女性にとって妊娠はとてもハッピーな出来事ですが、保険加入時には注意しなければいけないポイントがたくさんあることをご存知でしょうか。妊娠をすると、さまざまな病気を発症する可能性や体調を崩してしまう可能性が高くなったり、出産方法によっては手術が必要になるリスクが生じてしまいます。 このような理由から、妊娠中の保険の加入は通常の時よりも条件が厳しく、不利になってしまいがちです。それでも、産まれてくるお子さんのため、また自分自身のために、妊娠中に保険を加入するのであれば、注意すべき点を把握しておくことが必要不可欠です。

■妊娠後の保険加入はその妊娠中のリスク回避にならない

加入条件が厳しくなる

妊娠中は医療保険そのものへの加入条件が厳しくなります。保険会社からすれば、妊娠している女性の体は、妊娠悪阻(つわり)や妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、切迫流産などのリスクが高くなるとみなされ、その結果、「特定部位不担保」が設定される可能性があります。

特定部位不担保とは

特定部位不担保とは、「体の特定の場所に生じた疾病については給付金の支払い対象外にする」という意味です。

医療保険の加入時、告知審査で女性を対象に「現在、妊娠していますか」といった質問があります。妊娠発覚後に医療保険に加入する場合、その告知審査で「はい」と答えなければいけません。そして「はい」と答えると、ほとんどのケースで子宮に対して1年間の特定部位不担保がついてしまいます。

つまり、妊娠がわかってから慌てて医療保険に加入しても、その妊娠および出産を原因とする子宮のトラブルで入院や手術があった場合に給付金を受け取れない可能性が高くなるのです。

それでも「妊娠発覚後に医療保険に加入したい」という仰るのであれば、なるべく早めに申込手続きを行いましょう。というのも、ほとんどの医療保険では妊娠28週(8ヶ月)になると加入を断れてしまうからです。

もしもまだ妊娠をしていないようであれば、妊娠前に医療保険に加入しておくことで、妊娠中や出産時に何かトラブルがあっても保険金が支払われるので、経済的に安心して治療にのぞむことが出来ます。

■出産後に加入したら大丈夫!?

帝王切開のリスク

ここまでの記事を読んだ女性の多くが「妊娠中の医療保険がダメなら出産後に加入しよう」と考えることでしょう。しかし、出産には帝王切開というリスクがあります。保険加入前に帝王切開で出産した場合、出産から5年以内の保険加入では特定部位不担保がつく可能性が高くなります。

帝王切開も立派な手術のひとつですので、告知審査で「過去5年以内に入院・手術を受けたことがありますか?」の質問に「はい」と答えなければならないからです。

たとえ一回目の出産時に無保険で何事もなく無事に終えたとしても、5年以上の期間をあけて二回目の出産を考えているのであれば、二回目の妊娠が発覚する前に加入しておきましょう。

■女性特有のリスクに備えられる女性向け保険

女性向け保険の特徴

女性は妊娠や出産以外にも、乳がんや子宮がん、卵巣のう腫といった女性特有のリスクがあります。医療保険のひとつに、このような女性特有のリスクに備えるための「女性向け保険」が存在します。

女性向け保険は、女性特有の病気で入院した場合に、入院保障日額が通常の医療保険の1.5倍~2倍受け取れる仕組みになっています。また保険会社によっては、数年ごとに健康であれば生存給付金を受け取れる商品もあります。

 女性向け保険の注意点

数年ごとに生存給付金を受け取れるような保険商品の場合、月々の保険料が通常の保険よりも割高に設定されているのが一般的で、自身が支払った割高な保険料から、数年ごとにお金を返してもらってるイメージになります。また、女性向け保険であっても、通常の医療保険同様、加入は早ければ早い方がいいでしょう。

 

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FPおふぃすプラスめいきっと代表。奈良県在住のファイナンシャルプランナー。幼少期はちょっぴりリッチな生活を送るもトラブルが続き高校時代はホームレスを体験。IT業を経てFPへと転身。「お金のことは難しい」と思う人と同じ目線で分かりやすく、ひとりでも多くの人にお金の知識/知恵/知性をプレゼントする活動をしている。