なぜ身体を休めても脳の疲れは落ちないのか?
多くの人が「休息」とは、身体を休めることだと捉えているでしょう。そのため、十分な睡眠時間さえ確保すれば疲れから回復できると考えてしまいがちです。ところが、睡眠時間だけでは回復しない疲れがあることがわかっています。その疲れの正体が脳疲労です。
脳が過剰なストレスにさらされると、脳内で活性酸素が発生して本来の働きをしなくなります。こうした脳疲労は身体的疲労と異なりますので、身体を休めても食事をしても回復しません。
現代人は脳が疲弊しやすい環境にある!
IT革命後、多くの分野でパソコン業務が必須となり、肉体労働から頭脳労働へと移行しました。週休二日制の普及により年間や週間での休日数は増えている一方で、平日1日あたりのフルタイム労働者の労働時間は、1976~2011年にかけて少しずつ増加しており、週当たりの労働時間も増加傾向にあります。
労働時間が長ければ長いほど、脳の稼働時間も長くなっていきます。また、スマホ依存も脳に負担をかける大きな要因となっており、現代人の多くが脳疲労の危険にさらされているといっても過言ではありません。
慢性的な脳疲労が労働生産性を低下させているとの指摘もあります。加えて、脳疲労を放置すると「うつ病」に発展する危険性もあります。
こまめな休息と血流促進が脳疲労を回復させるカギ!
脳疲労かどうかは自分でも簡単にチェックすることができます。
たとえば「外出をするのが面倒である」「食事がおいしいと思わない」といった項目に該当する場合には、脳疲労である可能性が高いといえます。
脳疲労から回復するためには、脳の疲れを見逃さず血流を良くすることが大切です。「飽きる」ことは脳が疲弊していることのサインなので、1時間ごとにこまめに休憩をとった方が脳の情報処理能力を高い状態で維持することができます。
またスポーツドリンクで水分補給を行い、定期的にヨガやストレッチで血流を促すことが脳疲労の改善に役立ちます。身体を休めるだけでなく、脳にとっても優しい生活を送りましょう。