住宅は人生で一番高価な買い物と言われます。ほとんどの方が住宅ローンを組んで、20年、30年とかけて少しずつ計画的に返済していくことになります。しかし、十分に検討して選んだ住宅ローンでも、経済の状況や環境の変化などによって「今の自分には合っていない」という状態になることもあります。そこで考えたいのが「住宅ローンの借り換え」なのです。

住宅ローンの借り換えとは?

「借り換え」とは、現在お金を借りているところから別のところに乗り換えるということを指します。

たとえばA銀行から3000万円の借入があるとすると、借り換えではB銀行から新たに3000万円を借り、そのお金でA銀行への返済を完了させます。

それ以降は、A銀行ではなくB銀行に返済をしていくというものです。これを「A銀行からB銀行に借り換えをした」というように表現します。

経済環境の変化によって、「前に組んだ住宅ローンの金利が今の相場よりも高くなっている」という状態になることがしばしばあります。

場合によっては100万円以上も返済額が変動することもあるのです。つまり、そうしたケースでは、借り換えをすることで毎月の返済額の負担を抑えられます。

現在の返済額で問題がない場合には、残りの返済期間を短くすることが可能です。

また、現在の住宅ローンが変動金利や短期固定金利である場合、返済額がどうなるか読みにくいという点がデメリットです。

その場合、毎月の返済額が確定する長期固定金利の住宅ローンへ借り換えることで、長期にわたりライフプランが立てやすくなります。

一般的に、借り換えを検討した方が良い目安は「借入残高1,000万円以上・金利差1%以上・残存期間10年以上」と言われています。

借り換えをするうえで注意すべきこと

住宅ローンの借り換えには、手数料や税金などの諸費用がかかります。借り換えする金融機関などに支払う手数料や保証料、団体信用生命保険料は差が大きく、たとえば融資額が3000万円の場合で30~280万円ほどの幅があります。

借り換えによって得するか・損するかを正確に判定するためには、諸費用も考慮して現在の住宅ローンと比較する必要があるでしょう。

また、借り換えの際は「自宅の値下がり」にも注意が必要です。住宅ローンを借りる際は自宅が担保になりますが、価値が下がっていると必要な額が借りられない可能性もあります。

また、大きな病気をした方や転職して間もない方は借り換えができないこともあります。借り換えできないケースもあるということは記憶に留めておきましょう。

ただ、ローン借り換えの意思を現在借り入れている銀行に話すと、金利交渉に応じてくれる可能性もあります。借り換えが難しい方は、そういった方法を検討することをおすすめします。

借り換えでライフプランの選択肢が広がる

借り換えは経済的に大きな恩恵を得られる可能性がある一方で、金融機関の検討や手続き、費用の計算などで労力もかかります。

しかし、経済的に余裕が出るということは心にも余裕ができるということであり、将来的な安心や家族の和といった部分にもつながります。

どのように人生を過ごしていくかという「ライフプラン」は、経済状況に大きく左右されます。

借り換えで返済の負担を減らし、ライフプランの選択肢に広がりが出るのであれば、それはかけがえのない価値があると言えるでしょう。

わが家にとってベストな住宅ローンを改めて検討してみてはいかがでしょうか。