「読心術」は、顔の表情やからだの筋肉の動きから、直感的にあいての心の中を読み取る術です。(出典:小学館「デジタル大辞泉」)読心術を身につけて、それを応用することで相手の感情をある程度はコントロールできるようになるということです。

読心術でコミュニケーションを円滑に

メンタリストのDAIGOさんの出現もあって、読心術がかなり注目されてきています。

読心術を身につけると、ビジネスの場や生活全般でのコミュニケーションをより円滑にし、自分に有利に進めることができるため、仕事の成果も上がるでしょう。

人の心を読むことができるので、その場面の相手の心理状況をくみ取ることができ、その場の心理状態に適した対応をすることができるようになるのです。

人の心を読むことができると、相手の心理を操作することが可能になります。つまり、読心術をマスターすれば、ビジネスにも大いに役立ちますね。

読心術を身につければ、「百戦あやうべからず」

「孫氏の兵法」で知られる中国の孫子の名言、「彼を知り、己を知れば、百戦して危(あや)うべからず」とあります。

勝ち続けるには、相手だけではなく、自分自身のことも知る必要があるということを言っていますが、とにかく「相手を知ること」はビジネスにおいて重要なことです。

相手との距離を縮めて親しくなれるための方法、そしてその上で自分の話に興味を持ってもらえるためのポイントを学んで、ビジネスの場で生かしていきましょう。

以下、そのためのポイントをお伝えします。

「目線」

「目は口ほどにものを言う」「目は心の鏡」といわれるだけに、人の心の状態は、特に目に表れやすいです。それほど目は、相手の心理を探るための重要な箇所ですね。

相手の目線がどちらに向いているかによって、相手の心理・考えていることがわかります。目線が左に動いている時は、相手が記憶をたどって思い出しています。

これに対し、目線が右に動いている時は、アイデアを思い描く、あるいはウソをついていることがあります。

ウソをついている人の目は、視点が一点に定まらず、泳いでいるといいますね。

実際にウソをつく時は、つじつまや論理が合うように左脳で考えるため、目もそれに合わせて左脳がある右にいくからです。

人と話す時に、本気で言っているかどうかを見抜くためには相手の目線をチエックするといいです。

「唇」

実は、目以上に感情が出やすい箇所です。

唇をかみしめる、唇をすぼめるなどをしている時は、相手が緊張しているか、または不機嫌な状態です
そのため、そのような状態の時にはリラックスさせるための働きかけをしてあげましょう。

相手をリラックスさせるために、相手の興味を引きそうな話題を出し、心を和ませて唇がゆるむように誘導をしていきます。

反対に、唇を舐める、触るなどしている動作は話に関心を持っているというサインです。このサインが出たら、自分のビジネスの話を進めていきましょう。

話をしている時に、相手の手のひらの向きが上を向いていてあなたから見える場合は心を開いている状態です。
反対に、手のひらが下向きになっていて見える、または手をぎゅっと握りしめている時には心が開いていないため、リラックスさせる働きかけをし、心を開いてから話を始めていくことが必要です。

相手の手のひらを観察しつつ、自分の手のひらも上に向けて相手に見せていくのが良いでしょう。

「手の内が見える」という言葉があるように、こちらに対してオープンな心の状態にある人は手の中を見せてくれます。

まぶた

まぶたの状態を見て、「まばたき」が多い場合は、緊張状態か動揺している心の状態です。相手のまばたきが多い時は、冗談を言って場を和ませてあげ、相手がリラックスできるようにしてあげましょう。

自然に現れる体の動き

次に、心理状態が自然に現れる体の動き、動作を見ていきます。

体の向き

体の向きがまっすぐになっている時は、話の内容に良いとも悪いとも思っていないニュートラルな心の状態です。

こちらの話を中立の立場で聞いていると考えて良いでしょう。あごを突き出すように顔を上げている姿勢になっている時には、相手の心理状態は優越感を持っているか、尊大な気持ちになっています。

