飯塚良治 (いいづかりょうじ)

株式会社アセットリード取締役会長。 オリックス信託銀行(現オリックス銀行)元常務。投資用不動産ローンのパイオニア。現在、数社のコンサルタント顧問と社員のビジネス教育・教養セミナー講師として活躍中。

2023年 混沌とした世界が始まった

2023年の年明けは、もう3年も続く新型コロナによる第8波の広がりという特異なマンネリと、ウクライナ戦争の泥沼化という危機的なマンネリと、相変わらずの元日からの北朝鮮による日本海へのミサイル発射という独善的なマンネリという、不安をかきまぜた3つのマンネリで年越しはスタートした。

新幹線は地方を衰退させた。

2022年9月23日、西九州新幹線「武雄温泉~長崎間」が開業した。九州新幹線長崎ルートの未開通分のほか、北海道新幹線の札幌延伸工事も進められている。現在は工事がとん挫しかけている中央リニア新幹線もあり、さらなる新幹線の建設を、相変わらず「打ち出の小槌」と目の色を変える政治家たちにより、11月2日に自民党の議員連盟が「全国新幹線ネットワーク整備財源を考える会」を立ち上げ、山陰や四国まで新幹線を建設する計画を進めてゆくことを確認した。

悪い円安=競争力衰退の構造なら、逆にどうそれを活かすか。

円安が止まらない。ついに1ドル=150円を超えてきている。政府日銀の為替介入があっても、焼け石に水の状態である。世界が金融引き締めと金利引き上げの政策をとっていて、世界で唯一真逆の黒田日銀の金融緩和政策は金利政策の違いからくる円安でないことを、このコラムのNO.45で言及した。それは構造的になってきた「安い日本」「貧しい日本」を象徴していると分析した。そのときですらまだ1ドル=130円の段階であった。

戦後最高の経営者稲盛和夫氏を悼んで

経営の神様が逝った。事業を大きく成功させた経営者は数多くいる。だが稲盛和夫ほど、仕事への姿勢・哲学で人を感動させる経営者はもう出てこないかもしれない。
我が国の経営者の鏡として、かつて日本資本主義の父と呼ばれた、渋沢栄一。そして戦後・昭和の経営の神様と慕われている、松下幸之助。この両名を世界の経営者にも影響を与えた巨星として敬愛するが、独特の経営哲学に基づいた経営手法で平成の経営の神様となった稲盛和夫。京セラ、KDDIという二つの巨大企業を創業、経営破綻をし瀕死の日本航空JALを78歳にして再建に見事に成功させた、日本人の経営者としては突出した実績を誇っている。カリスマが生涯を通じて貫いたものは何だったのか。

繰り返される無差別殺傷事件と安倍元首相襲撃事件の同質性

安倍晋三元首相が襲撃され死亡した事件は日本社会に衝撃を与えた。元首相暗殺の一報を聞いた時、戦前の政治家暗殺の多くのテロ事件を思い起こした人は少なくないであろう。思想信条に対する、暴力的封殺行為として、反射的に捉えるほうが歴史的にも自然であるからだ。

コロナ支援金不正受給に見る若者の未来への不信

昨年6月に経済産業省の20代の若手キャリア官僚2名が新型コロナ対策の「家賃給付金支援給付金」1550万円を詐欺したとして逮捕された。目の前の1550万円欲しさに、キャリア官僚としての未来を棒に振った。

日本人のマスク依存症は文化か気質か

新型コロナの流行の一定程度の収束により、政府が屋外でのまばらなところではマスクを外してもいいという、メッセージが伝えられた。筆者はよく朝や晩に、大型犬の散歩を日課としているので、散歩中は、マスクを早速外してみたが、行き交うペットの散歩人やウォーキング、ランニング、年配者の散歩人も驚くほど誰もマスクを外さないのである。そして相変わらず、ノーマスクの筆者に鋭い視線を送ってくる。

悪い円安が招く、日本の経済敗戦という現実

今年の1月のコラムで「熊本産偽装アサリに見られる、相次ぐ国産偽装は安いニッポンという象徴的問題である」という事を取り上げた。円の価値が50年前の円安水準となって、通貨の実質購買力の低下と先進国の中で最下位となっている国民の平均年収が、安いものしかなりたたない消費市場に日本はなっているという現実を提示した。

最近の熊本産偽装アサリに見られる相次ぐ国産偽装は「安い市場」ニッポンという象徴的問題である。

政府は公文書や統計の改ざんを繰り返し、企業では品質検査などの不正などが続々と発覚。そして生産者は外国産のものを国産とウソをつく。ここまでくると、もはや「偽装大国・ニッポン」に成り下がったと世界に後ろ指さされても仕方がないといえる。もはや隣の大国を、偽物、泥棒ビジネスと中傷している資格はないのである。