古今東西、「金」は高い価値を評価され貨幣や装飾品に愛用されてきました。世界的な不況や有事に強い金の価値は激動のいま、ますます注目されています。銀行の預貯金や株式、投資信託をはじめ資産管理の一つとして金投資の魅力は変わりません。 安定した価値を持っているので、リスク回避のための分散投資にもぴったりです。ここでは金の値動きの特徴や金投資の種類、投資別のメリットやデメリットについてご紹介します。

不況や有事に強い金価格

金は昔から世界中で価値を認められ、高値で取引されてきました。埋蔵量が限られているという希少性や金そのもの美しさもプラスされ、古代から貨幣の材料に使われてきたほどです。

かつては各国が金本位制といい金を主軸に据えた金融制度を採用していました。管理通貨制となったいまでもそれぞれの国の中央銀行では金の準備をしています。

金価格は世界規模のインフレや戦争や紛争、株価の下落にも強く、安定した投資を目指すのに欠かせないものです。金価格が値上がりしやすいのは、政治や経済の混乱から国の通貨の価値が下がったり、金取引の国際通貨となっている米ドルが安くなったときです。つまり、国や経済に対する不安が高まるほど、金の価値は上がるというわけです。

金投資の3つの方法

金投資には金貨や金地金で金の現物をそのまま保有する方法、地金メーカーや証券会社による純金積立、証券会社や銀行の投資信託、金ETF、金先物取引があります。

それぞれに保管のしやすさやコストなどでメリットとデメリットがあります。ここでは代表的な金貨・金地金、純金積立、投資信託の3つを見ていきましょう。

1 金貨や金地金

金貨や金地金の現物を手元に置いておくことができます。金貨は宝飾店やデパート、地金メーカーで直接購入できます。オーストリアのウィーン金貨ハーモニーやカナダのメイプルリーフ金貨、オーストラリアのカンガルー金貨など、世界各国の造幣局から美しいデザインの金貨が発売されています。

金貨は手軽に保管できるほか、よく流通しており人気が高いため、売買しやすいのもメリットです。また金地金は1g単位で販売店や販売メーカーの販売単位から購入できます。

金は1gあたり当日の相場で取引されていますが、4,500円〜5,000円程度で推移しています。なお、金貨も金地金も売買する際にスプレッドと呼ばれる手数料が掛かります。

とくに金貨はスプレッドが高いため、値上がりを見て確実に投資利益が確保できると思ったときでないと損することもあります。そして、なにより金を現物で持つことで、盗難のリスクがあります。

自宅用の金庫を購入したり、より安全に保管するには銀行の貸金庫や地金メーカーで行っている預かりサービスを利用する手数料も必要です。

2 純金積立

地金メーカーや証券会社が販売している金投資の積立商品です。毎月定額を少しずつ積立られるので「ドルコスト平均法」が使えてトータルの購入コストを抑えることができます。また追加で随時購入することも可能です。メーカーによっては月1,000円から積立もできるので、気軽に金投資が始められ初心者におすすめです。

純金積立は金地金を直接保有するのではなく、バーチャルな取引のイメージです。しかし、もし金貨や金地金として保有したくなったらいつでも交換できます。

ただし、純金積立は取引手数料が割高で投資の利益を上げるにはかなりの積立額までにならないと売却損が出るおそれがあります。現物を保管しているわけではないので、万一購入している地金メーカーや証券会社が破綻すると戻ってこない可能性もあります。

3 投資信託

証券会社や銀行が取り扱う投資信託のうち金投資にスポットを当てた商品です。証券会社の投資専門家が金現物や金と連動して値動きする株や債券、商品へ投資をし、そこで得た運用益を投資信託の利益として還元します。投資信託のため少額から積立ができるほか、金現物を保有するのではないので盗難のリスクはありません。

ただ、あくまで投資信託商品のため売却しても金現物ではなく現金での交換になること、投資信託手数料が掛かることがデメリットです。

金の投資は、投資商品のなかでも手堅く安定した資産を築くことができます。一方で、金貨や金地金で保有すると盗難リスクにさらされる心配があります。

最近は純金積立や金の投資信託が広がっており、取引手数料が割高ではあるものの少額から定額で積立することが可能です。

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