知らないと損する年金の仕組み
年金は、勤労収入が得づらくなる老後の生活を支えるものとして作られた国の制度です。将来どのぐらいの年金を受給できるかを知るためには年金の仕組みを理解する必要があります。
年金の基本的な仕組み
公的年金のベースは国民年金です。原則として、20歳~60歳以上の日本在住者が保険料を納め、65歳から年金を受給することになっています。
一定の場合を除き、保険料の支払いが義務づけられていますので、支払わないと国から支払いの督促業が届き、最悪の場合は財産を差し押さえられる可能性もあります。また、保険料未納期間があると年金額はその分だけ減ってしまう仕組みです。
障害給付や遺族給付もある
老後保障だけでなく、障害になったときの給付や、死亡時の遺族への給付なども国民年金の重要な役割です。一定以上の保険料を支払わないと、障害年金や遺族年金の受給ができなくなります。
障害年金とは、一定の障害状態になってしまった場合に、障害等級に応じて支給される年金です。国民年金の遺族給付は、18歳年度末までの子供がいる場合に支給されることになっています。
整理しておきたい公的年金の種類
年金にはいくつかの種類があります。年金制度を理解するためには、公的年金だけでなくそれぞれの年金の基本的な内容は把握しておく必要があります。
国民年金
日本在住の20歳以上60歳未満の人が被保険者となり、原則として65歳になると老齢基礎年金が支給される制度です。自営業や学生などは第1号被保険者となり、納付書に基づいて保険料を負担します。
会社員や公務員は第2号被保険者に区分され、保険料の負担は厚生年金保険料に含めて負担する仕組みです。第2号被保険者の配偶者は、一定の所得要件を満たすと第3号被保険者となります。
保険料は第2号被保険者が負担しますので、第3号被保険者としての独自負担はありません。年金受給額は、現役世代の収入とは関係なく満額が決まっているという特徴があります。
厚生年金
厚生年金は会社員や公務員のための公的年金です。厚生年金の被保険者は、原則として65歳になると老齢基礎年金に上乗せされる老齢厚生年金が支給されます。
保険料は月給やボーナスに対して一定率を負担する仕組みです。ただし、保険料の半分は会社などの雇用者が負担することになっています。
また、支給される年金の額は、現役世代の収入が多ければ多いほど増える報酬比例型です。なお、公務員向けの共済年金制度がありましたが、制度改正により厚生年金に一元化されました。
国民年金基金
国民年金基金は自営業などの第1号被保険者専用の制度です。そのため、会社員などは利用できません。国民年金基金に加入して一定の掛金を負担することによって、老後に老齢基礎年金に上乗せした給付を受けられる制度です。
企業年金
企業年金とは、企業が独自に導入している制度です。退職した従業員が老後になると給付されます。企業年金にはいくつかの種類があります。
企業が一定の運用利回りを保証する厚生年金基金や確定給付企業年金、企業が一定の掛金を拠出して従業員本人が運用する確定拠出年金などです。
国民年金と厚生年金にさらに上乗せされる形になりますので3階建ての年金受給が可能になります。ただし、すべての企業が採用しているわけではありません。
予想される老後の年金額とは
さまざまな年金制度が存在し、人それぞれ加入している制度が違います。一般的には、いくらぐらい年金を受給できるのかは気になるところでしょう。
人によって年金受給額は変わる
自営業のように国民年金だけの人もいれば、会社員や公務員のように厚生年金や企業年金などを受給できる人もいます。また、同じ会社員であっても現役世代の収入が違えば将来の年金額も変わってきます。
将来の年金受給額を知りたい場合には、自分がどの制度に加入していて、それぞれの制度ではどのように年金額を算出するのかを理解することが大切です。
どのぐらい年金がもらえるのか?
たとえば、物価水準や年金制度が変わらないと仮定した場合、ずっと会社員だった人は、平均的には毎月約22万円の年金を65歳から受給することになるでしょう。
しかし、老後の世帯生活費は最低でも月に約23.5万円、ゆとりある生活を送るためには約37万円が必要だとするアンケート結果もありますので、年金だけで生活するのは大変です。
公的年金については受給年齢引き上げの議論も行われています。安心した老後生活を送るためには、公的年金に加えて不動産投資で賃料収入を得られるようにするなど、現役時代から自助努力で老後の収入源を確保する工夫も大切でしょう。健康なうちに老後の資金設計をしておくことが重要です。
不安の払拭には資産形成を絡める方法も
公的年金にはさまざまな種類があります。人によって受給額は変わってきますが、公的年金だけで豊かな老後を過ごすのは難しくなってきています。不動産投資などによる資産形成を早めに始めておくことが大切になるでしょう。