古くから議論が繰り返されてきたのにも関わらず、結論が出ないことというものがあります。ベーシックインカムもその一つ。 近年、また再注目されるようになってきたベーシックインカムですが、注目されるようになってきた背景には、AIなどを含むテクノロジーの発達によって、人の仕事が奪われると予想されていることが関係しています。 失業者が増えた時に、人々はどのように生活していけばいいのか?その解決策としてベーシックインカムの必要性が再注目されているのです。 人の仕事が奪われた結果、失業者の数が増えてしまう。そうなってしまってから対策をしていたのでは遅すぎます。 そこで、今回はベーシックインカムのメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。

ベーシックインカムとは?

まずは、ベーシックインカムのメリットとデメリットを紹介する前に、ベーシックインカムについて簡単に説明していきたいと思います。

ベーシックインカムとは、国が国民に対して生活に必要な資金を供給するという制度のこと。つまり、毎月確実に国からお金が支給されるという制度となります。

ベーシックインカムという制度の特徴は、貧困対策といったことを目的としているのではないという点にあります。

そのため、収入に関係なく国民一人一人全員に対して分配するものとなっているのです。

この説明だけを見ると、素晴らしい制度だと思われる人もいるかもしれません。しかし、実際に話はそれほど簡単ではありません。

その理由を知るためには、ベーシックインカムのメリットとデメリットをしっかりと理解しておく必要があります。

ベーシックインカムのメリットとは?

ベーシックインカムの是非を考えるためには、まずメリットとデメリットを知る必要があると紹介してきました。そこで、まずはベーシックインカムのメリットについて見ていきましょう。

ベーシックインカムには、以下のようなメリットが存在します。

  • 生活苦が減少する可能性がある
  • 子どもの出生率が上がる可能性がある
  • 起業家が増える可能性がある
  • ブラック企業が減少する可能性がある

ベーシックインカムには、上記で紹介したようなメリットがあります。

毎月決まった額が支給されるので、生活苦になる人が減る可能性があります。

また、国民一人一人に対して支給されるので、経済面で不安を感じて子どもを作らない人の悩みの部分を解消することとなります。その結果、子どもの出生率が上がる可能性もあるのです。

また、起業家の増加も見込むことができます。起業にはリスクがつきものです。しかし、失敗したとしても、最低限の生活は保障されているとなると、踏み出しやすい環境になるといえます。

結果、生活を心配することなくトライすることができるようになるのです。

次に、ブラック企業が存在できなくなるという可能性もあります。ブラック企業に勤めていると聞くと、辞めればいいと思うかもしれません。

しかし、そこで働く人には生活もあります。そして、多くの場合、それが理由で辞めることができないのです。

しかし、ベーシックインカムがあれば、生活の心配をする必要がありません。つまり、ブラック企業には人が居なくなるということ。結果、ブラック企業は市場から退場することとなるでしょう。

ベーシックインカムのデメリット

では、続いてデメリットについても紹介していきます。

ベーシックインカムのデメリットには以下のようなものがあります。

  • 財源の問題
  • 労働意欲が低下する可能性がある
  • 損をする人も出てくる
  • 富裕層が海外へ移住する可能性がある

まず、最も大きな問題が財源確保できるのか?という問題です。財源を確保するために一番早い解決策は増税です。

増税によって、国の収入を上げるということ。だからこそ、ベーシックインカムについて議論する時には、増税についての議論も必要になってくるという現実があるのです。

増税される可能性が高くなるのは、いわゆる富裕層の方たち。そうなれば、富裕層の人の中には海外への移住を考えるようになる人も出てくるかもしれません。

富裕層が海外へ移住した場合、当然ながら税収の減少を意味します。

また、労働意欲が低下するというデメリットも考えられます。働かなくても、毎月決まった額が支給されるのであれば、仕事に対するモチベーションを保つのが難しい人も出てくるでしょう。

そうなってしまうと、労働意欲も低下してしまい生産性が低下することが考えられます。

そして、もう一つのデメリットとして、ベーシックインカムによって損をする人も出てくる可能性が挙げられます。

損をするかもしれない可能性がある人。それが、年金受給者と公務員です。年金受給者の場合には、納めてきた年金に比べて受け取れる額が減少してしまう可能性が高くなります。

ベーシックインカムを導入するということは、社会保障制度がなくなるということ。つまり、年金を受給していた人は、年金がなくなるということ。

支給される金額が年金よりも低くなったことにより、将来に対する不安が大きくなる人もいるはずです。

また、社会保障がなくなるということは、市役所で働く人の仕事がなくなるということ。つまり、人員整理などによって仕事を失う可能性が高くなるということなのです。

まとめ

ベーシックインカムについての議論は現在でも続けられています。そして、その答えは未だに出されていません。

しかし、近い将来テクノロジーの発達によって、人の仕事が減ることは確実だとされています。また、現在の年金制度では制度を継続していくことができないという問題もあります。

これらの問題を解決していくための方法として注目されているベーシックインカム。あなたは、どのように思われますか?

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