年金の基礎知識
老齢年金には老齢基礎年金と老齢厚生年金がある
老齢基礎年金とは、国民年金に加入していた人が老後に受給できる年金です。原則20歳から60歳までの人であれば誰でも国民年金に加入しています。
老齢厚生年金とは、厚生年金に加入していた人が老後に受給できる年金です。株式会社など法人の事業所で勤めていれば厚生年金に加入しています。
そして厚生年金に加入している人は、未成年であっても必然的に国民年金に加入しています。
老齢年金を受給するための条件
老齢基礎年金を受け取るためには、平成29年8月1日以降であれば国民年金に最低でも120ヶ月(10年)加入する(国民年金保険料を納める)必要があります。
平成29年7月31日以前は300ヶ月(25年)の加入期間が必要でした。ただし、金銭的に厳しい場合には免除申請をすることで、その免除期間も国民年金に加入していたとみなされます。
これらの加入期間を以て、老齢基礎年金の受給資格が手に入ります。
老齢厚生年金を受け取るためには、老齢基礎年金の受給資格があり、且つ厚生年金へ1年以上加入していることが条件になります。
年金は60歳からでも受給できる
平成30年4月11日、財務省の財政制度等審議会において、将来的に年金の支給開始年齢を68歳に引き上げる旨の資料が用いられ議論の対象になりましたが、平成30年5月時点の制度では、原則65歳から受給できることになっています。
しかし、繰り上げ受給や繰り下げ受給によって60歳でも70歳でも受給することが可能です。
65歳よりも早く受給できる繰り上げ請求をすると、「0.5%×繰り上げ請求月から65歳になる月の前月までの月数」が減額されます。
つまり、本来の年金額100万円の人が60歳で繰り上げ請求をした場合、この先ずっと70万円しか受給できないということです。
逆に65歳よりも遅く受給する繰り下げ請求をすると、「65歳に達した月から繰り下げ申出月の前月までの月数×0.7%」が増額されます。
つまり、本来の年金額100万円の人が70歳に繰り下げ請求をした場合、この先ずっと142万円を受け取れるということです。
尚、老齢厚生年金のみを単独で繰り上げ受給することはできません。
本来の金額の求め方
老齢基礎年金と老齢厚生年金に分けて計算方法をお伝えいたします。
老齢基礎年金の計算方法
平成30年度の満額である779,300円をもとに計算します。20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)、免除申請等せずにしっかりと納付していたのであれば、下記の計算をせずとも老齢基礎年金の受給額は、779,300円になります。
<STEP1>
A=平成21年3月までの4分の1免除月数×5÷6
B=平成21年3月までの半額免除月数×2÷3
C=平成21年3月までの4分の3免除月数÷2
D=平成21年3月までの全額免除月数÷3
E=平成21年4月以降の4分の1免除月数×7÷8
F=平成21年4月以降の半額免除月数×3÷4
G=平成21年4月以降の4分の3免除月数×5÷8
H=平成21年4月以降の全額免除月数÷2
I=A+B+C+D+E+F+G+H
<STEP2>
J=(免除申請等をせずきちんと納付していた月数+I)÷480
<STEP3>
老齢基礎年金の年金額=779,300円×J
老齢厚生年金の計算方法
平成30年度における老齢厚生年金について説明いたします。会社員等で厚生年金に加入していた人は、ここでの計算も必要になります。
昭和36年4月1日以前に生まれた男性、昭和41年4月1日以前に生まれた女性は、下記の計算結果に加えて、特別支給の老齢厚生年金として定額部分や報酬比例部分を60歳から65歳の間で受け取ることが可能になります。また、経過的加算については考慮しないものとします。
<STEP4>
K=平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月までの加入期間の月数
平均標準報酬月額を厳密に求めるのが難しい場合には、平成15年3月までの各種手当を含めた月給の平均額と考えてください。ただし、ボーナスは含みません。
<STEP5>
L=平均標準報酬額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入期間の月数
平均標準報酬額を厳密に求めるのが難しい場合には、平成15年4月以降の各種手当およびボーナスを含めた月給の平均額と考えてください。
<STEP6>
老齢厚生年金の年金額=K+L
老齢年金合計額
<STEP3>で求めた老齢基礎年金の年金額と<STEP6>で求めた老齢厚生年金の年金額を合計したものが、あなたの老齢年金予定額です。
この金額を1年間で受け取ることになります。計算が難しい場合には、年金事務所や街角の年金相談センターまで問い合わせてみましょう。
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