって考えておきましょう。
自分自身にしかない価値を作り出そう
AI中心の社会でも評価され続ける人間とは「社会に対して影響力のある人間」です。影響力がある人間というのは、常に自分自身を磨き「自分だけができる仕事」をしています。
つまり「替えがきかない人材」ということです。時代のニーズをうまく汲み取り、“自分にしか発揮できない価値”を創出することがAIと共存していくための重要なポイントになるでしょう。
時代の流れと仕事の将来価値を見極めて
AI技術は進化することはあっても衰退することはありません。
時代の流れは確実に進んでいきます。この流れを上手く見極めなければ、いずれ社会から必要とされない人材になってしまうおそれがあるでしょう
「自分の仕事は将来も価値を生むのか」をしっかりと考えて行動していくことが大切です。