欲しい子どもの数と教育方針はどうなのか
まずは「欲しい子どもの数と教育方針はどうなのか」です。
特に欲しい子どもの数については、結婚と同時に不動産購入を予定しているような方には、要注意なポイントになります。
場合によっては、住宅ローン問題の前に子ども部屋が足りなくなる可能性もありますからね。
また子ども部屋が足りても、不動産購入後に子どもが増えると、それだけ教育費等で家計が圧迫されますから、家計が狂う可能性も出てきます。
さらに子どもの数が大丈夫であっても、その後の子どもの教育方針や希望する進路によっては、やはり家計が狂う可能性が残るでしょう。
ちなみに最近では、大学生の2人に1人が奨学金を利用している、つまり教育費の準備が間に合っていないのが実情です。
そしてこれは、子どもが大学生になる約18年後を考えて出産に挑む方は稀だからこその現象かもしれません。
教育費を考えつつ、不動産を考えましょう。
ローンを組んでなお十分な貯金ができるか
次は「ローンを組んでなお十分な貯金ができるか」です。
普通の方が不動産購入を考えると、つい業者に促されるままに「現在の賃貸料と比べてどうか」で判断しがちといえます。
さらに危険なケースで言えば、「即、家計が赤字にならないか否か」で考える方もいるようです。
残念ながら、昨今の雇用情勢は極めて不安定で、いつリストラや倒産に伴う転職で、年収が下がるか分かりません。
仮に雇用が大丈夫であっても、先ほどの教育費もそうですし、特に老後資金を考えると、住宅ローンさえ支払えれば大丈夫とは、特に考えてはいけない事です。
このため、さすがに人生の終盤まで考えるのは厳しいかもしれませんが、ひとまずローンを組んでなお十分な貯金ができるかどうかという観点は大切になります。
仮に貯金ができそうにないなら、購入後に節約ではなく、十分に節約を身に着けてから購入しましょう。
転職や離婚の可能性についてはどうか
最後は「天職や離婚の可能性についてはどうか」です。
まず前半の転職については、その希望的な可能性がある場合には、慎重になった方がいいかもしれません。失業等による希望しない転職でもそうですが、どちらかと言えば転職は、年収が下がることが多いためです。
また最近では、結婚しても3組に1組が離婚している実情があります。
特に結婚直後などでは、離婚など絶対ないと考えるでしょうが、離婚の可能性は「結婚5年以内」が最高です。そして本当に離婚となれば、購入した不動産の住宅ローンが大きな足かせになります。
特に最近は、共働きだからこそ住宅ローンも共有名義で組むこともよくありますので、尚更です。
もっとも、例えば大地震の可能性まで考え出すと何も行動できなくなりますが、せめて人災や人間関係の部分なら様子見が可能なので、少し間を置いた方がいいかもしれません。
不動産以外を先々まで考える事が大切
総じて、不動産購入を考える時には、不動産以外を先々まで考える事が大切です。
不動産は、一生で一番高額な買い物ですから、金額にも不慣れで、つい不動産問題に集中しがちですが、家計には住居費以外にも様々な支出があります。しかも住宅ローンは35年続くものです。
もう少し言えば、住宅ローンは支払いが終わる頃には、相応に大規模なリフォームが必要になることも多いといえます。しかしその頃には、すでに定年を迎えている事がほとんどです。
最近では晩婚の方も多いですが、その場合は教育費が終わっていない可能性もあります。
けっして不動産は購入しないほうがいいものではありませんし、購入せずに賃貸のままであっても家計破たんを起こす方も多いです。
このため、不動産は購入云々が大切なのではなく、不動産以外をも含めた人生全体のライフプランを元に、その判断をすることが重要になります。
購入すると売却は困難。慎重に!
一概には言えないものの、それでも不動産は基本的に価値が年々下がるものなので、一度購入すると、売却を含めた人生設計のやり直しは、極めて困難です。
もっとも結局、何らかの住居は必要なので、そこまで恐れる必要はありませんが、それでも慎重に判断しましょう。