一番激しく動く傾向のある年の前半
まずは年前半(1月から6月くらいまで)の市場動向の傾向からです。
日本の株式市場の場合、本決算期が3月末の企業が多いので、多くの株式の値段は動きやすくなります。
1年通して事業活動を行ってきた企業の本決算が出るということもあり、多くの投資家の思惑的な売買が活発になる傾向があるのです。
傾向で言えば、3月期決算企業の年度末は企業が行う配当政策などもあるので投資家による配当取りの動きがみられたりと株価は上げやすくなります。
一方で、「5月に株を売れ!」という相場格言があるように、5月以降は加熱した株式市場がいったん冷静さを取り戻すことで株価が急に下げ始めることもあります。
年始めは高くなりやすく、夏場に向けて株価は落ち着きを見せ下げ始める。つまりは、年の前半(1月〜6月)は株が乱高下しやすい状況にあると言えます。
閑散の夏場から相場が落ち着き始める秋口まで
次に年の半ば(7月から9月くらいまで)。
相場の閑散期と呼ばれることの多い夏場から秋口(7月から9月末)にかけては取引の過熱感が収まり投資家も休み休みの取引になる傾向があります。
相場がこう着して動かない、いわゆるレンジ相場(レンジ相場とはある一定価格の間で行ったり来たりする状況のこと)になるケースも多くなります。
ただ、そんな閑散期にもヘッジファンドと呼ばれる一部投資家による売り仕掛けなどが問題となることもあります。
株式市場では、動かないこう着した相場状況のときに資金力のある投資家があえて相場を強引に動かすことで値動きを作り出すことがあるのです。
もちろんそのような投資家が動いたかどうかは後になってみないとわかりませんが、閑散期だからこそ彼らヘッジファンドが動くこともあるのだ、ということは認識しておいてほしいものです。
相場が上昇しやすいと言われる12月末にかけて
さて閑散期も過ぎて相場は10月へと入っていきます。
実はこの時期が株式投資の狙い目の時期と言われることがあります。ハロウィンに株を買えという格言があり、10月付近が最も株を買うに適した時期とみなされているのです。
ただハロウィンといっても実際の祝祭日であるハロウィン10月31日に株を買うのではなく、あくまでハロウィン付近である10月なかば頃から11月初めくらいを目安に株を買うと思っておいて構わないでしょう。
ちなみにアベノミクス開始後の2012年から2017年の6年間では、10月初めから12月末までにかけては市場全体の指標となる日経平均株価はすべての年で値上がりとなっています。
2018年はここまで傾向に近い値動きになっている
いまのところ2018年はここまでご説明した傾向に近い値動きになっています。
1月に日経平均株価は高値の24,000円をつけたのち、3月にかけて20,000円付近まで大幅に下落。
年度末に向けて21,500円程度まで買い戻しが入りましたが、4月、5月も文字通り乱高下の相場状況と成りました。
2018年の夏場は日経平均株価の値動きも21,500円から23,000円の価格帯で行ったり来たりのレンジ相場となっています。
一部海外の通貨状況の影響で株式市場も大きく影響を受けたものの、年後半にかけて落ち着きを見せれば、傾向通りに株式も上昇していくかもしれませんね。
※あくまで株式の値動きの傾向として参考になさってください。
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