そもそも文字コードって何?
話の前提として文字コードについて説明しなければなりません。
文字コードとは、パソコンやスマートフォンで文字を表示するための仕組みのこと。具体的には文字や記号の一つ一つに割り振る、固有の数字(コード)のことを意味します。
例えばユニコードという国際標準では、アルファベットAのコードはU+0041(16進数で41番目の文字)と定められています。
この標準を遵守している限り、そこで定義されている文字は、異なるパソコンやスマホであっても互いに同じ文字として認識できるわけです。
さてそんな文字コードで定義されている文字は、アルファベットや漢字などの「狭義の文字」だけではありません。いわゆる「記号」も定義されています。
×や÷などの算数・数学に関する記号、↑や→などの矢印の記号、そして¥や$などの通貨記号も定義されているのです。
新通貨記号「₿」が加わった
そして現在主流の文字コードであるユニコードで、2017年に「ある新しい通貨コード」がお目見えしました。
これがビットコインの通貨記号である₿だったのです。そう。日本円に¥、米ドルに$があるように、ビットコインにも₿という記号があるのです(コードはU+20BF)。
そしてその記号は、すでに最新版の基本ソフトを搭載しているパソコンやスマホでも表示できるのです。
実はビットコイン界隈のコミュニティーでは、2011年から同コインの通貨記号を国際標準化する機運が高まっていたのだそう。
ビットコインの運用開始が2009年ですから、運用開始からまもない時期に、動きが始まっていたことになります。詳しい話は省きますが、ビットコイン関係者はユニコードコンソーシアムに対して2度の提案を実施。
その2度目の提案が認められ、2017年の規格採用に至りました。ビットコインの存在感が以前よりも増していることが、採用の背景にあったのでしょう。
ちなみに規格の採用以前、ビットコイン利用者の間では、代用の通貨記号としてジャライ語などの文字である「Ƀ」(U+0243、アルファベットのBの左下に横棒が付いた形)や、タイの通貨バーツの記号「฿」(U+0E3F、アルファベットのBに縦棒を加えた形)を使用していたのだそうです。
確かに世界各地の通貨記号には「アルファベットに縦線や横線」を加える方式の記号が多いため、ビットコインもそれに準拠しようとしたのでしょう。
過去に登場した「新顔」たち
新しい通貨記号の誕生は滅多にない出来事である印象もあります。しかし実際には、その種の出来事が「ときおり」起こっています。
まず思い出したいのが「ユーロ」のこと。欧州連合(EU)の共通通貨であるユーロの市場流通が始まったのは2001年のことでした。
それに先立つ1996年には、欧州委員会がユーロの通貨記号として「€」(アルファベットのCに横棒が2つある形)という形状を用いる方針を決めています。
そこでユニコードは、€に対してU+20ACというコードを割り振っています。
もうひとつ興味深い事例はインドの「ルピー」でしょう。実はルピーという通貨名はインド洋沿岸の地域で広く使われています。
そしてその多くの地域で「Rs」という二文字(ルピーサインの意)を通貨記号として用いています。
しかしインドでは¥や$のような通貨記号として、2010年に「₹」という記号(アルファベットのRに二本の横棒を加えてRの縦棒を抜いた形、ひらがなの「き」にも似ている)を導入。ユニコードではU+20B9というコードが与えられました。
このように通貨記号や文字コードの世界でも、ときおり「新顔の記号」が登場するのです。今後も通貨の世界でなにか新しい出来事が起こる度に、通貨記号や文字モードにも新しい動きが登場することになるでしょう。
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