ETFの選び方
まずは資産クラス別パッシブ型運用の商品を選びましょう
セクター別で商品を選べるのがETFのいいところでもありますが、投資初心者であれば、まずは資産クラス別で考えてみるのがいいでしょう。
ローリスクローリターンを希望する人は債券を多めに、ハイリスクでも大丈夫なのであれば株式を多めに設定するといいでしょう。
ETFには運用方法によって「パッシブ型(インデックス型)」「スマートベータ型」「アクティブ型」「レバレッジ型(ブル型)」「インバース型(ベア型)」などがあります。投資初心者であれば、パッシブ型をおすすめします。
純資産総額を確認する
純資産総額とは、組入資産の時価総額と購入者の保有口数を掛け合わせたものです。純資産総額が小さいと、その運用会社が運用を辞めてしまう可能性が出てきます。つまり、上場廃止になるということです。
もし上場が廃止され運用を辞められてしまうと、その辞めた時点での評価額で払い戻されます。このように途中で払い戻されることを繰上償還と言い、繰上償還が起こるリスクのことを「償還リスク」と言います。
償還リスクを少しでも減らすためには、純資産総額が大きく、且つ純資産総額が増加傾向にあるETFを選ぶことが大切です。
流動性を確認する
上場していても全てのETFが頻繁に売買されているわけではありません。この売買取引量が少ないと、いざ自分が売買しようと思ってもなかなか成立しなかったり、不利な価格で売買してしまう可能性があります。
このような流動性リスクを減らすためには、そのETF情報の中から2箇所に注目し、流動性の高いものを選びましょう。
まずは取引量です。確認するサイトによって表現の違いはあるかもしれませんが「売買高」や「売買代金」と書かれているところを確認しましょう。売買高の口数や売買代金の金額が大きいものほど頻繁に売買されていると判断できます。
そして、次に確認するのは「板」と呼ばれるところです。「売数量(売気配)」「気配値」「買数量(買気配)」などが書かれているところです。
上図のような板情報を例に解説します。まず、赤枠で囲っている一番良い売数量の金額と一番良い買数量の金額の差を「スプレッド」といいます。
例では、一番良い売数量の金額は22,222円、一番良い買数量の金額は21,878円です。その差であるスプレッドは344円になります。
これは、最低でも22,222円出さないとこのETFを買えないことを意味します。従って、スプレッドが狭いほど流動性が高いということになります。
また青枠で囲っている注文数量を「デプス」といいます。
図の中で一番良いデプスは売り=850口(22,222円)、買い=500口(21,878円)となります。これは、850口までなら22,222円で買えることを意味します。従って、デプスが大きいほど流動性が高いということになります。
それでもETFを選べない場合は?
ETFの選び方を3つのポイントに絞ってお伝えしましたが、それでも「どの資産クラスにしたらいいのか分からない」「純資産総額や流動性を調べるのが面倒だ」という場合には、投資一任型のロボアドバイザーを活用してみるのもいいでしょう。年齢や年収といったリスク許容度に応じて、自動でETFの買い付けが行われます。