ソーシャルレンディングの仕組み
新しい資産運用の方法として注目されているソーシャルレンディング。
ソーシャルレンディングのもっとも大きな特徴は「少額の資金でさまざまな分野に投資でき、高い利回りが期待できること」といえるでしょう。
高利回りのマンション投資に興味があるけど、ローンを組むことに抵抗がある、初期費用がかかるのがネックという人は、不動産関係のファンドを投資先に選ぶことでローンを組むことなく間接的な不動産投資が実現できます。
投資先は不動産関係のほか、太陽光発電事業者やローン事業者まで、さまざまな投資先が用意されており、今まで個人には開けていなかったマーケットにも個人が参入しやすくなっているので、投資先を選ぶという楽しみもあります。
従来、企業がお金を借りる先といえば銀行などの資金力を持つ金融機関がメインでした。
しかし、インターネット上で個人投資家を広く募るソーシャルレンディング事業者は、有店舗を持たずインターネット上でサービスを展開し、コストを徹底的に削ることで多額の資金を低利息で企業に融資できる仕組みを作りました。
企業にとっては低利息で資金調達ができ、個人投資家にとっては少額から投資でき、ソーシャルレンディング事業者は2者のwin-winを低コストで叶えることができるので、結果として個人投資家が得るリターンも大きくなります。
それぞれの利害が一致した投資がソーシャルレンディングなのです。
ソーシャルレンディングのメリット・デメリット
高い利回りが魅力のソーシャルレンディングですが、利回りが高い投資にはそれなりのリスクが付き物です。
ソーシャルレンディングを始める人は、メリットだけでなくデメリットも理解したうえで投資を始めましょう。
ソーシャルレンディングのメリット
・少額から投資できる(1万円~から始められる)
・短期間で高い利回りが期待できる(融資期間が数か月~数年のものが多い)
・投資に関する予備知識が不要(融資先を決めたら後はお任せ)
・為替チェックなどの運用の手間がかからない(為替市場に左右されることがない)
ソーシャルレンディングのデメリット
・融資した企業の業績悪化などによる貸し倒れによる元本損失リスクがある
・融資期間中の資金は原則引き出し、解約ができない(資金の流動性が低い)
・融資期間が途中で変更になることがある(融資期間が長引くと、予定していた日に資金が返ってこないことも)
・投資利益に対する課税が大きい(税率20.42%。NISAやつみたてNISAなどの税優遇措置がない)
・ソーシャルレンディング事業者(企業と投資家を仲介する業者)自体が倒産した際の保護制度がない
短い投資期間で高い利回りが期待でき、投資にかかる時間が少なく予備知識で始められる反面、投資した資金を失うという損失リスクが気になるソーシャルレンディング。
ソーシャルレンディング自体がまだ新しい投資サービスのため、サービスを提供する運営事業者自体が倒産したときの保護制度がないこと、NISAなどの税優遇措置が受けられないことは今話題の仮想通貨と共通するデメリットであり、今後の法整備に期待が高まります。
※投資信託や株式を扱う証券会社は、日本投資者保護基金に加入しているため、万が一倒産しても投資家の預かり資金は1,000万円を上限として保護されます。
まとめ
少額から始められるなど、たくさんの魅力があるソーシャルレンディングですが、上述したとおり新しい投資サービスゆえのデメリットや課題点がまだまだあります。
つい先日、ソーシャルレンディング事業者最大手のmaneo(マネオ)が証券取引等監視委員会に処分勧告を受けたことも話題になりました。
処分勧告を受けた原因は、個人投資家から集めた資金を企業が事前の説明と異なる目的で流用していたことをmaneo側が見過ごしていた、いわば管理責任を問うものです、
今回の処分勧告を受け、ソーシャルレンディングの運営事業者は、より厳しい体制整備を求められることになります。
しかしながら、業界最大手のmaneoにこうじた問題が発生したことで、ソーシャルレンディング業界全体に一石を投じることになったのではないでしょうか。
ソーシャルレンディングを始める人は、こうした現況やデメリットを理解し、今後の体制整備の状況や業界の動向をチェックしながら、慎重に投資を始めましょう。