損切りを例えると・・・
この損切りという視点は、投資業界ではしばしば「恋愛」に例えられて説明されることが多いです。
好きな人と付き合い始めると、その人のダメな面が見えてくるときがあります。そんなとき、できるだけ早めに見切りをつけ、次のパートナーを探す方が得策である場合があります。
時間的にも無駄になることがないので、自分もフレッシュな状態で新たなパートナー探しができます。これが株でいうところの「損切り」です。
一方で、ダメなところには目をつぶり、その人の良い面を見続けながら、ダメなところがよい方向へと向かってくれるのを待つ場合もあります。こちらは株で言えば「塩漬け」という状態です。
恋愛も株も、「損切り」にするか「塩漬け」にするか、どちらを取るかでその後の人生や投資成績が大きく変わってきます。
さて、それではこれより損切りについて解説しますが、短期的な目線での投資と長期的な目線で行う投資では損切りの視点が異なるため、分けて解説していきます。
短期的投資における損切り
短期的な視点で投資を行う場合には、株を数日から数週間程度で買ったり売ったりします。
基本的に1回での損益は短時間で出てしまうので、時間が経たないと判明しない企業の業績は関係なく、株価の一時的な揺れ動きで上手に株式を買うというスタンスになります。
短期投資でも損切りは重要で、損失を広げないためのテクニックとして損切りが使われます。そしてこの損切りにおいて短期投資家の間で重視されるのが、株の安値です。
株式には安値という基準が存在し、その安値を割り込むことで一旦撤退をするという短期投資家は多いのです。
例えば、ある企業のここ数週間の株価の最も安い値段が1,000円だったとします。
その株式をある投資家が1,100円で購入しました。その後、株価は上下を繰り返しながら1,000円を割り込みました。
この1,000円を割ったタイミングで株を売却して損失を確定するのです。
これは一つの例ですが、他にも短期投資における損切りには「移動平均線」や「ローソク足の組み合わせ」を利用した損切りの方法があります。
参考記事
・市場の平均コストが分かるFXのチャートの見方 ~移動平均線編~
・「株のチャート」とは株価の将来の動きを予測する魔法のツール
短期投資で資産を増やしたい方には必須の知識といえますので、色々と研究してみてください。
長期投資における損切り
一方で長期投資においては、その株を持つ理由がなくなった時に損切りをすることが多いです。
一般的に1年以上株を保有する長期投資において、株価が一時的に大きくブレるのは日常茶飯だといえます。
しかし、長期的な視野をもって投資を行っているので、その株式の値段がいくら安値を割っても株を売らずに持ち続けるのです。
例えば長期投資においての方法として、これまで事業も株価も低調だった企業に、インパクトのある要因が出てきた時に投資をするという方法があります。
株価は一時的に上がるも、その後株式市場全体の値動きにつられて株価が下がってしまったとします。
それでも賢明な投資家は株式を売らずに持ち続けるのです。インパクトのある要因が実際の事業に結びつき企業の業績がさらに伸び始めるのを待つのです。
とはいえ、残念ながらどの株式も事業が好調に進むとは限らず、結果的に投資要因が身を結ばない場合もあります。
新規事業が頓挫したとか、新薬が承認されなかったとか、事業提携の解消など理由は様々ですが、そういった業績に影響を与えそうな要因が消えたときに損失確定の損切りを行います。
※長期投資においては損切りせずに株を持ち続ける、もしくは株を安く買い増しして買い取得単価を下げるという試みをする投資家も大勢います。
これはその株に惚れ込んでいる状態であり、危険な場合があります。
投資には決断がものをいう時もある
損切りをまとめてみましょう。
- 短期投資における損切り=株価チャート上のポイントに着目して株を手放す
- 長期投資における損切り=株を持つ理由がなくなった時に手放す
こう書くと、損切りはあらかじめ決めておいた時点で機械的に行えるような気もしますが、そこは人間心理的に損切りできない場合もあります。
しかし、損切りを行うことで結果的に株価下落による大幅な損失から救われた投資家も多く、成功した投資家の中でも損切りは投資おける重要な技術だと言ってはばからない人も大勢いるのが現状です。
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