当社、編集部が独自に選んだ主要ニュース(出展:日本経済新聞)は、「①資源高騰・悪い円安」「②世界的な半導体不足」「③三越伊勢丹・不動産」「④RCEP発効」です。

①資源高騰・悪い円安

資源高騰が止まりません。まず、原油です。原油の国際相場は今年8月にブレント先物で1バーレル64ドル台まで値下がりしました。新型コロナウイルス感染が世界で拡大し、石油需要の回復が遅れるとの観測が強まったからです。ところが、原油相場はそこから急上昇し、ブレント先物で1バーレル86ドル台と7年ぶりの高値を付けました。この原油高騰には3つの要因が絡みます。

第1の要因は、大型ハリケーン「アイダ」の影響で米国が想定外の減産を強いられたことです。
第2の要因は、OPECプラスが協調減産を毎月日量40万バーレルずつ縮小する既定路線を変えなかったことです。
第3の要因は、世界的な天然ガス需給の逼迫であります。但し、天然ガスの価格は米国と欧州で5倍になりました。

このような資源高騰の影響は順次多方面に拡大しています。

燃料や光熱費、製造・物流コストの増加が始まり、インフレ懸念、米金利の上昇に繋がっています。また、日本に対しては、資源高による日本経済への「痛み」を意識した円売り圧力が強まっています。

エネルギー価格の高騰は経済活動のコストとしてのしかかり、国内需要を冷やす方向で働きます。特に日本は過去の長いデフレ経験も手伝って、インフレは本格化しにくく、利上げへの道は遠いものです。

資源価格高騰に伴い、同じ量のエネルギーを輸入するのに必要になる円売りの規模も膨らみます。景気への影響や経常収支の悪化懸念が、改めて円売りの材料として着目されるようになってきました。

今後の円相場を注視していく必要があります。

但し、ここにきて、日中米の石油備蓄の放出が決まりました。価格動向も注視する必要があります。


②世界的な半導体不足

現在、世界的な半導体不足に直面している。では、何故、半導体不足が起きたのか。それには3つの理由があります。

第一に新たな半導体需要の発生です。COVID-19パンデミックの影響で世界が閉鎖され、多くの工場も閉鎖されたため、チップ製造に必要な物資が数ヶ月間入手できませんでした。また、家電製品の需要が増えたことで、サプライチェーンにも変化が起こりました。新たな需要に対応するために十分な量のチップを作るのに苦労し、注文が山積みになっていき、受注残はどんどん増えています。

第二は対中制裁です。COVID-19がアジアを通過する際には、港が閉鎖され、時には数カ月に及ぶこともありました。世界の電子機器の約90%が中国の塩田港を経由していますが、塩田港が閉鎖され、数百隻のコンテナ船が停泊していました。港が再開されると、出荷を待つ商品が積み重なり、やはりスムーズな供給とはなりませんでした。輸送のサプライチェーンの多くの部分では、この蓄積された情報や、発生している労働力の不足を処理する能力がなく、サプライチェーンはさらなる危機に陥っています。

第三は増産投資の不足です。COVID-19がスタートした当時、多くの企業が経済の長期的な打撃を想定して半導体チップの発注をキャンセルしました。特に自動車メーカーが注文をキャンセルしたため、半導体チップメーカーはパンデミックによる爆発的な需要に対応するため、自動車用ではなく民生用の半導体チップを作るように工場を変更しました。そのため、今度は自動車用の半導体チップが不足してしまったのです。

以上のような理由で、日本においても代表的産業である自動車業界が苦戦しています。

トップのトヨタは、10月の国内新車販売台数は前年同月比42%減の8万1822台、米国は同28.6%減の14万6670台中国は同19.2%減の14万2000台でした。

このような状況下、日本政府は半導体の安定調達を目指し、世界最大の半導体受託生産会社である台湾のTSMCの誘致に力を注いできました。その結果、日本での初めての工場を熊本県に建設することになりました。日本政府は数千億円の補助金を通じて、建設計画を支援する方針であります。12月に開く臨時国会に関連の改正法案を提出する予定で、半導体需給が逼迫した際、日本への優先供給などの条件が盛り込まれます。


③三越伊勢丹・不動産

三越伊勢丹ホールディングス(HD)は百貨店事業中心の収益構造の見直しを開始します。営業利益の約6割を占める同事業の比率を2031年3月期までに5割に下げて、残り5割を不動産・金融で稼げる構造に転換していきます。同業の高島屋は既に百貨店事業の利益構成比が4割を切っており、三越伊勢丹は相対的に百貨店への依存が強かったのです。

不動産ビジネス強化のモデル店が松山三越です。今秋から12月にかけて順次改装オープンする地上8階、地下1階建ての同店では6~8階から百貨店機能を完全に撤退させ、テナントが店舗面積の半分を占めるようになります。

テナントの誘致にあたっては自社カード会員の顧客層の厚さが武器になります。三越伊勢丹の会員数は約290万人に達しており、同業他社よりかなり多い強力な武器になります。

優良な顧客基盤を生かし、松山三越では東京の著名スーパーやフィットネスクラブ、高級ホテルなどを誘致しました。カード会員らを対象に資産形成のアドバイスや金融商品の提案も進めていきます。

また、自社アプリも積極的に活用し、カードとアプリ会員を合わせて1000万人規模と老舗百貨店では最大級の顧客基盤のデータを基に、テナント開発に生かしていきます。

最大手の三越伊勢丹で不動産ビジネスの強化が鮮明になることで、業界全体の事業モデル大転換が大詰めを迎えることになるのではないでしょうか。


④RCEP発効

日中韓や東南アジア諸国連合など15ヵ国が参加する地域的な包括経済連携(RCEP)協定が2022年1月に発効します。外務省が11月3日に発表しました。

世界経済の3割を占める巨大な自由貿易圏がアジアに誕生します。日本にとっては中国、韓国と初めて結ぶ自由貿易協定(FTA)が動き出します。オーストラリアとニュージーランドが11月2日、RCEP協定の批准手続きを終了しました。

同協定ではASEAN15ヵ国のうち6ヵ国、その他5ヵ国のうち3ヵ国が批准してから60日後に発効すると規定されています。既に日本や中国など8ヵ国は批准を終えています。この8ヵ国にオーストラリアとニュージーランドが加わり、22年1月1日にまず10ヵ国で協定が発効します。

RCEPは世界全体のGDPや貿易額で3割程度を占めるメガFTAとなり、約9割の品目で関税が段階的に撤廃されます。

日本政府は協定発効に伴う関税撤廃・削減などで部品や素材の輸出が増え、日本の国内総生産(GDP)を約2.7%押し上げる効果があると試算しています。経済効果では米国が抜けた環太平洋経済連携協定(TPP)を上回ります。我が国としては、RCEP協定の発効を歓迎しています。

これにより、世界の成長センターであるこの地域と我が国とのつながりがこれまで以上に強固になり、我が国及び地域の経済成長に寄与することが期待されます。



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