ドルコスト平均法でコスパのよい投資を
世間には投資というとまとまった資金がなければできないものというイメージがまだ根強いようです。
確かに、多額の資金が必要な投資方法もありますが、個人の初心者レベルでいきなりハイリスク・ハイリターンの投資に手を出すと元手がすぐに消えてしまって頭を抱えることも少なくありません。
個人投資でおすすめなのは、少額から少しずつ増やせる積立投資です。
積立の基本は銀行の積立預金ですが、投資となると証券会社で取り扱う株式や投資信託の積立がまずベースとなる商品です。
ドルコスト平均法とは?
個人の少額投資をする前に、まず知っておきたいのが「ドルコスト平均法」と呼ばれる考え方です。これは、毎月一定額の株式や投資信託を購入していく投資方法で、長期間投資を続ける際に向いています。
毎月、1万円ずつ投資信託を購入するとしましょう。投資信託を購入するときの基準価格は常に変化していますので、1,000円のときもあれば1,500円または500円となる場合もあります。
もし、10口ずつ投資信託を購入する方法では、1ヶ月目の基準価格が1,000円なら1万円ですが、2ヶ月目が1,500円なら10口で15,000円、3ヶ月目が500円なら5,000円となり、毎月購入する金額は大きく変動します。結果、3ヶ月で30口を3万円で購入した計算になります。
一方、ドルコスト平均法で購入すると、1ヶ月目は10口、2ヶ月目は6.7口、3ヶ月目は20口購入できるため、3ヶ月で36.7口購入できます。
このように、基準価格が高いときは購入する口数は減り、安いときは口数が多くなるため、長い目で考えると毎月定額を購入するよりお得に投資信託を手にできるというわけです。
それでは、個人向きの積立投資をいくつかご紹介しましょう。
投資信託
投資信託では、投資運用のプロであるファンドマネージャーが投資家から集めた資金で株式や債券といったさまざまな商品を組み合わせて投資します。
株のように自分で選ぶ必要がなく、投資はすべてプロに任せられること、積立投資なら100円や1,000円単位で購入できることがメリットです。
投資信託は証券会社や銀行で扱っている金融商品です。初心者ならランキングを参考にしたり、証券会社がおすすめしているものから選ぶとよいでしょう。
ミニ株・るいとう・単元未満株
通常購入する株式単位の10分の1で購入できるハードルの低さが魅力です。「ミニ株」のほか「るいとう」もありますが、どちらも株式を購入した口座のある証券会社の名義となります。
また、ミニ株は一般の株式と同じように配当を受け取れますが、るいとうの場合に得た配当は積立される違いがあります。
単元未満株は、通常100株や1,000株単位で取引する株式を1株単位で購入できる商品です。購入資金が少なくても株主になることができるため、株主優待の条件に当てはまることがあります。
金・プラチナ・銀
金やプラチナ、銀は古来から高い価値を認められています。政治情勢や経済状況の変化に強く、金融不安があるとさらに人気の高まる商品です。
貴金属メーカーや証券会社では純金積立を取り扱っていて、毎月定額の積立を基本に、タイミングを見て取引するスポット購入も可能です。プラチナや銀も合わせて取引することができます。
純金積立では、金そのものは運営会社が現物を保有しています。まとまった金額になったら金現物や金貨、宝石と交換することもできます。
純金積立ではドルコスト平均法による毎月の定額購入がおすすめです。ただ、年会費をはじめ積立購入の際に手数料が含まれているため、ある程度のコストは掛かるので確認しておきましょう。
金相場は24時間リアルタイムで変動しているものの、運営会社が毎日設定する積立購入価格での取引となります。
ここで紹介した投資信託やミニ株、金の積立は個人で気軽に始められ、投資の感覚を養うのに適した金融商品ばかりです。まずは毎月少額から将来のための資金運用をしていきましょう。