企業の株価は様々な要因で動きますが、最終的にはその企業の業績を反映します。業績とは企業の売り上げや利益を指しますが、投資家はその企業の経済状況とも言える業績の将来の数値を予想して投資を行うのです。この業績予想の数値は、信頼できる媒体から手に入れることができますが、多くの投資家が利用する3つの情報源があります。この記事では、将来の企業業績を予想するための情報源として、会社予想、四季報予想、コンセンサス予想の3つをまとめてお伝えしていきます。

① 会社予想

ある企業の将来の業績を予想する上で最も信ぴょう性の高いものは、企業が発表する会社予想です。

企業は年間を通してどれくらいの売上げ、利益になるのかをあらかじめ想定して企業活動を行います。これまでの活動や現在の社内の状態を見て判断するため会社が発表する会社予想は最も信頼性が高いといえます。

ただ企業内で会社予想を決めるのはあくまで人間なので、企業によってその会社予想の様相は異なります。イケイケの強気な予想を出す企業もあれば、堅く控えめな予想を出す企業もあります。

もちろん強気の予想を出すからにはそれなりに理由があるのですが、もし企業活動を行っていて予想とは外れた事態が起き業績が悪くなりそうだと企業側が判断した場合、予想を修正する必要が生じます。

基本的には会社予想をもっとも信頼すべきではありますが、企業によって予想の仕方が異なるので過去の傾向をみてみるべきです。

業績の下方修正を繰り返しているならば、その企業は本来の実力よりも強気の予想をしがち。逆に上方修正を繰り返しているならば堅実な予想を行っているということになります。

株価の先行きを占うためにまずは会社予想を念頭に起きましょう。

会社予想を知る方法は?

会社予想を知るにはいくつか方法がありますが最も正確なのは企業のIR情報(投資家情報)から決算短信を見る方法です。

企業は四半期ごとに年4回業績を発表します。その業績は決算短信という形で発表されます。四半期決算の中には「通期業績予想」の項目がありますので、その項目を参考にします。

例えばトヨタ自動車の投資家情報の決算報告は以下のページとなります。

参考:トヨタ 決算報告

参考までに目を通しておくとよりイメージがつかめるはずです。

② 四季報予想

四季報予想は東洋経済新報社の記者が独自に企業に取材を行うことで得る情報を元に作成されています。

その中で、会社予想とは別に東洋経済予想がなされており、その数値が会社予想とは数値がかけ離れている場合があります。

その場合に、東洋経済予想が会社予想を大きく上回ったなら「会社比強気」(ニコちゃんマーク)、大きく下回ったなら「会社比弱気」(がっかりマーク)という判断がなされます。

多くの個人投資家がこの会社予想との乖離を楽しみにしており、四季報発売後に株価を大幅に伸ばす企業も存在しています。

四季報を読んだことない人はまずは四季報の読み方から学ぶとよいでしょう。筆者が執筆している下記ブログに四季報投資の仕方の詳細を記載していますので参考にしてください。

参考:インカムライフ.com/株の基本と応用/四季報投資/

③ コンセンサス予想

コンセンサス予想は、アナリスト(証券の価値を分析する人たち)の予想を元に算出される独自予想です。

コンセンサスを出している企業は有名なところだとQUICK(クイック)やIFIS(アイフィス)があります。

有料でないとみることのできない情報もありますが、アナリストたちの精度の高い企業業績予想を知りたいという人は使っている情報源です。

参考までにコンセンサスを提示している株予報というサイトを紹介しておきますので、興味を持ったらぜひ目を通してみてください。

参考:Yahooファイナンス 株予報

最終的には自分の頭で判断すること

企業業績の予想を出しているところは多々あれど、それがそのまま当たるかどうかはまた別の話です。

企業業績予想を活用するのは大事なことですが、最終的には他の諸々の要素を考慮して自分で企業業績の先行きを占えるようにしていきましょう。

そのためには常に株価と業績の推移をみるのと同時に企業がどのような事業展開をするかなどにアンテナを張っておく必要があります。

参考にしていただけると幸いです。

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早稲田大学法学部を卒業後、証券ディーラーを経て独立。Yahoo!ファイナンス『投資の達人』2015年のベストパフォーマー賞を受賞。マネーの専門家かつ個人投資家として活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。日経BP社「日本の億万投資家名鑑」などメディア掲載多数。