医療保険より貯蓄がベターという意見も
ここ数年、人々の医療保険に対する考え方が変化してきています。
以前のような保障内容がパッケージされた医療保険に入る人が減る一方、自分のライフスタイルに必要な保険商品や保障内容を選択しようという傾向が強くなっています。
そんななか、そもそも医療保険自体が不要ではないかという意見も珍しくなくなりました。医療保険の保険金を病院の診療代やベッド代、食事代に充てられればそれでよしとする考え方なら一理あります。
健康保険に含まれる高額療養費制度によって、医療費が高額になっても、一定額以上の窓口負担はしなくてもよいからです。
高額療養費制度の限度額を念頭に貯蓄をしておけば、少なくとも医療費の部分はカバーできます。
ただ、入院や通院が続くと医療費の心配だけでなく生活費や家計への影響も生まれます。貯蓄でどこまで入院中の家計を穴埋めできるかは難しい問題です。
入院費用は個室かどうかで左右される
医療費が高額になるかどうか、大きな割合を占めるのが「差額ベッド代」です。大部屋から個室に変更したい場合、毎日掛かってくる個室代は大きな負担となります。
しかも高額療養費制度の対象外となるためかなりの出費を覚悟しなければなりません。
医療保険に加入しておけば安心して個室でゆったり療養ができます。
大部屋のように他の患者さんに気兼ねする必要がなく、バストイレや洗面台の設備があるのもメリットです。
女性特有の病気に備える「女性疾病特約」
女性には乳がんや子宮がん、子宮頸がん、子宮内膜症や子宮筋腫といった特有の病気があります。また、甲状腺障害や関節リウマチ、低血圧症など、女性に多い病気もあります。
こうした疾患は30代から40代に掛けてリスクが増えるといわれています。
最近、女性特有の病気に対して「女性疾病特約」が付けられる医療保険が増えてきました。
女性疾病特約とは女性特有の病気で入院や手術した場合、基本の入院保障や手術保障に上乗せして給付金が受け取れるものです。
たとえば、乳がんの手術で10日間入院したとすると、1日あたりの入院給付金と1回あたりの手術給付金にそれぞれ上乗せされて支給されます。
なお、女性特有の病気の範囲は保険会社や特約によって異なるため加入する際には必ずチェックしておくことが大切です。
また、追加で必要になる保険料を上乗せの保険金とのバランスをイメージしながら、女性疾病特約が本当に必要かどうかを検討しましょう。
妊娠や出産での加入条件を確認
女性向けの保険商品のなかには妊娠中や出産後の一定期間の加入ができない、カバーされる保障に制限があるといったものがあります。
ただ、妊娠や出産でもスムーズに加入できる保険商品もありますが、保険料が割高だったり加入に条件があるケースもあるのでどちらがよいかは一概にいえません。
医療保険は妊娠以前に加入しておくことがベストですが、もし妊娠や出産で急に医療保険が必要になったときには注意しておく必要があります。
終身タイプと定期タイプは保険料で選ぶ
女性に限らず医療保険に共通するものです。一般的に医療保険の保険料は契約した加入時の年齢で決まり、そのまま金額は変わらないしくみになっています。
終身タイプに若いうちに入っておけば、一生涯保険料は変わらず保障を受けられます。年齢と共に病気やケガのリスクは増えていくため、コストを抑えた備えが可能です。
一方、定期保険は5年、10年のように保険期間が限られている商品です。終身タイプに比べると保険料は割高になります。
さらに、保険期間が満期になって更新したり他の医療保険に加入すると保険料が上がるというデメリットがあります。
女性の保険の選び方は女性特有のリスクを考えて
女性にしかない病気や女性がなりやすい病気というものがある以上、女性の医療保険はリスクの高い病気に備えた保障内容であることが大切です。
ただ、女性疾病特約を付けると保険料が割高になるため、本当に必要な保障を考えながら選ぶようにしましょう。