裸眼のように、メガネやコンタクトレンズを装着することなく視力を取り戻せるレーシック手術。 有名人やスポーツ選手がレーシック手術を受けたという話が広まり、一般の人たちも視力矯正の手段として選ぶ人が増えてきました。 しかし、レーシック手術はまだまだ手術費用が高額なばかりでなく、保険が適用されないケースもあります。 わずらわしいメガネやケアの必要なコンタクトレンズを手放すためにレーシック手術を受けたいと思っていても、費用面で悩む人が少なくありません。 ここでは、レーシック手術の手術費用と保険やお金についてご紹介します。

レーシック手術はなぜ高額なのか

ここ数年で、レーシック手術をしたという人を見かけるようになりました。レーシックが日本で始まった2000年頃は100万円以上の手術費用が掛かっていましたが、2006年頃からレーシック手術を扱う眼科や美容外科が増えたことで価格が一気に下がりました。それでもレーシック手術の相場は現在20〜30万円です。

医療費としてレーシック手術が高額なのは、医療機関がレーシック手術機器を導入する際の減価償却費やランニングコスト、医師や看護師の人件費、競合他社に打ち克つための広告宣伝費に大きな費用が掛かるといった背景があります。

入院もなく病院の窓口で支払う医療費として20〜30万円はかなり高額です。もし健康保険が適用されればもっと安くレーシック手術が受けられると思うかもしれません。

レーシック手術は自由診療で保険適用外

レーシック手術は健康保険が適用されず、自由診療の扱いとなっています。したがって、30万円の医療費が掛かった場合、保険の自己負担額のみでなく全額を支払わなければなりません。保険が効かないため、健康保険の高額療養費制度も使えません。

高額療養費制度とは入院や手術でまとまった医療費を負担しても、あとから健康保険に申請すれば所得に応じてお金を払い戻してもらえる制度です。しかし、健康保険そのものが適用されないので、高額療養費制度も残念ながら使うことはできないしくみになっています。

民間の医療保険や生命保険なら保険金が出ることも

一般の生命保険会社が販売している医療保険や生命保険に契約していると、契約内容によってはレーシック手術に対して手術給付金が支給される場合があります。

手術給付金の相場は3万円から10万円程度ですが、保険会社によっても保険商品や加入時期によっても支給される場合、支給されない場合、支給されても金額に違いがあるなどさまざまです。

レーシック手術をしてから実は手術給付金が出なかったということないように、事前に保険会社へ問い合わせておきましょう。

なお、医療保険や生命保険の手術給付金を請求するには、レーシック手術を受けた医療機関の医師による診断書が必要です。加入している保険が手術給付金の対象であると確認したら、保険会社に所定の診断書の用紙を送ってもらい、病院窓口に提出します。

病院にもよりますが診断書料の相場は5,000円です。医師から診断書を受け取ったら保険会社に送付すると審査の上、保険金が振り込まれます。

医療費控除の対象だから節税できる

ここまで、健康保険では自由診療のためレーシック手術の費用は安くなりませんでしたが、医療保険や生命保険では手術給付金が出る場合があるとわかりました。次に、確定申告の際に医療費控除の対象になるかを見ていきましょう。

レーシック手術の手術代は医療費控除の対象になります。暦年の1年間(1月1日から12月31日にまで)で支払った医療費に金額に応じて所得控除できる制度が医療費控除です。

確定申告のとき、1年間で支払った医療費から給付された保険金を引き、さらに10万円(1年間の総所得200万円未満なら総所得金額の5%)を差し引いた金額を所得控除できます。

つまり、総所得200万円以上の人がレーシック手術代が30万円で給付保険金がない場合、30万円-0円-10万円=20万円が控除額となります。

例年2月から3月に掛けて行われる確定申告でレーシック手術費用を医療費控除にすれば、所得税や住民税などで節税効果が生まれるのです。

レーシック手術費用は健康保険適用外のため医療費を全額負担する必要がありますが、医療保険や生命保険の給付対象になる場合があります。

また、確定申告で医療費控除を利用すると、節税対策にもつながります。相場20〜30万円と高額な手術代に足踏みしている人もいるかもしれませんが、レーシック手術と保険や税金の関係を知ることで一歩踏み出すきっかけになればと思います。

 

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