当社、編集部が独自に選んだ主要ニュース(出展:日本経済新聞)は、「①トランプ大統領、弾劾調査」「②消費税10%スタート」「③基準地価上昇」「④動き出す老後マネー」です。

①トランプ大統領、弾劾調査

2019年9月24日、米政界はもとより、世界中に激震が走りました。米野党・民主党のペロシ下院議長がトランプ大統領の弾劾に関する正式な調査を開始すると表明したのです。

ことの発端は、7月25日のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談になります。その内容は、米国の軍事支援の見返りに、ウクライナのガス会社で幹部を務めていたバイデン前副大統領の息子について調査するようにと要請したというものです。

ウクライナ問題の不正疑惑は大きく分類すると次の3点になります。

1.外国勢力に選挙支援を求めてはならない選挙資金法に違反するのか
2.軍事・経済支援の見返りとしてバイデン氏の息子の調査を依頼したのか
3.内部告発の報告義務を定める連邦法に抵触してはいないか

その後、米下院は、ホワイトハウスに召喚状を出し、国務省は、外交官の証言を延期し、また、新たに中国やオーストラリアでも疑惑が浮上しています。

合衆国憲法は連邦議会下院に弾劾訴追、上院に弾劾裁判の権限をそれぞれ認めています。大統領が反逆罪、収賄罪その他の重大な罪や軽い罪を犯した場合、下院は過半数の賛成で訴追でき、上院が裁判で3分の2の同意を得て、有罪判決を下せば大統領は罷免されます。

現在、下院は民主党、上院は共和党が多数派を占めています。

10月8日、ホワイトハウスは、トランプ大統領の弾劾調査について「憲法上無効でしかるべき手続きに違反している」と非難しました。トランプ政権の関係者は、議会が求める書類提出や証言を拒否すると断言、対決姿勢を鮮明にしました。

今後も、紆余曲折があり、弾劾裁判で有罪判決がでるとは、予想はしにくいものの、どのように進展するかを注意深く見ていきたいと思います。

②消費税10%スタート

2019年10月1日午前0時、消費税が10%に上がりました。今回の増税によって、高齢化で増える社会保障の費用を、会全体で負担する改革が、一歩前進することになります。但し、米中摩擦が終結をみず、世界経済が変調し始めた局面での国民負担の増加は、緩やかな回復を続けてきた日本経済の底力が試されることになります。

2014年の増税時は、輸出が前年比2ケタの伸びを続けており、外需が非常に力強い状況でした。ところが、今回は、米中貿易戦争の影響で、8月まで9か月連続で前年割れが続いています。内需も、来年夏の東京五輪が終わると公共事業などの関連需要が減少するという指摘もあります。加えて、頼みの綱である消費が崩れてしまうと経済は牽引役を失ってしまいます。

消費税10%時代の日本経済に必要なのは、内需を厚くする改革であります。聖域なき 改革で社会保障の持続力高めることが出来るか否か、安倍政権の底力に期待したいです。

③基準地価上昇

2019年9月19日、国土交通省が、7月1日時点の基準地価を発表しました。前年比0.4%上昇となり、2年連続のプラスでした。地方圏の商業地は、0.3%上昇し、バブル期が終わった1991年以来28年ぶりに前年を上回りました。訪日客が多く、再開発も進む中核都市が回復をけん引しました。但し、調査地点の48%が下落しており、地価の回復は、広がりをかいています。

札幌・仙台・広島・福岡の中核4都市は商業地が10.3%上昇したほか、住宅地も4.9%上昇と三大都市圏の伸び(0.9%)を上回りました。但し中核都市や有名観光地から離れてしまうと厳しい状況は続いています。

超低金利下で投資マネーが不動産市場に向かう傾向は、足元でも続いています。その象徴が不動産投資信託(REIT)です。東証REIT指数は、9月5日に2183.14と12年ぶりの高値をつけました。分配金の利回りは、約3.6%と高く国内外の幅広いマネーが流れ込んでいます。

日本の不動産市場には、海外から大型投資家の参入が相次いでいます。グリーンオーク、ブラックストーン、KKRなどの米系に加え、直近では、ドイツの保険大手・アリアンツも参入を発表しました。海外の大型投資家が、どんどん参入してくれることで、日本での 不動産取引がますます活発になることを期待したいと思います。

④動き出す老後マネー

金融庁の2000万円問題が起爆剤となって、若年層が、「貯蓄から投資」へ動き出しました。積立型少額投資非課税制度(つみたてNISA)、個人型確定拠出年金(イデコ)などで投資を始める若年層が増加しているそうです。

日本の家計金融資産1800兆円のうち、世帯主が60歳以上の家が6割以上を保有しています。20~30代は、2割程度の400兆円弱ですが、このうち1割でも投資に向かえば大きなうねりとなります。

先日、公表された公的年金の財政検証によると、日本経済のマイナス成長が続き、女性などの労働参加が進まなければ、2052年度には、国民年金(基礎年金)の積立金が枯渇してしまうそうです。今の20代・30代の若年層にとって足りないのは2000万円どころの話ではないのです。

個人的には、学生時代から、投資に向けた教育をすべきと思っております。そうすれば早くから老後マネーの準備に着手することで、人生100年時代を乗り切れると思います。