プログラミング教育が2020年から小学校でも必修科目となることが確実視されています。そのような中、子どもを取り巻く教育環境はどう変化していくのでしょうか。必修化の背景と、導入に向けての親のかかわり方から考えていきましょう。

小学校におけるプログラミング教育必修化のねらいは?

現代人の生活にはなくてはならないIT技術ですが、学校教育にも大きな影響を及ぼしています。ついに2020年から小学校でプログラミング教育が必修化されようとしているのです。

必修化のねらい、そしてどんなメリットがあるのでしょうか。

(1)論理的思考力が身につく
プログラミングでは、コンピュータに指示を出すというきわめて論理的な思考力が必要です。つまり、論理的思考力を身につけるということは、きちんと筋道を立てて考える力がつくのです。

また、コミュニケーションにおいても論理的に筋道立てて話すことで、わかりやすい表現で相手に伝えることができます。

(2)問題解決能力が身につく
プログラムが、思い描いていた動きと違っていたり、エラーになってしまったりするのはよく起こる問題です。

トラブルを解決するためには、論理的に欠けている箇所はどこか原因をつきとめ、解決できるように修正していかねければなりません。

「なぜなのか」と自問自答して解決策を練る作業を粘り強く繰り返すことは、問題解決能力を養うことにつながるといえるでしょう。

(3)自由な想像力が伸ばせる
プログラミングでは、指令という小さな集合体を順に並べていきますが、どのように指令を出すかによって、可能性は無限に広がります。

この作業は、間違いなく子どもの想像力をかきたててくれることでしょう。

(4)将来社会で役立つ人材に
欧米などの先進国をはじめとする世界各国で義務教育にプログラミング教育を取り入れようとする動きが広まっています。

その背景には有能なIT技術者が不足しているという事情があるといわれているのです。人材不足は日本でも同様で、経済産業省が発表した調査結果によると、2020年には先端IT人材が4.8万人不足すると予想されています。

このような背景からIT技術における人材育成が急務となり、文部科学省でも小学校でのプログラミング教育必須化を推し進めているところです。

学年によって、生活や図工、総合的な学習の時間を利用したプログラミング教育が予定されています。小学校のうちからプログラミングに親しんでもらおうというねらいがあるようです。

プログラミング教育の必修化に対する親の考えとは!?

プログラミングの必修化は子どもや国の将来を考えると必然的なことだといえるでしょう。しかし、実際に子どもが学校でプログラミングを学ぶことに、親の不安はないのでしょうか。

そもそも親の世代では習わなかったプログラミングをどう子どもに興味を持たせるのか、難しいところがあるでしょう。

実際、多くの親は子どもにプログラミンを習わせることは必要だと考えているようです。インターネット調査によると6割以上の親がプログラミング教育を評価しています。

一方で、「難しすぎるのではないか」「教えられる教員の数が足りないのではないか」など必修化を心配する声も挙がっています。

そのような中、習いごととしてプログラミングを習わせたいという親も増えているのが現状です。必修化だけでなく子どもの将来を考えた上で、選択肢のひとつとして検討してみるのもよいでしょう。