こんにちは、ファイナンシャル・プランナー山本です。 最近では仮に結婚しても夫親と同居する習慣が廃れた事も一因で、介護離職が社会問題になっています。そして一度長く離職してしまえば、本人の年齢も手伝って正社員での復職は困難なのが現実です。 とはいえ、介護離職は正社員のリストラや会社倒産に比べれば、予測可能な未来といえるでしょう。そこで今回は、そんな介護離職への対策についてお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。

最優先の対策は「親との話し合い」

まず最優先すべきは「親との話し合い」です。

お金の事というのは、たとえ親子間であっても話し合いにくいものですが、少なくとも子どもの立場なら、ある程度の親の経済力や資力は分かるでしょう。

そこから自身の介護離職の可能性は判断できるハズです。

その上で可能性があるようなら、「実際に介護が必要になった時にどうするのか」について、親や兄弟姉妹で事前に話し合っておく事が大切になります。

ちなみに親の中には、色んな感情が邪魔をして強がり、ギリギリまで事情を明かさない方も多いので、注意が必要です。

なお、統計的な観点で言えば、「十分な貯金がある高齢世帯」は全体の2割程度しかいないので、基本的には何らかの介護支援が必要になると考えておいた方が無難といえます。

また特に、最近の健康寿命は80歳とされているので、この年齢を目安に準備を進めておくことが重要です。

上策は「施設入居(費の準備)」

次に、具体的な対策としては「施設入居費の準備」がお勧めです。

親の中には、我が子の介護を希望する方も多いものなのですが、本当に介護で離職してしまうと、あなたの人生が危うくなります。

それだけに直接的な介護面ではなく、間接的に介護費用で親を支えましょう。

ちなみに昨今では様々な老人ホームがあり、利用料も施設や地域によって様々なので、具体的に「将来どの施設に入れるか」を考え、調べた上での準備が大切といえます。

なお、一概には言えないものの、入居金で1,000万円、月の利用力で20万円程度が多いでしょうか。

そして介護支援をする頃には、親の貯金が尽きている事も多いので、親の年金部分以外の全てを負担する前提で準備を進めておくことが大切です。

一人っ子の場合には負担が大きくなりますが、それでも仕事を失うことに比べればマシでしょうから、がんばりましょう。

介護離職も想定した副業準備を

そして、準備が間に合わない可能性も考えた上で「副業準備」をする事も大切です。

いくら介護をするための離職といっても、介護は育児と違って一日中、目が離せないものではありません。空き時間を使って自宅でできそうな副業を、できれば離職前に手に入れましょう。

ちなみに同種の理屈から、副業ではなく「資産運用」で、利益を出す方向性もアリです。

まとまった利益を出すには、相応の貯金、またはデイトレーダー並みの知識や経験が必要ですが、それを離職前までに準備すれば良いといえます。もちろん簡単ではありませんけどね。

あるいは、そういった準備すら間に合わない場合には、介護が大変な中ではあるものの、何らかの復職に向けた「資格取得」を考えるのも一つの手段です。

幸か不幸か、介護は比較的長期に及ぶことも多いので、勉強時間としては十分に確保できるのではないでしょうか。

直前に焦っても手遅れ!前倒しで対策を

いずれにしても総じて、介護離職に対する対策というのは、必要になったり、直前になったりしてから焦っても手遅れと言わざるをえません。

しかも介護離職には、教育費に対する奨学金のような「ひとまずの救済措置」も、ほとんどないため強い注意が必要といえます。

しかし一方で冒頭でも触れた通り、介護離職は教育費と同じく「事前に予測が可能な出来事」です。

子どもが産まれたら大学費用が必要なのと同じく、すでに親が亡くなっていない限り、介護の可能性は出てきます。

ぜひ前倒しで準備に励みましょう。

もっとも、最近では非正規雇用も増えているため、あなた自身もそんなに余裕がない可能性も高いですが、だからこそ常日頃からの対策が必要といえます。

とどのつまり、最終的には「お金」さえあれば何とかなる訳ですから、常に年収を高める努力を重ね続けましょう。

厳しい時代だからこそ明確なライフプランを

昨今は、全ての世代から苦しみの声を頻繁に聞くような厳しい時代と言わざるをえません。そしてだからこそ、明確なライフプランを元にした堅実な歩みが何より大切です。

「こんなことになるとは思わなかった」と人生を後悔しないためにも、賢く人生を歩みましょう。

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山本FPオフィス代表(山本昌義)CFP® 主に比較的若い方の恋愛面・経済面のご相談を承っています。また独立FPとして10年を経過したのを機に、後輩FPの育成にも力を入れています。詳しくは以下のリンクから当オフィスサイトをご確認くださいませ。 山本FPオフィス:http://yamamotofpoffice.com/