日本には知らなきゃ損するおトクな制度がたくさんあります。 特に、サラリーマンやOLなど企業に雇われている人がケガや病気をしたときには、たくさんの経済的サポートが用意されている国といえます。 今回は、届出をすればお金をもらえる制度についてご紹介いたします。

会社員向けの制度

プライベートでのケガや病気に使える「傷病手当金」

傷病手当金は、健康保険(国民健康保険を除く)の加入者が、ケガや病気で連続で4日以上仕事を休んだ場合に受け取れるお金で、休業期間中に給与の支払いがないことが条件になります。

受け取れる金額は、1日あたり日給の3分の2です。

医師の意見書や会社の証明書を添えて「健康保険傷病手当金支給申請書」を保険者に提出しましょう。保険者の名称等は、健康保険証に記載されています。

通勤途中や勤務中のケガや病気に使える「療養補償給付、休業補償給付、傷病補償年金」

プライベートでケガや病気をすれば、健康保険証を提示することで療養費が3割負担になりますが、通勤途中や勤務中にケガや病気に見舞われた場合には、治療費や入院費用など全額タダになる制度として「療養補償給付」があります。

つまり、朝起きて体調が悪いと感じた際、部屋の中で倒れれば3割負担、スーツに着替えて家を出てから倒れたらタダになるということです。

「療養補償給付」は、向かった病院が「労災指定病院」であれば窓口で受け付けてもらえます。

労災指定病院ではない病院の場合は、会社の所在地の労働基準監督署に規定の請求書を提出しなければなりません。

通勤中なら「療養給付たる療養の費用請求書(様式第16号の5)」、勤務中なら「療養補償給付たる療養の費用請求書(様式第7号)」を提出しましょう。

また、通勤途中や勤務中のケガや病気が原因で働けずに給与や賃金を受け取れていない場合、1日あたり日給の8割を受け取れる「休業補償給付」も申請しておきましょう。

申請書類は、通勤途中なら「休業給付支給請求書(様式第16号の6)」が必要になりますし、勤務中なら「休業補償給付支給請求書(様式第8号)」が必要になります。

これらを労働基準監督署へ提出しましょう。

さらに、1年6ヶ月を経過しても治らず、一定の障害状態にある場合には、「傷病補償年金」を受け取れます。

労働基準監督署から申請手続きの案内があるかと思いますが、1年6ヶ月を経過してから1ヶ月以内に「傷病の状態等に関する届(様式第16号の2)」を労働基準監督署に届け出なければならないので注意が必要です。

通勤途中や勤務中のケガや病気に係る申請書は、厚生労働省のWEBサイトにてダウンロード可能です。

国民健康保険加入者向けの制度

医療費の一部負担金の減免または徴収猶予

国民健康保険に加入している世帯において、災害や失業などにより一時的に生活が苦しくなった場合、医療機関に行く前に役場で申請しておけば、医療費の負担金の減免や徴収の猶予を受けることができます。

自治体により申請に必要な持ち物等が異なりますので、事前に電話などで確認しておきましょう。

医薬品のトラブルに遭った人向けの制度

医薬品副作用被害救済制度

医薬品を正しく服用していたにもかかわらず、健康被害が生じた場合、独立行政法人医薬品医療機器総合機構へ請求すれば、状況に応じて医療費の自己負担分や月額36,400円~230,600円のお金を受け取れる可能性があります(平成30年4月時点)。

まとめ

国民健康保険の加入者に対しては、あまり経済的なサポートがないのですが、それでも今回紹介した医薬品副作用被害救済制度をはじめ、高額療養費制度や所得税の医療費控除、特別障害者手当、特定検診等の助成制度などであれば、加入している公的医療保険の種類に関わらず利用できますので、本当に困った場合にはFPなどに相談してみるといいでしょう。

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FPおふぃすプラスめいきっと代表。奈良県在住のファイナンシャルプランナー。幼少期はちょっぴりリッチな生活を送るもトラブルが続き高校時代はホームレスを体験。IT業を経てFPへと転身。「お金のことは難しい」と思う人と同じ目線で分かりやすく、ひとりでも多くの人にお金の知識/知恵/知性をプレゼントする活動をしている。