当社、編集部が独自に選んだ主要ニュース(出展:日本経済新聞)は、「①日銀総裁に植田氏、初の学者起用、元審議委員」「②マンション価格、6年連続で最高、昨年の全国新築」です。

①日銀総裁に植田氏、初の学者起用、元審議委員

政府は日銀の黒田東彦総裁の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を固めました。そして、2月14日に人事案を提示しました。所信聴取、衆参両院の同意を経て、内閣が任命します。また、副総裁には、氷見野良三前金融庁長官、内田真一日銀理事を起用します。

当初、黒田氏の後任総裁として、雨宮副総裁に打診しましたが、同氏は辞退しました。起用内定のニュースが流れた直後、植田氏は記者団に対し「現在の日銀の政策は適切。現状では金融緩和の継続が必要だ」語りました。

初の経済学者出身の日銀総裁となります。日銀と財務省(旧大蔵省)の出身者の起用が続いており、民間出身は三菱銀行出身で1964年に就任した宇佐美洵氏以来となります。

植田氏は静岡県出身。筑波大付属駒場高から東大理学部へ進み、1974年に卒業しました。1980年・米MIT博士、1993年・東大教授、1998年から2005年まで日銀審議委員を務め2005年に東大に戻り、2017年に退官。現在は共立女子大学教授。国際的な経済学者である植田氏は、海外の中央銀行との円滑な対話が期待できます。米FRBのイエレン前議長やバーナンキ元議長のように、世界では学者出身の中銀トップは珍しくありません。

副総裁候補の氷見野氏は、富山県出身。1983年東大法学部を卒業後、大蔵省(現財務省)に入省。2016年金融国際審議官、2020年金融庁長官、2021年に退官しました。

もう一人の候補、内田氏は、東京都出身。1986年東大法学部を卒業後、日銀に入行。新潟支店長を経て、2012年企画局長、2017年名古屋支店長、2018年から理事。

黒田総裁が就任直後の2013年から始めた異次元緩和は円高是正などで効果はあったとされるが、市場機能の低下や財政規律の緩みといった副作用も招きました。次期総裁は政府と緊密に連携し日本経済や金融市場へのショックを避けながら、金融政策を正常化に導くことが使命となります。

政策面では、長期金利を一定の範囲に抑え込む長短金利操作の修正の是非が当面の焦点となります。

金利の上昇圧力が高まるなか、日銀は2022年12月に長期金利の許容変動幅を0.25%から0.5%に広げました。国債の買い手がほぼ日銀だけという異常な事態となっており、変動幅の再拡大や同政策の撤廃などに踏み込むか次期総裁の判断に注目が集まります。

衆院・参院での所信聴取で植田氏は、「情勢に応じて工夫を凝らしながら、金融緩和を継続することが適切だ」と表明。その上で、「物価安定の達成というミッションの総仕上げを行う5年間としたい」と意欲を示しました。

黒田東彦総裁の下で進めた10年に及ぶ大規模緩和策の効果について「現在の金融緩和は、メリットが副作用を上回っている」との認識を示しました。大規模緩和からの「出口戦略」を検討する必要があることも念頭に、「誰がやっても難しい厳しい状況だ」と指摘。「過去の日銀での政策担当の経験、学者での経験を生かし、そのチャレンジングな課題に挑んでみたい」と強調しました。

※米MIT=米マサチューセッツ工科大学
※米FRB=米連邦準備制度理事会

②マンション価格、6年連続で最高、昨年の全国新築

全国の新築マンション価格が6年連続で過去最高を更新しました。

不動産経済研究所が2月21日に発表した2022年の全国の平均価格は前年比0.1%高い5121万円でした。10年前と比べると約1300万円高い水準です。都心部の物件の高騰が目立っています。

東京23区の物件はこの10年で約3000万円上昇しました。富裕層や海外投資家の購入意欲が旺盛な一方で、一般層には手が届きにくい状況が強まっています。

地区別でみると、首都圏が6288万円と前年比0.4%上昇したほか、近畿圏は1.6%高い4635万円でした。

他の中核都市では仙台市が4661万円(2.8%上昇)、広島市が4455万円(2.1%上昇)、福岡市が4228万円(3.2%上昇)と前年実績を上回りました。駅前や中心部にある高層マンションが価格を押し上げました。

2022年に注目されたのは、三菱地所レジデンスなどが東京都千代田区で手掛けた「ザ・パークハウス グラン三番町26」(総戸数102戸)で平均価格は3億円を超えます。JR埼京線十条駅前の「ザ・タワー十条」(578戸)やJR横浜駅近くの「ザ・ヨコハマフロントタワー」(459戸)、JR大宮駅近くの「大宮スカイ&スクエア ザ・タワー」(522戸)も人気を集めました。

新築マンションはこの10年の上昇幅が大きく、一般所得者層にとって「高値の花」の状況が続いています。

全国の平均価格は約1300万円(33.9%上昇)上がりました。安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」効果のほか、新型コロナウイルスの発生で住まいや働き方の多様化が進んだ点が需要を促しました。

地区や都市別でみると、東京23区は12年と比べ2950万円上昇の8236万円となり、首都圏は38.5%高い6288万円でした。

札幌市は5022万円(70.9%上昇)、仙台市は4661万円(37.0%上昇)、名古屋市は3587万円(3.9%上昇)、近畿圏は4635万円(34.8%上昇)、広島市は4455万円(38.8%上昇)、福岡市は4228万円(53.4%上昇)となりました。

マンション用地や人件費が高騰したほか、円安などを背景に資材価格も高くなっています。不動産各社は値下げをせず、時間をかけて販売する戦略にカジを切っており、価格は下がる兆しが見えません。

全国マンションについて、今後も「戸数減・価格上昇」の傾向は続いていく公算が大きいです。中でも、平均価格については23年が一段と高騰する一年と予想されています。

注目物件は三井不動産レジデンシャルと三菱地所レジデンスが東京都港区で開発する「三田ガーデンヒルズ」です。2月に第1期販売を実施し、総戸数1002戸のうち320戸ほどを発売。1坪(約3.3平方メートル)当たりの平均価格は約1400万円だったといいます。最も高い部屋は45億円でした。

共働き世帯の増加や低金利環境の持続が購入の支えとなっていますが、物価高などもあり慎重姿勢に転じる消費者も出始めました。在宅勤務の定着で広さを重視する傾向も強くなっています。サラリーマンの間で人気の街や物件はどこなのでしょうか。

ライフルホームズ総研の中山登志朗チーフアナリストは「都心に行きやすい路線があり、広さや価格の面でもコスパの良い街に関心が集まっている」と説明しました。都心の高額物件の人気も根強いが、全体的に堅実志向が見られます。

物件検討者は新築のほか、中古や賃貸物件なども選択肢に入れて住まい探しを進めている。新築マンションの注目点として、不動産経済研究所の松田忠司上席主任研究員は「価格上昇にどこまで顧客がついてこられるかだ」としており、顧客心理の変化がカギを握ります。