火災保険で選ぶ内容はとても多い
同じ保険でも、生命保険のように入院や通院の日額保険金をベースに、オプションを追加していくという流れなら比較的シンプルに選ぶことができます。
しかし、火災保険ではさまざまな条件によって細かく保険の対象や補償範囲、保険金が変わってきますので、一つ一つ住まいや求める補償に合わせて選ばなければなりません。
一般的に火災保険を選ぶときは次の7つのポイントが大切です。
1.補償の対象は?(建物と家財)
まず、火災で被害が起こった際、保険で住まいのどの部分をカバーするのかを考えます。
火災保険で考える補償対象には「建物」と「家財」の大きく二つに分かれます。なお、建物とは不動産を指し、家財とは動かせることができる動産を指します。
持ち家なら、火災のとき建物の焼失の補償のみでよしとするか、それとも家財も含めて保険対象にするかを選びましょう。
一方、賃貸マンションの場合は建物は貸主のものなので、基本的に家財のみ火災保険の対象となります。
2.建物の構造は?(鉄筋・コンクリート・木造)
住まいのは鉄筋、コンクリート、そして木造のどれかで建てられています。火災のとき、構造によって損害の大小が変わるため、保険料にも影響します。
単純に考えて、鉄筋やコンクリートより木造住宅の方が火災に弱いというのは想像が付くはずです。
火災保険では鉄筋をT構造、コンクリートをM構造、木造をH構造と分類しています。使われている柱の部材のほか保険会社によっても細かな分け方の違いがあるので注意しましょう。
3.補償の範囲は?
火災保険というものの、実際には火災以外が原因で建物に損害を被ったとき広くカバーすることができます。
ただ、火災や落雷、ガスによる爆発、風水害といった主な原因以外は特約によって補償範囲を追加するかたちになります。
補償範囲を広くすれば当然その分保険料が高くなりますので、本当に必要な補償内容かどうかをよく吟味する必要があります。
4.建物の保険金額は?
次に火災の損害に対する保険金の額を決めましょう。火災保険の保険金は保険会社の基準によって決定する建物の評価額によって設定します。
注意しなければならないのは、保険金額を少なく設定すると、思うような損害額に対する保険金が受け取れないことがあることです。
補償額の決定は計算式を使ってかなり複雑なものなので、イメージで保険金額を決めるのではなく必ず保険会社に確認することをおすすめします。
5.家財の保険金額は?
建物と違って家財の保険金額は加入者が任意で決めることができます。家財の合計金額までなら災害の損害を保険でしっかりカバーすることが可能です。
保険会社では世帯主の年齢や家族構成によって家財の保険金額の目安となる簡易評価表を作成しています。独身か既婚か、夫婦のみかそれとも子どもや親と住んでいるかの目安を参考にして、必要な家財評価額を見積もりましょう。
6.保険期間や支払方法は?
火災保険の契約期間は1年または最大10年までの長期契約が選べます。保険料で考えれば、一括払いで長期になればなるほど割引が効くのでお得です。
保険会社によって割引率は異なりますが、3年で約10%、6年で約15%、10年で約18%程度です。
つまり、年間保険料が3万円だったとすると10年契約を一括払いにすればおよそ2万1千円まで保険料が安くなります。
なお、長期契約で途中で解約をしても解約返戻金を受け取ることができるので大きな損にはなりません。たとえば、5年契約を1年で解約しても一括払いした保険料から約78%が戻ってきます。
具体的な割引率や解約返戻率は保険会社によってさまざまなので、必ず確認してください。
7.地震保険も入る?
多くの場合、火災保険と地震保険はセットで加入するのが一般的です。まさかの災害で家に損害が生じるのは火災だけではありません。
地震や火山の噴火、それにともなう津波といった火災以外の災害が原因の場合、火災保険だけではカバーできないため、地震保険に入る必要があるのです。
ただし、火災保険と地震保険の補償には大きな考え方の違いがあります。
火災保険では火災で損害を受けた建物や家財を保険金でもう一度取り戻すという性格が強いのに対し、地震保険は新しい家を再建するための資金の一部を保険金で受け取るといった意味合いを持っています。
したがって、地震保険の保険金額の範囲は、火災保険の保険金額の30%から50%で設定することとなります。
地震保険の保険料で節税効果も
地震保険の保険料は保険金額や補償範囲によってさまざまですが、数千円から万単位になるため家計のなかで大きなウェイトを占める固定費です。
ただ、地震保険の保険料は確定申告による所得控除の対象となります。
火災や地震に備えてぜひ入っておきたい火災保険や地震保険。節税効果を踏まえて保険料を計算しながらニーズに合った商品を選んでみてください。
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