生命保険について考える際、終身保険にすべきか定期保険にすべきかで悩む人が多いのではないでしょうか。一生涯保障の終身保険も捨てがたいし、保険料の安さが売りの定期保険も捨てがたいと考えてしまうでしょう。 そこで今回は終身保険と定期保険のそれぞれのメリットをお伝えいたします。この機会に、終身保険と定期保険の違いを把握して、あなたに向いているのがどちらなのか確認してみましょう。

終身保険のメリット

一生涯保障なので必ず保険金を受け取れる

終身保険は一生涯保障してくれますので、自分に万一のことがあれば家族は必ず保険金が受け取れます。

もし自分が死亡しても経済的に守ってあげたい家族がいるのなら、確実に保険金を受け取れる終身保険にしておくと、家族も安心するでしょう。

保険料が定額

終身保険には満期や更新が存在しません。そのため、加入時から払込満了時まで保険料はずっと定額です。

将来的に昇給の見込みがないと感じている人や、途中で保険料が値上がりするのが嫌だというタイプの人には終身保険がおすすめです。

戦略的に解約できる

終身保険は貯蓄性が高く、解約時には解約返戻金というお金を受け取ることができます。

契約時に「いつ解約すればいくら受け取れるのか」が分かっていますので、払込期間を短く返戻率の高い商品で戦略的に契約・解約すると、それまで払い込んできた以上のお金を払い戻してもらうことが可能です。

特に、低解約返戻金型終身保険ではその戦略をとりやすいと言えるでしょう。払込期間中に解約すると元本割れしますので、その点は注意しておきましょう。

定期保険のメリット

保険料が割安

定期保険は掛け捨て型なので終身保険のように貯蓄性がない分、保険料が割安に設定されています。

浮いたお金で他の保険に加入して保障を手厚くしたり、自分で貯蓄や投資をしたい場合には定期保険を上手に使うといいでしょう。

たとえば30歳男性が、死亡保険金として500万円受け取れる保険に加入した場合、某保険会社では終身保険だと月々保険料が約7,300円なのに対し、同じ会社の定期保険だと70歳までの保険期間でも月々約2,000円、10年間(40歳まで)の保険期間なら、なんと月々約700円で加入できます。

高額な保険金を設定できる

定期保険は保険料が安いので、その分高額な保険金を設定することができます。

たとえば、30歳男性が前述の保険会社で70歳まで毎月約7,200円の保険料を支払ったとすれば、終身保険では死亡保険金500万円程度だったのが、定期保険だと2,200万円にもなります。

もし、10年間(40歳まで)の契約で毎月約7,300円を支払ったとすれば、保険金額はなんと7,100万円にもなります。

逓減定期保険で合理的な保障を準備できる

逓減定期保険とは、保険期間中、年数が経つごとに保険金額が減っていく保険です。一般的な定期保険(保険期間中ずっと同じ保険金額の定期保険)よりもさらに割安な保険料になるのが特徴です。

子どもが生まれたタイミングやマイホームを購入したタイミングなどで検討する保険で、いずれも年数が経つにつれ必要な保障(責任や債務)は少なくて済むという発想のもとうまれた合理的な保険です。

あなたに向いているのは

終身保険に向いている人

終身保険は一生涯を保障するのを目的としているので、いつ死亡してもある程度のお金を家族のために残したいという人に向いているといえます。

また貯蓄性を重視するのであれば、貯金が苦手な人や老後資金を準備したい人にも向いているといえるでしょう。

しかし、その貯蓄性のメリットを活かすためには一生涯の保障を手放さなければならないので、その点は注意しておきましょう。

定期保険に向いている人

定期保険は一定期間だけ大きな保障を必要とする人に向いています。たとえば「子どもが成人するまで大きな保障がほしい」という人や「住宅ローンを返し終わるまで大きな保障がほしい」という人に向いていると言えるでしょう。

更新する度に保険料が値上げしますので、それが嫌な場合には最初から必要な年数で契約しておくといいでしょう。

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FPおふぃすプラスめいきっと代表。奈良県在住のファイナンシャルプランナー。幼少期はちょっぴりリッチな生活を送るもトラブルが続き高校時代はホームレスを体験。IT業を経てFPへと転身。「お金のことは難しい」と思う人と同じ目線で分かりやすく、ひとりでも多くの人にお金の知識/知恵/知性をプレゼントする活動をしている。