ビジネスの場においても、人間関係を作ることがとても難しいと感じている人が多いようです。 それは、なかなか伝えるべき内容を伝えられずにためてしまうことが多いからです。 伝えたいこと、言いたいことがある場合、相手にどのように伝えれば、良い関係ができるのでしょうか? 今回は、伝えにくいことをうまく伝えるための技術について解説致します。

言いたいことを伝えることは難しい?

言いたいことを伝えるためには、相手との人間関係を対等にし、信頼関係をしっかりと築いていることが重要になってきます。

相手に「なんとなく言いづらい・・」と思って、言いたいことを我慢するようにしてしまうと、それが積もり積もって自分の気持ちにフタをするようになってしまいます。

そして、いつの間にか言いたいことが言えなくなってしまいます。

何故、なかなか言いたいことが言えないのか? それは「人から嫌われたくない」という意識が強すぎるからです。

言いたいことを伝えるためのコツ

何とか言いたいことをストレートに伝えたい!と思う方も多くいらっしゃることでしょう。

人間関係を悪化させないためには、言うにしても伝え方が大切になってきます。人に伝えるときは、伝え方を少し変えただけで全く違って相手に伝わります。

そのため、言葉をよく考えてから言うことが必要になります。

相手にこちらの言うことをわかってもらうためには、「言いたいことをきちんとわかりやすく伝えること」が重要なポイントです。

誰でも、相手から嫌われたくはないですから、どうしたら相手に伝えたいことが正確に伝えられるのかを整理して伝えましょう。

「整理する」のに効果的な方法として、「メモ書き」のスキルがありました。

参考記事

論理的思考力を身につける!「メモ書き」を活用し脳をバージョンアップさせよう!

「メモ書き」をちょっとした時間に書いてから、内容を相手に伝えるというのも効果的な方法のひとつです。

相手と対等な人間関係を築くために

繰り返しになりますが、相手と対等な人間関係を築くために、相手への要求をできるだけストレートに伝えることが必要です。

変に婉曲的に伝えようとしたり、オブラートに包んで間接的にわかってもらえるようなフレーズを言ってみても、なかなかストレートには伝わらないということが多いのです。

その結果、お互いの関係がギクシャクしてしまいて、関係が壊れてしまうということもあるでしょう。

すれ違いを防ぐために、たとえ相手に言いにくいことであったとしても、こちらの要求をはっきりとストレートに相手に伝えることが大切です。

そして、そのように伝えられるように、それまでに相手と対等な関係を築いておくことが必要だとする考え方があります。

そして、そのために必要なこととして、相手との「適度な距離」を保つことです。

「適度な距離」を保つことが必要な理由は、近すぎると客観的に相手が見えなくなるし、遠すぎると相手のことが全くわからないままになってしまうからです。

「適度な距離」を保って接していれば、相手の全体像がつかみやすくなります。

そしてもう1つ大なことは、言いにくいことを言う時に、自分の感情が揺れ動くことを恐れないことです。

言いにくいことを言う時には、自分の感情が揺れ動くため、それを恐れる人が多いと思います。

この感情の揺れを恐れずにそこから逃げず、「伝える必要があることは伝えるべき」と強い気持ちを持って割り切リましょう。

言いにくいことを相手に言うために段階を踏む

言いにくいことを言う時のトレーニングとして、気持ちの波の大きさを「カレーの辛さ」にたとえられます。

言いにくいことをうまく伝えられるようにするためには、「カレーが甘口」であるうちに、伝えておくことが大切ということなのです。

相手の行動に対して、ほんの少し違和感を感じる程度のうちに伝えてしまう方が伝わりやすいということなのです。

この段階では「まだそれほど大きなことではないから言わないでおこうと」と思ってしまう人が多いと思われます。

しかし、まだ「甘口」レベルの時に自分の気持ちを伝えることができた方が、自分自身の気持ちに余裕があるため、穏やかに冷静な気持ちで相手に伝えることができるのです。

それを放っておくと、いつの間にか「カレーの甘口」が「中辛」から「辛口」となっていき、「大辛」になってしまった時には、怒りを強く感じるところにまで到達してしまうのです。

つまり、相手に対して「言いたいことを我慢する」うちにしまいに怒りの波がかなり大きなものになって言えなくなってしまうということなのです。

感情の揺れがまだ小さいうちに、相手に言いたいことを相手に伝えておくことで、穏やかに伝えやすく、自分にとっても相手にとっても受け入れやすくなります。

言いにくいことを言う時に効果的な「クッション言葉」

言いにくいことを相手に伝えるとき、伝えたいことを先に柔らかい言葉を言っていくと、丁寧で優しい印象を与えます。

そうした言葉をクッション言葉と言います。そこで、ここでは幾つかクッション言葉をご紹介致します。

①「大変申し上げにくいのですが」

相手が間違っていることに気づいてもらいたいときに使います。相手は、ダイレクトに自分が指摘されていると感じると、不快な気持ちになります。

そのため、言う前に「どうしても今伝える必要があるので、言わせていただきます」と相手の気分を推しはかりながら、言わせていただくことにたいしてあらかじめ断りを入れておきます。

②「大変失礼かとは思いますが」

相手に対して「出過ぎたまねになってしまうと思いますが」と先に自分から相手が感じるような気持ちを察して、切り出しておくことで相手の立場を尊重している気持ちがあらわれます。

③「私が勘違いをしているかもしれませんが」

相手に明らかに間違いがあったとしても、ストレートに「間違っている」と言われると不快な気持ちになります。

そのため、相手が間違っていることを決めつけずにあくまで「私の思ったことを伝えさせていただく」というスタンスで、一歩ひいた言い方をすると、相手の方が受け止めやすくなるでしょう。

まとめ

人は、同じ言葉を言われてもそれぞれ感じ方が違います。

そのため、同じように言ったからとしても、皆が同じ反応をすることを期待できるものではありません。

しかし、ある程度言葉を受けとる相手の側の気持ちを予測して、相手を一方的に責めることにならないようにクッション言葉を使ったり、穏やか感情で冷静に相手に伝えることで言いにくいことも言いやすくなります。

とにかく、実践あるのみです。感情の揺れがあっても恐れずに相手に思ったことを上手につたえるようにしていきましょう。

それは、ビジネスで成功をするための一つのカギになってきます。