手や体の動き

話をしながら落ち着きなく、手や身体をもぞもぞと動かし、ゆすっているような動作が出るのは、ウソを隠すための動作です。

相手が隠し事をしている時、自然に出てしまう動作です。

相手にこういった動きがある時は、相手の話がウソかどうかを試しにチェックしてみてください。

この動作をする人の心理が一度わかるようになると、かなり簡単にウソが見破れるようになるでしょう。

頭の傾き

頭を左右どちらかに傾いている時には、首やのどが露出するので威圧感がなくなり、相手に対して従順な感じを持っています。

このポーズは、「母親の肩に頭をもたせかけている赤ん坊の姿勢から来ていると考えられています。相手の方が何かに興味を持っている時には首を傾げるしぐさをします。

うつむいている姿勢

うつむき加減にあごを下に向けている場合や、上目づかいでこちらを見ている時は、あなたに対して否定的・攻撃的なメッセージを発しています。

さらに、うつむく姿勢に腕組みがプラスされている場合は、批判的な感情を表しています。

このような時には、相手が顔を上げてまっすぐ前を向いてくれるまでは話の本題には入らずに、相手の興味がある話題を投げかけて、心を開いてもらうように働きかけましょう。

首をすくめるポーズ

これは、人間の弱い部分である首を攻撃から守る姿勢です。

人間関係や、ビジネスの場で首をすくめるポーズをする時は相手からの攻撃を避けて服従しようとするか、または謝罪の気持ちを表しています。

他人の前をやむなく横切る時、ほとんどの人が無意識に首と肩を下げて自分を小さく見せるような動作をします。
これは、目上の相手に対してや立場が上の相手に力関係の違いをはっきりさせたい心理を表しています。

糸くずやほこりを取る動作

相手の話や意見が気に入らないような場合でも、そのことを表立って出したくない時には何かを取り除こうとするしぐさが無意識に出ます。

このようなしぐさは、話の流れとは一見無関係に見えますが、本心では反対意見を持っている時に何かを取り除こうとする動きをし、相手と目を合わせないように視線を下の方に落すようにしているのです。

口では賛成していると言っていても、ホンネは相手の話を受け入れていないことが一目瞭然です。

そのため、相手が糸くずを取り始めたら、「あなたはどのように思われていますか?」と質問し「何かご意見があれば、率直な意見を利かせていただけないでしょうか?」というように突っ込んで相手の正直な意見を引き出す働きかけをしてホンネを引き出すよう努めることが大切です。

相手が自分との間に物を置いて座る

古代、男性は敵の攻撃から身を守るため、盾を使っていました。そのため、現代においても、言葉や力での攻撃に備えて、手近にあるものを相手と自分の間に置くようにして、それを盾の代わりにして、自然に身を守ろうとしています。

椅子を逆向きにして座る人がいますが、そのように座るのもこういった防御の心理状態の表れです。

机を隔てて座ることや、椅子を逆にして背を盾にして座る人はこちらに対して攻撃的・支配的になっています。

また、椅子の背を前にして座る場合、股を大きく開くことになるため、必然的に地位を上に見せようとして強がっているしぐさになります。

本当はその場を支配したいと感じている人がこちらの話に退屈しているため、自然にこの体勢になって座っていることが多くあるのです。

 

いかがでしょうか?

以上のように、相手がリラックスしているのか、緊張状態なのかを見破るためには注意深く、相手の表情や動作を観察することが重要です。

緊張した相手をリラックスさせてあげると、あなたの好感度が上がり、コミュニケーションが円滑になり、良い結果に結びついていきます。相手が関心を示すことを探るためにも相手のことをよく観察しましょう。

様々な場面での相手の動作の意味を知っておくことで、相手の心理が分析できて、それに対しての的確な対処ができるのです。

読心術を学べば、相手の心理操作をもできるようになります。

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