不動産投資をするうえで重要になる物件のエリア選定。長期にわたり安定した収益を得るためにも、地価の上昇が期待されるエリアの物件の見定めは、不動産投資の成否を占います。特に首都・東京は五輪開催を控え、今後も大きな開発など変革が起こることが予想されるエリアだけに、なおさらリサーチが重要になります。不動産投資のエリア選定の観点で東京を見ていきましょう。

不動産投資をするうえで重要なエリア選定

不動産投資においてエリア選定が重要だと言われる所以としては、空室リスクの回避が挙げられます。いくら建物のクオリティが高くても、不便な立地だと人が集まりにくい傾向にあります。一方、人気のある土地柄の物件であれば、「興味がある」「住みたい」と思う人が多く、入居率を高い水準で保持することも期待できるからです。その点では日本の首都である東京、さらには東京の中でも人口の7割が集中する23区内が収益物件となりやすい点は言うまでもありません。

 

ただし、一口に23区と言っても、それこそ23通りの特徴があり、同じ特別区の中でも収益の出る物件とそうでない物件が存在します。また、不動産・住宅に関する総合情報サイト『SUUMO』が発表する「住みたい街ランキング」で常に上位に名を連ねる吉祥寺などの街は、23区外ながらも別格のブランド力を誇っています。そのため、大まかな市区町村の特徴を把握することは当然として、より細分化した地域まで綿密にリサーチすることが求められるのです。

 

リサーチ方法としては、不動産投資をするうえで狙いたいエリアの候補を選定できたら、その市区町村のホームページをくまなくチェックしましょう。区域ごと、街ごとの人口推移や年齢層、今後の都市計画などの詳細を掲載している市区町村もあります。また、新しい商業施設・交通機関の情報、物件の新築情報などの傾向なども調べておくことで、今後の地価の変動を予想しやすくなるでしょう。このようにエリア選定は、入念なリサーチを重ねたうえで慎重に行うことが大切です。

 

期待が集まる都心5区や再開発エリア

2020年に東京五輪が開催される東京ですが、その特需と言えるのか特に人気が高く不動産投資において注目が集まっているのが千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区からなる「都心5区」と言われるエリアです。東京23区の中でも政治・経済・文化の中心でもあるこのエリアは、地価が下がりにくいため、不動産投資先としては最有力になります。

 

国土交通省が発表した2016年の公示地価で、銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」が1平方メートルあたり4010万円という過去最高額を記録するなど、特に中央区の動向には注目すべきでしょう。東京都の統計データによると、2016年1月から2017年1月にかけて人口が6645人増加しており、今後も他の地域からの多くの流入が期待できます。

 

また、再開発・新開発エリアも不動産投資家にとって魅力的な地域です。東京都にはグローバル企業のアジア拠点を誘致するための積極的な設備投資や規制緩和がなされた「国際戦略総合特区(アジアヘッドクォーター特区)」が設けられています。「東京都心・臨海地域」「品川駅・田町駅周辺」「渋谷駅周辺」「新宿駅周辺」「羽田空港跡地」が該当し、今後、約93万人の雇用を生み出すと算出されています。こうした地域の不動産を所有すれば高い確率で利益を上げられるでしょう。

 

地価の上昇のカギはブランド力が握る

不動産投資を行う物件があるエリアの地価が高まれば、高い収益が望めます。地価の上昇を見極める鍵となるのは、その地域の「ブランド力」です。前述した『SUUMO』の住みたい街ランキングもその指標の一つですが、多くの人に好かれ、「住みたい」と思われるエリアであることが、イコール高いブランド力を保持していると言えるでしょう。

 

特に投資価値が高いと目されるエリアでは、エリアのブランド力を保持するために交通の便・自然と住環境の調和・インフラの充実が企図された開発または再開発の方針が立てられます。たとえば2015年に二子玉川ライズ第2期グランドオープンを果たした、世田谷区の二子玉川は楽天の本社ビルが入るなど、活気づいています。単なる「住みたい街」から「働きたい街」「訪れたい街」になることも同時に目指しており、ブランド力向上に余念がありません。

 

人口の一極集中化が進む東京ですが、地価の上昇についてはブランド力があるかどうかで、変わってくることが予想されます。東京の中心である都心5区や再開発が進む地域は、今後も高い投資価値をキープすることが予想されます。そのため、エリアの現状把握は当然のことながら、都市計画やエリアのブランド力などにも目を向けるようにしましょう。

 

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